2020 年 3 月 12 日に 64 bit デスクトップ GIS である ArcGIS Pro 2.5 をリリースしました。
本ブログでも、ArcGIS Pro 2.5 で追加された新機能をシリーズでご紹介していきます。今回は、画像解析新機能と題して、Image Analyst エクステンションで使用できる新機能をご紹介します。
多次元ラスター
気象データや海洋データ (気温、湿度、風速、風向など) を格納する多次元ラスターの機能が強化されました。
[多次元] タブ
マップに追加された多次元ラスター レイヤーを選択すると、[ラスター レイヤー] コンテキスト タブ セットに [多次元] タブが表示されます。[多次元] タブでは、多次元ラスターを処理するためのさまざまなツールと機能にアクセスすることができます。
例として、[要約統計量] ギャラリーから計算したいオプションを選択すると、簡単に結果をテンポラリ レイヤーとしてマップに追加することができます。
※[多次元] タブ内の機能のうち、[解析] グループ以外はエクステンションなしで使用することができます。
多次元解析ツールセット
Image Analyst ツールボックスに、以下の 3 つの新しいジオプロセシング ツールが追加されました。
多次元ラスターまたはマルチバンド ラスター内の各ピクセルに対して、所定の統計が得られるディメンション値またはバンド インデックスを抽出するツール
多次元ラスターの 1 つまたは複数の変数のディメンションに沿って各ピクセルのトレンドを推定するツール
[トレンド ラスターの生成] ツールの結果を使用して、予測される多次元ラスターを計算するツール
例えば、変数に緯度・経度・年間最低気温、ディメンションに時間 (西暦 1875 年~2015 年) を持つ netCDF データを使用して、[トレンド ラスターの生成] ツールでトレンドを生成し、生成したトレンドをもとに [トレンド ラスターを使用した予測] ツールで、将来のある時点 (今回は西暦 2120 年) の年間最低気温を予測することができます。
Full Motion Video
動画とマップが連動する Full Motion Video (FMV) の機能が強化されました。
ビデオの同期
複数のビデオ プレーヤーのビデオ データを同期して再生できるようになりました。異なる視点のビデオ データ同士を比較分析することができます。
ビデオの強調
ビデオ内のオブジェクトをより識別しやすくするために、ビデオ プレーヤーで再生するビデオ データのコントラスト、輝度、彩度、ガンマの調整や、色の反転ができるようになりました。
ビデオ内のオブジェクト測定
ビデオ プレーヤーで、長さ、面積に加えて高さのオブジェクト測定ができるようになりました。
いかがでしたでしょうか。ArcGIS Pro 2.5 ではこのほかにも様々な画像解析に役立つ便利な機能が追加、改善されています。詳細は、新機能ページをご覧ください。
ますます進化した ArcGIS Pro で一歩進んだ画像解析をお試しください。
ArcGIS Pro をお持ちでない場合は、トライアル版でエクステンションもお試しいただけます。
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