2022 年 1 月 11 日*に ArcGIS Pro 2.9 がリリースされました。この記事では、数ある新機能のうち、新たに登場したリニア リファレンス用のタブについてご紹介します。
リニア リファレンスとは
リニア リファレンスとは線分の起点からの距離を用いて、ある地点で発生している事象や距離区間 (渋滞や工事区間) をマップ上に表示・管理する方法で、道路や鉄道、パイプラインの管理などに利用できます。
ルート フィーチャクラスとよばれる道路などのラインに M 値 (メジャー値) を付与して距離情報を持たせたデータと、事故地点情報や工事の区間情報などを含んだイベント テーブルと呼ばれるテーブルを作成して統合することで、どこでどんな事故や工事区間があるかなどを可視化することができます。
[リニア リファレンス] タブ
これまでのバージョンでもリニア リファレンスを行うための編集ツールや、ジオプロセシング ツール等は利用できましたが、ArcGIS Pro 2.9 より、[リニア リファレンス] タブが登場し、リニア リファレンスで使用する機能が集約され、より使いやすくなりました。M 値を持つラインをマップに追加すると自動的にタブが表示されます。
ここで、リニア リファレンス タブの中から、機能をいくつかご紹介します。
ルートの検索
[ルートの検索] をクリックすると、特定のルートを検索することができます。ルートが大量にある場合、ルート名や識別子から探すことができるので便利です。
編集
編集ツールは、[編集] タブに実装されているツールと同じものです。[編集] タブに切り替える必要なく、新しいルート フィーチャを作成したり、M 値やルート フィーチャの編集をしたりするツールにアクセスすることができます。たとえば、下図は [フィーチャの修正] ウィンドウからアクセス可能な手動でルート作成やルートのキャリブレーションなどを行うことができる編集ツールです。
ツール
[ツール] では、リニア リファレンス用のツールがまとめられており、ジオプロセシング ウィンドウを開いて探す必要なく、リニア リファレンスのジオプロセシング ツールにアクセスすることができます。
ハッチ
[ハッチ] をクリックすると通常の [シンボル] ウィンドウが開きます。ルート ラインの色などの変更や、メジャー値を表示させるための目盛を設定したりすることができます。下図は、あるルート上に、5 つにカテゴライズされた路面評価区間を色分けしたイベント レイヤーを重ね合わせています。ルートに目盛があることで、優先的に補修が必要な評価が低い区間の距離をマップ上で把握しやすくなっています。
リニア リファレンス以外にも、ユーザーからリクエストの多かった機能の実装や、新しい解析ツールが追加されています。その他の新機能の詳細は Web ヘルプをご参照ください。
2 月 25 日 (金) には新機能についてデモンストレーションを交えてご紹介する 「ArcGIS Pro 2.9 新機能ハイライト」ウェビナーを開催します。過去の関連ウェビナーを視聴できる特典もございますので、お申込みの上ぜひご参加ください。
ソフトウェアのダウンロード
ArcGIS Pro のダウンロードは My Esri サイトから行ってください。
ArcGIS Pro をお持ちでない場合は、トライアル版で 21 日間お試しいただけます。是非お申し込みください。
※ 米国時間 1 月 11 日です。日本時間では 1 月 12 日にリリースされました。