トラック、大型車などの道路ネットワーク解析で有効な「ArcGIS Geo Suite 車種別規制付き道路網」をリリース!

2022 年 5 月 27 日(金)に、ESRIジャパン データコンテンツ ArcGIS Geo Suite 車種別規制付き道路網 (以下、車種別規制付き道路網) をリリースしました。

車種別規制付き道路網は、一方通行や右左折禁止といった一般車両に対する交通規制情報に加え、ジオテクノロジーズ株式会社の車種別規制データが提供する「車両の種類」と「車両の規格」に関する交通規制情報を収録しております。

車両の種類に対する規制情報

大きな主要道路から細い生活道路に入ることができる交差点部分などで、大型車を対象とした通行規制の標識を見かけることが良くあります。このような、走行する車両の種類によって通行に規制のかかる道路の情報を、車種別規制付き道路網には収録しています。

車両の規格に対する規制情報

電車の路線と立体交差する高架下の車高の制限や、細い道路の車幅の制限、また橋梁部分においては重量制限の規制が敷かれている場合があります。これら道路においては、車両の規格 (車高・車幅のある、重量物を積んだトラックなど) によっては走行することができません。このような車両の規格に対する規制情報も、車種別規制付き道路網には収録されています。

トラック・大型車等を想定した実用的なネットワーク解析の実現

車種別規制付き道路網は、「車両の種類」と「車両の規格」に関する規制情報を収録しておりますが、これら情報を道路ネットワーク解析で利用するための各設定は完了済みの状態でご提供します。車種別規制付き道路網を利用すれば、トラック・大型車などを想定した経路検索や配車ルート解析 (VRP解析) において、より実用的な解析結果を得ることができます。

以下の図は、東京都品川区戸越周辺の地図です。多くの車種・車格に対する規制区間が存在していることが分かります (一般車両に対する交通規制情報は非表示にしています)。
このエリアにて、5つの地点 (地図上の青色ポイント) を訪問する配車ルート解析を「普通乗用自動車」「大型貨物自動車」それぞれのパターンで実行してみます。

配車ルートの解析結果を確認すると、それぞれの車種で経路・訪問順が異なっていることが分かります。普通乗用自動車と比較して大型貨物自動車のほうが走行できる道路が限定されるため、大型貨物自動車の解析結果は大きく回る経路となっています。一か所、図中の青枠点線部分を拡大して、両者の違いを少し詳細に確認してみます。

「北千束五差路交差点」にて、普通乗用自動車は右折し次の訪問先に向かいますが、大型貨物自動車は左折し迂回したルートとなっています。右折した先に、大型貨物自動車を対象とした規制区間が存在するためです。車種に応じた、正しい経路となっていることが分かります。

このように車種別規制付き道路網を活用することで、トラック・大型車などを想定した実用的なネットワーク解析の結果を得ることができます。本データ製品を利用して是非、皆様のビジネスやご研究にお役立ていただければ幸いです。

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