ArcGIS Pro 3.0 新機能: OpenStreetMap 3D レイヤー

高機能デスクトップ GIS である ArcGIS Pro 3.0 が 2022年 8 月 11 日 (日本時間 8 月 12 日) にリリースされました。メジャー アップデートでもあるバージョン 3.0 では多くの新機能が追加されたほか、機能改善が行われました。本記事では OpenStreetMap (以下 OSM) 3D レイヤーについてご紹介します。

OpenStreetMap とは

OpenStreetMap は誰でも自由に地図を利用することを目的とした世界規模の共同作業プロジェクトです。編集機能を持っており、アカウントを持っていれば誰でも道路や建物、また樹木といったデータをマップ上に追加することができます。

OpenStreetMap 3D レイヤー

米国 Esri 社公認の地理情報コレクション「ArcGIS Living Atlas of the World」では、世界規模の OSM 3D データが新しくホストされ、ArcGIS Pro 3.0 でも、探索し利用することができるようになっています。Esri がホストしている 3D レイヤーは、OSM データに基づき建物、主題的な樹木、そして実写的な樹木を表しています。これらのレイヤーは Meta がサポートしている OSM データの Daylight Map Distribution から作成されました。今後、最新の OSM Daylight データを使用して OSM 3D データが毎月更新される予定です。

建物などのレイヤーは、ポップアップ情報を表示することも可能です。

当記事でご紹介している OSM 3D レイヤーを ArcGIS Pro で追加するには、ArcGIS Online アカウントにサイン インしている上で [カタログ] ウィンドウの [ポータル] タブをクリックし、「Living Atlas」のアイコンを選択して「OpenStreetMap 3D」と入力します。追加したいレイヤー、またはシーンを右クリックすることでマップに追加できます。

OSM 3D データを独自のデータと組み合わせてシーンに情報を付加したり、空間情報にコンテキストを与えたりすることもできます。また、エクステンション無しでご利用いただける [探索的解析] ツールの解析にもご利用いただけます。画像の例では [可視領域] 解析を対話的に行っています。

PLATEAU データ

ArcGIS Pro 3.0 の新機能ではありませんが、ArcGIS OnlinePLATEAU の 3D 都市モデル データを ESRIジャパンのアカウントで公開しています。本データは、「Project PLATEAU」(国土交通省) が「3D都市モデル (Project PLATEAU) ポータルサイト」(G空間情報センター) にて公開している CityGML 形式の建物データを、ESRIジャパンが「3D 都市モデルデータ変換ツール for ArcGIS」でファイル ジオデータベースに変換・加工し、Web シーンレイヤーとして公開したものです。ArcGIS Living Atlas of the World にも登録されており、上記でご紹介した検索方法と同様に「3D 都市モデル」と検索することで ArcGIS Pro 上ですぐ利用できるようになっていますので、ぜひご活用ください。画像の例では横浜市を表示しています。

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