AEC プロジェクトと地理空間情報を結びつけ、意思決定を支援する Web ベースのアプリケーション「ArcGIS GeoBIM」が 2022 年 12 月にアップデートされました。
今回のアップデートでは、新機能追加および機能強化が行われており、その中でも注目すべき 3 つの新機能をご紹介します。
3D 解析ツール
ArcGIS GeoBIM アプリのマップ画面内の機能アイコンより [3D 解析] ツールを使用できるようになりました。解析ツールは複数あり、それぞれの名称及び機能は以下のとおりです。
- 日光:
3D シーン上でシミュレートされた太陽や影の条件をもとに、日付や時間帯による日照状況を解析することができます。
- 天気:
3D シーン上に晴れや曇、雨等の天気を追加することができるツールで、それぞれの天気には、雲の量や降水量を調節することができるオプションが用意されています。
- 作り出される影:
3D シーン上に配置したモデル等に対して影の解析を行うことができ、一定時間以上、影で覆われているエリアを表示するほか、影で覆われていた合計の時間等を解析することができます。
- 見通し線:
3D シーンにおいて任意の観測点を配置し、1つまたは複数の目標点に対してどの目標点が見えて、どの目標点が見えないかを表現した見通し線を表示することができます。
これらの機能によって、ArcGIS GeoBIM 上にて簡単に解析を行うことができ、3D モデルによる周辺への影響や景観等のシミュレーション結果を視覚的に確認することができます。
エディター ツール
ArcGIS GeoBIM アプリの [エクスプローラー] に、コメントやフィーチャを追加・編集することができる [エディター] ツールが追加されました。
また、[エディター] ツールのために 3 つのフィーチャ タイプが新しく追加されており、その詳細については下記のとおりです。
- Location notes:
マップ上の任意の地点にポイントを作成し、コメントを追加することができます。
- Line notes:
マップ上の任意のスパンにラインを作成し、コメントを追加することができます。
- Area notes:
マップ上の任意の範囲にポリゴンを作成し、コメントを追加することができます。
これらのフィーチャによって、2D マップや 3D シーンに対して調整が必要な地点やエリアを強調することができるほか、境界ポリゴン外でも GIS データとして位置を指定し、コメントを追加することができます。
断面標高ツール
ArcGIS GeoBIM アプリの [エクスプローラー] に、2D マップもしくは 3D シーン上に作成したパスの標高を確認することができる [断面標高] ツールが追加されました。
これによって、パス内の標高の最大値および最小値や勾配等の確認ができ、周辺地形の傾向について分析・把握することができます。
その他の新機能や既知の制限については、リリース ノート (英語) をご参照ください。