非空間 / 空間データを直感的な操作でグラフや表、マップに可視化し、空間分析を実行することができる探索型空間分析アプリケーション ArcGIS Insights の最新バージョン 2023.1 を先月リリースしました。本ブログでは、2023.1 の主な新機能・機能強化をご紹介します。
目次
レポート デザイナー
ArcGIS Insights で作成した解析結果を、以下のいずれかのレポート形式で公開できるようになりました。「レポート デザイナー」を使用することで、作成したカードの中から表示させたいものだけを選んで自由に配置してレイアウトを調整したり、画像やテキスト ボックスを追加したりすることができます。
対話形式のレポート
従来のレポートと同様に、マップやチャートなどのカードを対話的に操作できるレポートです。レポートを閲覧するデバイス (パソコン、タブレット、携帯電話) に応じてレポートのレイアウトを調整することが可能です。
PDF 形式のレポート
PDF 形式の静的なレポートです。作成したレポートは、コンピューターに保存するか印刷できます。
PDF 形式のレポートにテーブル カードを追加する場合、表示方法は 2 通りです。
- カード:カードの範囲内で表示できる行のみをレポート上に表示します。
- マルチページ テーブル:テーブルが持つすべての行をレポート上に表示します。
データ エンジニアリングの機能強化 (Insights desktop)
データ エンジニアリングは、Insights desktop で利用できるプレビュー版の機能で、解析を行う前に入力データのクリーニングや位置の有効化を行うことができます。本バージョンでは以下の機能強化が行われました。
リレーションシップの作成ツールで空間結合を利用可能に
リレーションシップの作成ツールは、共通のフィールドまたは位置に基づき複数のデータセットの属性を結合できる機能です。本バージョンから、データ エンジニアリングで位置に基づいたリレーションシップを作成できるようになりました。
たとえば以下のように、事業所ポイントに重なる市区町村ポリゴンの属性情報を空間的に結合して、事業所ポイントに市町村ポリゴンの属性値を付与することができます。
マップ ビューを利用可能に
データ ワークブックに追加された空間データを、マップ ビュー上で可視化・確認できるようになりました。たとえば、緯度経度を持つテーブル データに対して位置の有効化を行った後に、マップ ビューに切り替えて結果を確認できます。
データ ワークブック内のデータを選択できるように
データ ワークブックでテーブル、マップ、および列のサマリーのいずれかでデータを選択すると、1 つのビューで選択した内容が連動して、それ以外のビューでも選択が適用されるようになりました。
その他の機能強化
- フィーチャ レイヤーのシンボルを [数と量 (色)] スタイルで表示する場合に、カラー パレットをカテゴリ別に閲覧できるようになったほか、カラー パレットを反転できるようになりました。
- ヒート マップで、新しいカラー パレット オプションを使用できるようになりました。
- 作成したモデルやテーマなどのアイテムを公開する際のワークフローが更新され、ページ右上にあるツールバー上に [公開] ボタンが表示されるようになりました。
おわりに
本バージョンから、解析結果をより柔軟に共有できるようになりました。 ぜひ最新バージョンの ArcGIS Insights を皆様の業務や研究にお役立てください。