2024 年 2 月 28 日 (日本時間 2024 年 2 月 29 日) に、クラウド GIS である ArcGIS Online がアップデートしました。主な機能追加・機能改善の内容をご紹介します。
目次
Map Viewer
スケッチ レイヤーの機能拡張
スケッチ レイヤーは、マップ上に簡単にフィーチャを追加できる機能で、ポイント、ライン、ポリゴン、テキストに加えて、説明のポップアップも設定することができます。
本アップデートにおいて、[プロパティ] ウィンドウからスケッチ フィーチャを選択できるようになり、シンボルとポップアップ情報を保持したまま、編集、複製、コピーして新しいスケッチ レイヤーを作成できるようになりました。また、一度に複数のフィーチャにタイトルを追加したり、ポップアップを設定できるようになりました。
集約の縮尺設定
集約は、多数のポイント フィーチャを集約してシンボル化する機能です。比例シンボルで表現するクラスタリングや、格子状のセルに集約するビニングがあります。どちらの方法でも、レイヤーに多数のポイントがあり、それらが重なり合っている場合に、効果的にデータ内のパターンを可視化できます。
本アップデートで、マップを拡大したときにクラスタリングやビニングを解除して、個々のフィーチャを表示する縮尺を設定できるようになりました。
カスタム Web スタイル
Map Viewer では、ArcGIS Pro で作成した独自のスタイルを利用することができますが、これまでは、ArcGIS Online の組織の設定を変更する必要がありました。
本アップデートにおいて、組織の設定を変更しなくても、Map Viewer 上で Web スタイルを選択できるようになり、より手軽に利用できるようになりました。
メディア レイヤーの保存
メディア レイヤーでは、Web マップ上に画像を追加して簡易的なジオリファレンスを実行できますが、これまで Web マップ内に保存することしかできませんでした。
本アップデートにおいて、メディア レイヤーをアイテムとして保存し、他の Web マップで再利用できるようになりました。メディア レイヤー アイテムには、配置、スタイル効果、可視性の設定なども保存されます。
出典: 国土地理院ウェブサイト (https://www.gsi.go.jp/)
Scene Viewer
3D ベースマップ
これまでベータ版として提供していた 3D ベースマップがリリース版になりました。ベースマップ ギャラリーから選択して利用可能です。
3D メッシュ
3D メッシュの 3D タイル レイヤーをシーンに追加できるようになりました。従来からある 3D メッシュ シーン レイヤーと同様に、リアルなテクスチャと標高情報を使用して、建築物や景観を表現することができ、他のコンテンツと組み合わせて使用することができます。
また、3D メッシュ シーン レイヤーを Scene Viewer 上で編集できるようになりました。ポリゴンを描画して地表を平坦にしたり、マスクして他のレイヤーと組み合わせて表示したりできます。
編集の制約
フィーチャ レイヤーの編集時に制約を設定できるようになりました。セグメントの長さ、角度、高度を数値で入力して、より正確に作図することができます。
ArcGIS Instant Apps
ArcGIS Instant Apps は、次世代の Web マッピング アプリケーションであり、高速モードまたはフル セットアップ モードを使用して迅速かつ容易にアプリケーションを構築できます。
マネージャー テンプレート
新しく追加されたマネージャー テンプレートでは、複数のマップ内のレコードの検索、表示、フィルターに加え、データの編集が可能です。例えば、ArcGIS Survey123 や ArcGIS Field Maps などのアプリを使用してデータを収集した後、マネージャー アプリを使用して、データ レビューを行うことができます。
その他
前回のアップデートで実装された言語の切り替え機能を 3D ビューアー、地図帳、添付ファイル ビューアー、ベーシック、スライダー テンプレートでも利用可能になりました。
連続していない地理的な場所を表示する場合に適している差し込みテンプレートで、定義済みレイアウトを使用する際のベースマップの色の選択肢が追加されました。また、海の部分を色なしにしたり、都市のラベルをオフにしたりできます。
ArcGIS Dashboards
ArcGIS Dashboards は、直感的かつインタラクティブなデータ ビジュアライゼーションを使用して、位置を含む情報を簡潔に伝えることができます。ダッシュボードは、意思決定、トレンドの可視化、リアルタイムの状況把握、コミュニティへの情報提供などに利用されています。
スプラッシュ スクリーン
スプラッシュ スクリーンが追加され、閲覧者がダッシュボードを開いたときに情報を表示できるようになりました。スプラッシュ スクリーンでは、一般的な情報、説明、使用条件や免責事項を通知することができます。タイトル、テキストに加えて、組織のロゴや画像を含めることもできます。
その他
エレメントのタイトルと説明にダイナミック テキストを挿入できるようになりました。これにより、データの作成日や作成者などの詳細情報を表示することができます。
[単位の接頭辞] タブは [時間と地域] 設定タブに置き換えられ、タイム ゾーンや単位の接頭辞を設定できるようになりました。
ArcGIS Experience Builder
スクロール ページや複数ページなど、柔軟なデザイン構成の Web アプリをノーコードで構築できる ArcGIS Experience Builder では、検索ウィジェットが新しく追加されました。また、既存のウィジェットも機能強化されています。詳細は後日、本ブログにてご紹介します。
ArcGIS Data Pipelines
ArcGIS Data Pipelines は ArcGIS Online の新しいデータ統合アプリケーションです。データの取り込み、加工、保守を迅速かつ効率的に行うことができたり、ドラッグ アンド ドロップで直感的にデータを接続し、処理を実行したりすることができます。操作方法の概要は、ブログ記事をご参照ください。
本アップデートにおいて、ベータ版からリリース版となり、スケジュール実行も可能になりました。また、リリース版になったことに伴い、消費クレジットが増加していますので、利用する場合はご注意ください。消費するクレジット数はヘルプをご参照ください。
コンテンツの管理
コンテンツ ページ
コンテンツ ページが新しくなり、コンテンツ ページ内でアイテムの詳細を簡易的に表示できるようになりました。また、コンテンツ ページ内のタブ (マイ コンテンツなど) を切り替える際に、適用しているフィルターや検索語句などが保持されるようになりました。
アカウントと管理
組織の管理者は、複数のメンバーを一括で削除できるようになりました。その際、複数のメンバーのコンテンツを一度に転送または削除することもできます。
その他の新機能はヘルプをご参照ください。
注) バージョンアップされた内容を確実にご利用いただくために、お使いの Web ブラウザーのキャッシュ (インターネット一時ファイル) を削除してください。主な Web ブラウザーのキャッシュ削除方法については、以下のリンク先をご参照ください。