ArcGIS Pro をベースにした商圏分析・エリア マーケティング特化型アプリケーション「ArcGIS Business Analyst Pro」(以下「BA Pro」) の最新バージョン 3.3 を、2024 年 6 月 27 日 (米国時間)(2024 年 6 月 28 日 (日本時間)) にリリースしました。本記事では、BA Pro 3.3 の新機能および機能強化をご紹介します。
新機能・機能強化
カラー コード レイヤーの機能強化
シンボル ウィンドウの追加
カラー コード レイヤーとは、選択した人口統計データの変数を簡単な手順でマッピングする機能です。今回のアップデートでは、カラー コード レイヤーを便利に使いやすくする機能を集約した [シンボル] ウィンドウを追加しました。
[シンボル] ウィンドウ上では、変数の様々な値のタイプ (実数、割合、インデックス) を随時変更することができます。例えば、「2020 人口 20 歳代」の場合、20 歳代の人口の実数、人口総数における 20 歳代の人口割合 (%) をワン クリックで切り替えることができます。もちろん変数自体の切り替えも可能です。またマップ スタイルのクラス数 (色付けする階級数) や配色、分類方法 (自然分類、等量、等間隔、等比間隔) を選択できます。さらにカラー コード マップを表示する際に区画レベル (例:都道府県、市区町村、町丁・字等) や、対象地域の切り替えもそれぞれ行うことができます。
表示する区画レベルを自動にすると、マップの縮小/拡大に合わせて、区画レベルや対象地域が動的に変化します。
対象地域は、都道府県、市区町村、町丁・字等だけでなく、マップ上にあるポリゴンでも、設定することが可能です。ポリゴンに接している都道府県、市区町村、町丁・字等の区画が表示されます。下記の画像は、鎌倉駅から車で 15 分圏商圏に接する町丁・字等の人口総数を可視化したマップです。
[シンボル] ウィンドウで設定したスタイルはすべての区画に自動的に適用されます。
カラー コード グループ レイヤー タブの追加
グループ レイヤーを [コンテンツ] ウィンドウ 上で選択すると、[カラー コード グループ レイヤー] タブを表示する機能を追加しました。[カラー コード グループ レイヤー] タブでは、表示縮尺範囲や透過表示の設定のほか、[シンボル] ウィンドウ の起動や表示する区画レベルを変更することができます。
テリトリー デザイン ツールの機能強化
テリトリー数の決定オプションの追加
テリトリー デザインは、営業管轄エリアや配達エリアなどにおいて、なるべくテリトリーをコンパクトにしつつ、そこに紐づく属性 (営業ノルマや人口総数、世帯数など) を均等になるようにテリトリーを作成・管理することができる解析機能です。
本バージョンでは、テリトリーの解析を行う際、テリトリー数を決定するパラメータ オプションとして [優先]、[最適な最大適用範囲] を追加しました。[優先] を選択した場合、ユーザー側が設定したテリトリー数の内、距離パラメータなど指定した制約を満たすテリトリーのみが作成されます。[最適な最大適用範囲] の場合、テリトリー数は、ベース フィーチャの最大適用範囲を使用して自動計算されます。こちらのオプションを利用するには、テリトリーの距離や属性の制約が必要です。
[テリトリー数の決定] パラメータ オプションが 4 種類に増えたことでより、ユーザーの用途に合わせた、テリトリーを作成できるようになりました。
おわりに
今回のアップデートでは、カラー コード レイヤーのワークフローが洗練され、ユーザーがマップ上で動的に操作できるようになりました。ぜひ最新バージョンである BA Pro 3.3 をご使用いただき、エリア マーケティング業務にご活用ください。