ArcGIS Maps SDK for .NET、ArcGIS Maps SDK for Kotlin、ArcGIS Maps SDK for Swift の各 SDK の最新バージョン 200.5 を 2024 年 8 月 1 日(日本時間 2024 年 8 月 2 日)にリリースしました。この記事では、バージョン 200.5 で追加された主要な機能や変更点について紹介します。
ArcGIS Runtime ライセンスパックをご購入の方は、2024 年 8 月 2 日以降保守有効なライセンスがアップデート対象となります。
目次
各 SDK (.NET/Kotlin/Swift) 共通のアップデート内容
ユーティリティ ネットワークの機能強化
オフラインで使用する際のユーティリティ ネットワークの編集ワークフローが包括的に強化されています。
オフライン編集と完全な双方向同期
ユーティリティ ネットワークをフィーチャ サービスからオフラインダウンロードして、オフラインでユーティリティ ネットワークの編集や編集したユーティリティ ネットワークでトレースを実行できます。また、オフラインで編集した内容はフィーチャ サービスに同期できます。
オフラインでのネットワークの検証
オフラインでも、ユーティリティ ネットワークの接続性をデバイス上でローカルに検証し、再構築することが可能になりました。オフラインでユーティリティ ネットワークに編集を行った後、ネットワーク トポロジーを再構築し、編集の結果生じた検証されていないダーティ領域を除去することができます。
ユーティリティ ネットワークの高度な編集
非空間および一致しないネットワーク フィーチャ間の接続性、格納、構造物付属物をモデル化するユーティリティ ネットワークの関連付けの編集がサポートされました。また、SDK がユーティリティ ネットワーク スキーマのバージョン 7 をサポートし、64 ビット Object ID を含むいくつかの機能強化が行われています。
Feature Form の添付ファイルとバーコード スキャン用フォーム
Feature Form に、添付ファイル用フォームとバーコード スキャン用のフォームが追加されました。これらにより、デバイスでのフィーチャの添付ファイルの編集やバーコード スキャンの入力が容易になります。
添付ファイルについては、オープンソースの Toolkit の Feature Form コンポーネントに統合されており、フィーチャの添付ファイルの追加、削除、名前の変更、プレビューが行えます。
バーコード スキャンについては、外部のスキャニング ハードウェアと統合する必要があるユーザーをサポートするために、ArcGIS Maps SDKs for Native Apps の API に BarcodeScannerFormInput タイプが追加されました。
Geometry Editor のレチクル
Geometry Editor に、デバイス上のタッチ操作で精密なジオメトリ編集を行うための新しいレチクル ベースの編集エクスペリエンスが追加されました。これにより、データ編集中に指先などによってデバイス画面の一部が見えなくなってしまうワークフローを改善できます。
レチクルはマップ ビューの上に重ねられた視覚的な補助ツールで、マップをパンしたりズームしたりしても、デバイスの画面に対して相対的な位置に表示され続けます。これにより、ユーザーの指やスタイラスが編集の妨げにならないようにします。レチクルには、照準を合わせるための十字線が含まれており、デフォルト画像以外にも、お好みの画像でカスタマイズすることもできます。
3D オブジェクト シーン レイヤーのレンダラー
開発者が 3D オブジェクト シーン レイヤーのレンダラーやシンボルを定義または変更できるようになりました。これまで、シーン レイヤーは、レイヤーと一緒に公開された既存のレンダラーや、Web シーンに定義されたレンダラーが使用されていましたが、このリリースでは、API で 3D オブジェクト シーン レイヤーのレンダラーを変更する機能が導入されました。たとえば、用途地域や築年などの属性に基づいて、テクスチャ付き 3D オブジェクト レイヤーの建物に色合いを適用したり、特定の高さ以下のすべての建物のテクスチャを完全にソリッド カラーに置き換えたりできます。
ArcGIS Location Platform でホストされているデータの Lite ライセンスでのフィーチャ サービスの編集
通常、セキュアなフィーチャ サービスのフィーチャを編集するには、ArcGIS Maps SDKs for Native Apps の Basic ライセンス レベルでアプリを認証する必要があります。このリリースでは、フィーチャ サービスが ArcGIS Location Platform によってホストされている場合に限り、Lite ライセンス レベルでセキュアなフィーチャ サービスのフィーチャを編集できるようになりました。
各 SDK 固有のアップデート内容
実行環境など、各製品固有のアップデート内容をご案内します。
ArcGIS Maps SDK for Swift
- Swift 6 の準備
- このリリースでは、開発者が必要とする場合に、アプリで Swift Complete Strict Concurrency Checking を有効にし、最終的に Swift 6 言語モードを採用することが容易になります。
- API の非推奨
- BasemapStyleLanguage 列挙型の applicationLocale、default、global、local は非推奨です。代わりに BasemapStyleLanguage.strategic を使用してください。
- BasemapStyleLanguage 列挙型の specific(Locale) は非推奨です。代わりに BasemapStyleLanguage.specific を使用してください。
本記事ではバージョン 200.5 の主要な項目についてご紹介しましたが、各 SDK の詳細な情報は下記のリリース ノート(英語)をご覧ください。
ArcGIS Maps SDK for Flutter Beta 2
ArcGIS Maps SDK for Flutter の Beta 2 がリリースされました。最初の正式リリースは、ArcGIS Maps SDKs for Native Apps のバージョン 200.6 で 2024 年 11 月頃が予定されています。Esri Early Adopter サイトからベータ版に参加することで、SDK のダウンロード、ドキュメントの確認、機能のフィードバックなどが行えます。Beta 2 の詳細は「ArcGIS Maps SDK for Flutter beta 2 is here」の記事 (英語) でも紹介されていますので、併せてご確認ください。