ArcGIS Pro で利用可能な、複数の便利なツールが含まれているサンプル ツールボックス「EJPyConv ツール」をオープンソースとして ESRIジャパンの GitHub で公開しています!今回は EJPyConv ツールに 3 つのツールを追加した EJPyConv_v1.3.0 を公開しました。
EJPyConv ツールとは?
EJPyConv ツールは、ArcGIS Pro 用の便利なツールが含まれている「ジオプロセシング ツールボックス」です。ArcGIS Pro にツールボックスとして追加することで、ジオプロセシング ツールとして利用することが可能です。各種ジオプロセシング ツールは、ArcPy を使って書かれたスクリプト ツールで、今回公開した EJPyConv_v1.3.0 では、3 つの追加ツールを含めた計 17 個のジオプロセシング ツールが含まれています (2019/12/26 時点)。
ツールボックスの追加内容
今回追加したツールは、以下の 3 つのジオプロセシング ツールです。ArcGIS Pro への設定方法は、GitHub上のドキュメントをご参照ください。本記事では今回追加したツールの概要をご紹介します。
[ジオメトリ操作 – ツール セット]
・スパイダー グラフの作成 (SpiderGraph)
・ティーセン ポリゴンの作成 (Thiessen)
・面積を按分 (ProportionalDivisionArea)
EJPyConv 追加ツールの機能イメージ
ツールの使用イメージ
ArcGIS Pro に EJPyConv ツールを追加すると、普段お使いのツールボックスからジオプロセシング ツールを呼び出す手順と同様に使用していただくことができます。
「ティーセン ポリゴンの作成」ツールは、公共施設や商業施設のポイント フィーチャから勢力圏や商圏などを分析する際に利用できます。例えば、店舗から顧客へ広告を送付する対象エリアをティーセン ポリゴンで分析できます。
ティーセン ポリゴンの作成ツール使用イメージ
「スパイダー グラフの作成」ツールは、入力ポイントから最寄りのポイントまでのラインを作成します。例えば、住所のポイントと健診機関のポイントを紐づけ、最寄りの健診機関を割り出し、未受診者に案内を送付する際などに利用することができます。
スパイダー グラフの作成ツール使用イメージ
スパイダー グラフの使用例については ESRI ジャパンの活用事例の「特定健康診査の未受診者に対する受診勧奨対策をGISで実現」も併せてご覧ください。
「面積を按分」ツールは任意のポリゴンの形状でデータを集計する場合に、その形状の面積の比率でデータを配分することができます。詳しくは GIS 基礎解説の面積按分をご覧ください。
面積按分 イメージ図
ArcPy を利用しスクリプト ツールを作成すると、ArcGIS Desktop の Standard、Advanced のライセンス レベルでしか使えなかった機能と同等の機能を利用することも可能です。GitHub では作成したツールのコードも公開しておりますので、一歩進んだ ArcGIS Pro の活用のために、お役立ていただければと思います。
免責事項
- 本ツールボックスに含まれるジオプロセシング ツールはサンプルとして提供しているものであり、動作に関する保証、および製品ライフサイクルに従った Esri 製品サポート サービスは提供しておりません。
- ツールボックスに含まれるジオプロセシング ツールによって生じた損害等の一切の責任を負いかねますのでご了承ください。
- 弊社で提供している Esri 製品サポート サービスでは、本ツールに関しての Q&A サポートの受付を行っておりませんので、予めご了承の上、ご利用ください。
詳細は ESRIジャパン GitHub アカウントにおけるオープンソースへの貢献についてをご参照ください。