ArcGIS Urban 2021 年 7 月 アップデートの新機能

都市開発のシナリオや影響評価をサポートする Web ベースの 3D アプリケーション「ArcGIS Urban」が 7 月 21 日にアップデートされました。

建物の個別編集や、適合性診断、カスタムの指標計算など、多くの実用的な機能が追加されました。ここでは、主な新機能をご紹介します。

建物の詳細編集

プラン内のシナリオは主に建物と空間用途タイプで構成されます。本バージョンアップで、区画に対して自動生成された建物を個別編集できるようになりました。また、選択した区画に新しく空間用途を描画することで、ゼロから建物を作成することもできます。また、スムーズに作業を進めるために、さまざまなツールが用意されています。これらのツールでは、建物のフロアの個々の頂点を編集したり、建物の壁を押したり引いたり、建物のパーツを回転させたり、建物全体の高さを調整したりすることができます。建物のフロアを作成する際には、スナップも利用できます。ジオメトリ編集の他にも、空間用途、フロアの高さ、正味面積など、様々な属性を調整することができます。また、各フロアが GFA/FAR の計算の対象になるかどうかをフロアごとに設定することもできます。

また、本バージョンアップで、サーフェスが導入されました。サーフェスは建物のフロアと同じように扱われますが、地形に沿って配置されるため、地表の駐車場や緑地をモデル化することができ、シナリオの評価指標を計算する際に考慮されます。

指標によるシナリオの評価

本バージョンアップでは、ArcGIS Urban に革新的なコンセプトが導入され、独自の指標を作成できるようになりました。これにより、人口密集地の収容力や財政的な実現可能性、あるいは駐車場需要のバランスなど、設計プロセスにおいて最も重要な事項を数値化して測定することが可能になりました。評価基準は、他の評価基準に基づいて設定することも、地表や建物の正味面積に基づいて設定することも、その両方を組み合わせて設定することも可能です。また、依存関係のグラフにより、測定基準が互いにどのように関連しているかを常に把握することができます。改良された指標ダッシュボードでは、すべてのシナリオにおいて、指標値をわかりやすく視覚化することができます。ダッシュボードを操作することで、建物のフロアや地表が特定の指標にどれだけ貢献しているかを視覚的に評価することもできます。

政策決定を検証するための適合性診断 (ベータ版)

政策とは、住宅価格の高騰など、都市が直面する問題に対処するために定義されたあらゆる行動指針のことです。ベータ版としてリリースされた新しい区画の適合性ツールでは、例えば、現在のゾーニング条件と新規住宅開発の可能性に基づいて、適切な区画を特定するよう設定することができます。さらに、新しいシナリオを作成して、選択した区画の建設シナリオをテストすることもできます。ArcGIS Urban では、異なる再開発シナリオを推進するために、異なる変数を用いて複数の適合性モデルを作成することができます。はじめに、タスクに関連する基準を定義します。これらの基準は、区画に既に存在する属性や、ArcGIS Online のフィーチャ レイヤーを参照することができ、適合性モデルに動的に追加することができます。その後、選択したフィールドを再分類し、各基準に重みを設定して、適合性スコアの計算を微調整することができます。適合性モデルを簡単に実行できるようになると、都市はこのような分析を効率的かつ柔軟に行うことができるようになります。

設計に関するコラボレーションの改善

設計シナリオを共同で作成する際には、意見を交換し、生き生きとした議論をすることが重要です。新しい共有とディスカッション機能は、設計プロセスにおけるコミュニケーションの重要性を考慮しています。設計を誰と共有するかを設定し、関係者のグループごとに個別のディスカッション チャンネルを設定します。同僚のコメントに返信したり、設計を評価しながら新しいアイデアを追加したりすることができます。設計の特定の場所にコメントを追加することで、コメントや考えをより正確に表現することができます。

動的な影の分析

影と日照のバランスは、都市空間の居住性に重要な役割を果たします。都市の規制の中には、ある区画で一定の時間、日照が得られなければならないと定めているものがあります。また、特定の建物が他の建物や近くの公園に影を落とす時間を制限する規制もあります。決められた期間、一定の時間、直射日光が当たらない場所を知りたいですか?夏の午後、提案されている新しい遊び場がどのくらいの時間、影になるのかを知る必要がありますか?新しく導入された影の持続時間ツールは、このような質問に素早く答えるのに役立ちます。

ArcGIS Urban を試してみるには?

本バージョンアップに合わせて、クイック スタート チュートリアル (英語のみ) も更新されています。試してみたい方は、お気軽にお問い合わせください。

国内においては、国土交通省が主導する Project PLATEAU により、国内の 3D 都市モデルが気軽に利用できるようになりました。この 7 月にオープンした「3D 都市モデル 活用サイト」では、ArcGIS ですぐに利用可能なジオデータベース形式の 3D 都市モデルを順次公開しており、これを ArcGIS Online で公開することにより、ArcGIS Urban でも利用することができます。

■関連リンク
PLATEAU の 3D 都市モデルの活用サイトが公開されました!

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