2024 年 1 月 23 日(日本時間 1 月 24 日)に ArcGIS Drone2Map 2024.2 がリリースされました。
今回のリリースでは、3D プロダクトの品質向上や GCP を使用するワークフローの機能強化などが行われています。本記事では、ArcGIS Drone2Map の新機能をご紹介します。
目次
3D 品質の向上
前回に続き、今回のアップデートでも生成プロダクトの品質が向上しました。ポイント クラウド密度を高密度に設定した処理において、メッシュの細かい箇所や建造物のテクスチャを、さらに精細に構築できるようになりました。
下図は、前バージョン(ver2024.1)と新バージョン(ver2024.2)で生成した 3D メッシュの比較です。屋根の面やエッジの部分がさらに高品質になっています。
地上コントロール ポイント (GCP) の機能強化
地上コントロール ポイント (GCP) を処理に組み込むステップに、多くの機能強化が行われました。
GCP への写真の追加
GCP を判別しやすくするための写真 (コントロール写真) は従来、GCP と同時に追加する必要がありました。
今回のアップデートでは、[ホーム] タブの [コントロール] → [コントロール写真のインポート] や、[画像のリンク] ウインドウからいつでもコントロール写真を追加できるようになりました。
画像リンク エディターの機能強化
前バージョンまでは [リンクの推定] を使用した後は [自動リンク] で全ての推定を承諾するか、画像内で個別に手動リンクを行う必要がありました。今回のアップデートでは、画像ごとに推定を承諾できるようになり、自動リンクを活用しやすくなりました。
また、エディター内での画像の回転が、従来は 90° 単位だったものから任意の角度で行えるようになりました。
GCP シンボル表示の変更
[地上コントロール ポイント]、[チェック ポイント]、[画像のリンク] のシンボルはこれまでも、プロジェクトごとに変更することができました。今回はそれに加えてデフォルトで使用するシンボルも設定できるようになり、利用環境や使用画像に合わせて見やすくカスタマイズできるようになりました。
GCP 追加後の精度変更
GCP 精度はデフォルト値を使用するか、GCP ファイルに列を含めて GCP と同時に追加する必要がありましたが、今回のアップデートで追加後にも設定が可能になりました。
画像メタデータ ビューアー機能の追加
[フライト データ] タブから画像メタデータ ビューアーを開いて、EXIF などのメタデータを簡単に確認できるようになりました。プロパティ名や値で検索することができます。
計測ツールの機能強化
既存の計測を、ジオメトリはそのままに、タイプやオプションを変更してコピーできるようになりました。以下のアニメーションでは最初に、[面積] 計測をコピーして、同一のポリゴンを使用して [体積] 計測を行っています。続いて 2D 座標を取得する [ポイント] 計測を、参照するサーフェスを変更したうえで 3D に変換しています。
また、計測ジオメトリをフィーチャからインポートしたり、シェープファイルやファイル ジオデータベースへエクスポートしたりできるようになりました。計測結果は [レポートの作成] ツールで出力できます。
その他の機能強化
- 検査ツールのフィールドに、新しく 日付 (Date) と 日時 (Date Time) のデータ タイプがサポートされました。デフォルトで現在の日付/時刻時が入力されている状態にすることもできます。
- マルチスペクトル画像の処理後、指数画像をホスト イメージ レイヤーとして ArcGIS Online や ArcGIS Enterprise で共有できるようになりました。
- プロジェクト作成時に画像の座標系情報が自動検証され、投影できない画像が存在する場合には警告が表示されるようになりました。
- [高精度 GCP(RTK および PPK)の画像位置の修正] オプションおよび [画像方向を使用] オプションの選択の有無を、処理レポートで確認できるようになりました。
新機能の詳細については ArcGIS Drone2Map 2024.2 の新機能ページをご参照ください。