雷によるリスクに備える!拡張レイヤー「雷情報」をリリースしました~気象オンラインサービス (ゲヒルン版)~

気象オンライン サービス (ゲヒルン版) (以下、気象オンライン) は、気象庁によるリアルタイムな防災気象情報をゲヒルン株式会社から提供を受け ArcGIS で利用可能な形式で配信するサービスです。2025 年 4 月 21 日 (月) に気象オンラインの拡張レイヤーとして、「雷情報」をリリースしました。ここでは「雷情報」で提供されるデータについてご紹介します。

拡張レイヤー「雷情報」を ArcGIS Dashboards で表示した例

拡張レイヤー「雷情報」とは?

気象オンラインで提供する各種防災気象情報に加えて、雷関連のレイヤーを提供するオプションです。気象オンラインの契約に加えて、「雷情報」拡張レイヤーをご契約いただくと利用できます。雷の発生地点を示す「雷観測(LIDEN)」レイヤーと雷の活動度を示す「雷ナウキャスト」レイヤーで構成されます。いずれも解析に利用可能なフィーチャ レイヤー形式で提供します。

雷観測 (LIDEN) レイヤー

雷によって発生する電波を受信して位置や発生時刻などの情報を作成する、気象庁の雷監視システムの情報を利用しています。雷の種類 (雲放電、対地放電=落雷) および観測時刻をポイント データとして提供します。更新は 5 分ごとに行っており、観測時刻の情報と過去 1 時間分の情報を提供します。

雷ナウキャスト レイヤー

雷ナウキャストは、雷観測システムの観測情報やレーダー観測に基づき、雷の激しさや雷の可能性を 1km メッシュ単位で解析し、その 1 時間後までの予測をしたものです。雷監視システムによる雷放電の検知数が多いほど激しい雷となります。本レイヤーは、観測時刻における解析結果に加え、雷活動度の 30 分後・60 分後予想も提供します。更新は 10 分間隔で行っており、観測時刻の情報と過去 1 時間分の情報を提供します。

なお、雷監視システムは雷放電以外の電波を受信する可能性があり、雷観測(LIDEN)レイヤーにおいても、誤標定された観測情報が含まれる可能性があります。また、急激に雷雲が発達することがあるため、雷ナウキャストにおいて活動度が出ていない地域でも天気の急変にはご注意が必要です。

活用例

サプライチェーン網との重ね合わせ

工場では、雷による停電などが原因で稼働が停止したり、不良品の割合が増加することがあり、その結果、生産に遅れが生じることがあります。GIS を活用して、自社のサプライチェーン網とリアルタイムな雷情報を重ね合わせることで、落雷が発生する前にどの工場に対して対策を講じるべきかを意思決定することができます。また、影響が長期化した場合、どのサプライチェーンに影響が生じるのかをマップを連動させながら確認することも可能です。

サプライチェーン網との重ね合わせイメージ

アラート通知

すべての情報をマップ上に重ね合わせて可視化することは、状況を一目で把握できるため、大変有効な手段です。ただし、常にマップを確認し続けることは困難なため、アラート通知の仕組みを構築するケースもあります。気象オンラインは、解析可能な形式で配信しているため、たとえば、サプライチェーン網との位置関係をもとに雷が接近したときに自動的にアラートを通知する仕組みを構築することも可能です。

他にも様々な活用法が考えられます。自社で保有しているデータと雷情報を組み合わせて、迅速な防災対応にご活用ください。

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