2026 年 3 月 26 日 (日本時間 2026 年 3 月 27 日) に行われたアップデートで、ArcGIS Survey123 (以下「Survey123」) のバージョン 3.25 がリリースされました。今回のアップデートでは、Web デザイナーで繰り返しや計算モードが設定できるようになるなど、いくつかの機能強化が行われています。主な更新内容を本記事でご紹介します。
また、Survey123 フィールド アプリと Survey123 Connect については、今後次世代版へのアップデートが予定されています。記事の末尾では、次世代版アプリへの移行についてもご紹介いたします。
目次
Survey123 とは?
Survey123 は、現地調査の準備、実施、集計作業という 3 ステップをシンプルかつ直感的な操作で行うことができる GIS アプリケーションです。Survey123 を利用すると、洗練された調査票を Web ベースで簡単に作成できます。マルチ デバイスに対応しており、あらゆる端末・環境からデータ収集が可能です。また、収集されたデータはリアルタイムで集計され、シームレスに利用できます。
ESRIジャパンでは、Survey123 の簡単な利用ガイドとして、「Survey123 スタートアップ ガイド」を公開しています。こちらも是非合わせてお読みください。
Survey123 Web サイトの新機能/機能強化
Web デザイナーで繰り返しの質問項目を設定
Survey123 Web デザイナーで、繰り返しの質問項目を設定できるようになりました。これまで、繰り返しを利用するには Survey123 Connect を使用して調査票を作成する必要がありましたが、今回のアップデートにより、Web デザイナーのみで調査票の作成を完結できます。
繰り返しは、1 つの回答に対して、同じ質問セットを複数回入力できる機能です。たとえば、1 つの建物内にある複数の点検箇所や、調査範囲内に存在する複数の植物や動物の情報を、1 回の回答としてまとめて送信できます。
このとき、調査全体の情報は「親レコード」として保存され、繰り返し部分の各入力結果は「子レコード」として、親レコードに関連付けられた形で保持されます。そのため、メインの調査結果である親レコードを参照することで、関連する子レコードの複数の情報も個々に確認できます。
Web デザイナーで繰り返しを設定する方法は以下の通りです。
- 左側の [追加] タブから [表示と構造] → [繰り返し] をドラッグ アンド ドロップまたはクリックして、調査票に追加します。
- 右側のパネルで任意の [ラベル] を設定します。
- [繰り返しのレコード] でレコード数のオプションを選択します。
- 1 つのレコードから開始: 1 つ目のレコードの入力を開始した状態で調査票を開きます。
- レコードなしで開始: レコードのない状態で調査票を開きます。
- レコード数を指定: 入力できるレコード数の上限を指定します。
- 繰り返しに任意の質問項目を追加します。
- 調査票を保存して公開します。
計算モード
調査項目に計算を設定する際、Web デザイナーで「計算モード」を選択できるようになりました。これに伴い、Web アプリで回答する場合にも計算モードがサポートされます。
計算モードでは、計算を実行するタイミングを以下の 4 つから選択できます。
- 自動 (デフォルト): 質問が空の場合、または変更されていない場合に計算します。
- 手動: 「回答を計算」ボタンが押されたときのみ計算を実行します。
- 常時: 参照されている値が変更されたときに計算を実行します。
- 空の場合: 空でない値が返されるまで計算を続け、その後は手動モードと同じように動作します。
これにより、複雑な調査票での計算の挙動や、調査票のパフォーマンスをこれまで以上に細かく管理・制御できます。
また、下の図のようにジオコーディングなどクレジットを消費する計算の実行タイミングを制御することも可能です。計算モードの設定は、組織内のリソースを効率的に管理することにもつながります。
調査に関連するフィーチャ レイヤーの名称の変更
Web デザイナーの [スキーマの変更] パネルで、調査に関連付けられるフィーチャ レイヤーの名称を編集できるようになりました。デフォルトの名称は一律で「survey」ですが、必要に応じて名称を変更することで、複数の調査のフィーチャ レイヤーを明確に区別して管理でき、データ管理の負担を軽減できます。
フィーチャ レイヤーの名称は調査票を公開する前にのみ変更可能です。調査票を公開する前に、レイヤーの名称をご確認ください。
フィーチャ レイヤー Webhook の追加
調査結果の格納先のフィーチャ レイヤーに対して Webhook を設定できるようになりました。これにより、フィーチャ レイヤーの設定画面を開くことなく、調査に関連している Webhook の設定と管理を行えます。
なお、現行バージョンでは Survey123 Webhook とフィーチャ レイヤー Webhookの両方をサポートしていますが、次世代版の Survey123 では、ArcGIS 全体での一貫性と拡張性を高めるため、フィーチャ レイヤー Webhook が標準となる予定です。
Survey123 フィールド アプリと Survey123 Connect 次世代版について
Survey123 フィールド アプリと Survey123 Connect は、現行のテクノロジーとフレームワークでの開発をバージョン 3.25 で終了する予定です。現在、次世代版 Survey123 アプリの開発が進められており、今後は次世代版の開発と移行に注力されます。
移行期間における現行バージョンの Survey123 フィールドアプリと Survey123 Connect の扱いは以下のとおりです。
- 現行の Survey123 (3.x) アプリは、引き続きサポートされます。
- 新機能や機能強化は追加されません。
- Survey123 3.x は将来的にリタイアされる予定です。
- 移行期間中は、現行の 3.x アプリと次世代の Survey123 アプリの両方を並行して使用できます。
次世代版アプリへの移行の詳細については、以下のサポートからのお知らせをご参照ください。
Survey123 では、AI アシスタント機能の追加をはじめ、より効率的で高度な現地調査を実現するための強化が今後も予定されています。Survey123 の今後の展開に、ぜひご期待ください。
Survey123 の新機能の詳細はブログ (英語) をご参照ください。

