IoT センサーやデータ ソース、その他 API などからデータを取り込み、リアルタイムのデータ フィードを処理、視覚化、解析することができる ArcGIS Velocity がアップデートされました。ここでは、2026 年 6 月のアップデートで追加された以下の新機能や機能強化をご紹介します。
- フィード
- Esri のプラチナ パートナーである Dataminr から、Dataminr フィードを使用してリアルタイムの速報イベント アラートを取り込み、状況認識を向上させ、インシデント対応を迅速化します。
- Dataminr First Alert フィードを使用して、Dataminr First Alert 製品から、公共機関向けの人工知能(AI)を活用したリアルタイムのイベント、脅威、およびリスク インテリジェンスを取り込み、緊急対応および初動対応者のユース ケースに活用します。
- CompassCom フィードを使用して、CompassCom からリアルタイムの AVL およびテレマティクス データを取り込み、任意のデバイスから、任意の場所で、車両、人員、および現場アセットのリアルタイム追跡と解析に活用します。
- Raven Connected フィードを使用して、Raven Connected からリアルタイムのテレマティクス データおよび車両インテリジェンスをストリーミングし、道路安全性および状況認識を向上させるために、車両挙動および運用状況に関する情報を取り込みます。
- Samdesk フィードを使用して、Samdesk のグローバル イベント検知プラットフォームからリアルタイムのグローバル危機およびイベント アラートを取り込み、状況認識および意思決定を支援します。
- IoTKinect フィードを使用して、長距離広域ネットワーク(LoRaWAN)デバイスから、リアルタイムの産業用 Internet of Things(IoT)およびセンサー テレメトリーを ArcGIS Velocity にストリーミングし、リアルタイムの監視およびイベント アラートに活用します。
- 解析
- リアルタイム解析およびビッグ データ解析の両方でマルチマージ ツールを使用し、フィーチャ ジオメトリ タイプが一致する 2 ~ 10 個の入力レイヤーを 1 つのスキーマに結合します。
- 属性で分割ツールを使用して、区切り文字付きの属性値を個別のレコードに分割することで、複雑なイベント データをより効率的に解析します。
- 一般
- このリリースにおけるその他の機能強化および不具合修正については、新機能の完全な一覧で確認できます。
目次
フィード
Dataminr
Dataminr フィードは、AI を活用したリアルタイムのイベント インテリジェンスを ArcGIS Velocity に直接取り込み、組織が発生しつつあるリスクを検知し、より迅速に対応できるようにします。Dataminr のグローバル イベント検知プラットフォームからイベント アラートを取り込むことで、既存の ArcGIS のマップ、アプリ、ダッシュボード内で速報イベントをリアルタイムに可視化および解析できます。
この統合により、リアルタイム検知とリアルタイム解析が接続され、認識と行動の間のギャップを埋めるのに役立ちます。組織は、インシデントが展開していく様子を監視し、リアルタイム解析を使用して関連性に基づいてフィルター処理し、解析結果を運用に反映して、より迅速で、より情報に基づいた意思決定を支援できます。
Dataminr のリアルタイム データは、人員やアセットを保護する企業のセキュリティ チーム、混乱を監視するサプライ チェーンおよび物流事業者、地域の状況認識を維持する公共機関など、幅広いユース ケースで有用です。すべてのイベント アラート属性は取り込み時に保持され、下流の解析、ダッシュボード、および運用アプリケーションのための豊富な基盤を提供します。
Dataminr First Alert
公共機関および緊急対応ユース ケース向けに、Dataminr First Alert フィードは、迅速で時間的制約のある意思決定のために設計された専用の統合機能を提供します。このフィードは、従来の通知方法やフィーチャ レイヤーの取り込みと比較して、低遅延で重要なイベント情報を提供します。これにより、緊急対応センター、初動対応者、および公共安全機関は、重要なイベント情報を可能な限り迅速に取り込み、対応できるようになります。さらに、進行中のインシデントにおける、より迅速な調整と対応を支援します。Dataminr First Alert は Dataminr フィードと同様に動作しますが、公共機関向けのユース ケースを想定して設計されています。
いずれの Dataminr フィードへのアクセスも、Dataminr から直接購入します。
注意: Dataminr または Dataminr First Alert フィードを構成した後、フィードにデータを取り込むための情報を Dataminr Customer Service に送信する必要があります。送信する情報には、フィードのユーザー名、パスワード、および HTTP エンドポイント URL が含まれます。ユーザー名またはパスワードが利用できない場合は、新しい認証情報を作成し、それらを Dataminr Customer Support に提供してください。

CompassCom
ArcGIS Velocity の CompassCom フィードは、車両、陸上移動無線、スマートフォン、および IoT デバイスからのリアルタイム位置データを、単一の継続的なストリームを通じて提供します。CompassCom は、Automatic Vehicle Location(AVL)およびテレマティクス ソリューションを提供する、Esri の長年のパートナーです。フィードを通じて取り込むことができるデータにより、クラウドまたはオンプレミスに展開された車両、陸上移動無線(LMR)、スマートフォン、および IoT デバイスを追跡でき、サイバー セキュリティーおよび IT 要件を満たしながら、多様なネットワーク環境全体で信頼性の高い追跡を可能にします。CompassCom は Motorola 無線機からの GPS 位置情報をサポートし、リアルタイムの状況認識を提供します。
このデータを ArcGIS Velocity に取り込むことで、組織は車両群および現場人員の移動をリアルタイムに監視および解析し、状況認識と調整を向上させることができます。これは、防衛、連邦政府、および公共安全機関が、任意のデバイスから、任意の場所で、車両、人員、および現場アセットの状況認識を維持するうえで特に有用です。
ArcGIS GeoEvent Server から移行する組織にとって、CompassCom フィードは、CompassCom GPS およびテレメトリー データを Velocity に取り込むための分かりやすい方法を提供します。CompassCom のソリューションおよびデータへのアクセスは、CompassCom から直接購入できます。

Raven Connected
Raven Connected フィードは、リアルタイムの車両群、道路、および作業区域インテリジェンスの提供者である Raven Connected からのデータの取り込みを簡素化します。Velocity を通じて、ユーザーは運用のために、車両位置および重要なテレマティクス データを解析できます。Raven Connected へのアクセスは、Raven Connected プラットフォームを通じて購入します。

Samdesk
ソーシャル メディア、ニュース、その他のソースを手動で追跡して発生しつつあるグローバル イベントを監視すると、多くの場合、認識の遅れやインシデントに対する可視性の制限が生じます。Samdesk は、ソーシャル メディア、ニュース、その他のオープン ソースを継続的にスキャンする、AI を活用したグローバル イベント検知プラットフォームです。Samdesk フィードを使用すると、自然災害、火災、脅威、その他の公共安全イベントを含む、発生しつつあるインシデントに関するリアルタイムの危機およびイベント アラートを簡単に取り込めます。これらのジオロケーション付きイベント アラートは、イベントが展開するにつれて ArcGIS Velocity に取り込まれ、組織が既存のマップやアプリケーション内でリアルタイム情報を可視化、解析、および対応できるようにします。これにより、組織は状況認識が向上させ、1 つ以上の地理的な関心エリア全体で、より迅速で確信を持った意思決定を行えるようになります。
Samdesk フィードは、さまざまなユース ケースで有用です。たとえば、対応活動を調整する公共安全機関および緊急対応センター、港湾や配送センター付近の混乱を監視する物流およびサプライ チェーン チーム、状況認識を維持する防衛およびインテリジェンス組織、アセットに影響を与える可能性のあるインシデントを追跡するリスクおよび保険アナリストなどで活用できます。Samdesk へのアクセスは、Samdesk プラットフォームを通じて直接購入します。

- カリフォルニア州 Cape Mendocino から Point Arena までの海域に対して発表された強風警報および海岸危険情報。
- オーストリアの Wiener Neustadt に対して発表された黄色の雷雨警報。
新しいイベントが取り込まれると、マップは自動的に更新され、世界中に分散したインシデントの監視を可能にし、リアルタイムの状況認識を支援します。
IoTKinect
多様な IoT デバイスおよびセンサー ネットワークへの接続は、特にデータが複数のベンダー、プロトコル、および形式から提供される場合、複雑になることがあります。ArcGIS Velocity の IoTKinect フィードは、単一の統合された連携を通じて、幅広い IoT デバイスおよびリモート センサーからのリアルタイム観測データへのアクセスを提供することで、このプロセスを簡素化します。IoTKinect は、LoRaWAN デバイスを含む複数のデバイス タイプおよび通信プロトコルにわたってデータを集約し、正規化します。Velocity を使用すると、リアルタイム データの集約および準備にかかる作業を減らし、解析の作成により集中できます。
IoTKinect フィードは、移動、占有状況、環境条件、およびアセット稼働状況の監視をサポートしており、特に、運用チームによる環境モニタリングやアセット追跡のユース ケースで有用です。アクセス認証情報は IoTKinect を通じて購入します。

解析
マルチマージ
複数のリアルタイム データ フィードを管理するには、特に異なるソースからの類似データを結合する場合、従来は複雑なワークフローが必要でした。以前のリリースでは、ユーザーは多くの場合、2 つの入力のみに制限されている複数の Merge ツールを連結することに依存しており、その結果、構築、拡張、および保守が困難な解析になっていました。
以前はリアルタイム解析のみに制限されていたマルチマージ ツールが、現在はビッグ データ解析でも利用できるようになりました。このツールにより、ユーザーは複数の入力レイヤーを 1 つの出力レイヤーに統合できます。このツールは、既存の Merge ツールの機能を拡張します。マルチマージは、同一のフィーチャ ジオメトリ タイプ(テーブル、ポイント、ライン、またはポリゴン)を持ち、少なくとも 1 つの対応するフィールド名とタイプを持つ 2 ~ 10 個の入力レイヤーを 1 つのスキーマに結合します。
複数のフィードを統合する方法を簡素化することで、マルチマージはワークフローの複雑さを軽減し、リアルタイム解析およびビッグ データ解析の両方を構築および管理しやすくします。これは、複数の AVL または IoT フィードを、監視ダッシュボード、運用アプリケーション、または下流解析のための 1 つのレイヤーに結合するような一般的なシナリオで特に有用です。
ArcGIS GeoEvent Server から移行する組織、または既存の Velocity 配置を拡張する組織にとって、マルチマージは複数のデータ ソースを処理するための、より効率的で拡張性の高いアプローチを提供します。

属性で分割
リアルタイム データは、複数の値が 1 つのフィールドに詰め込まれた状態で到着することがあり、Velocity で解析を適切に構成することが困難になります。ArcGIS Velocity の属性で分割ツールは、このプロセスを簡素化します。カンマ区切りのリスト、セミコロン、スラッシュなどの区切り文字付きの値を、取り込み時に個別のレコードへ自動的に分割できます。生成された各レコードは、元のすべての属性を保持するため、各値を個別に解析、ルーティング、または集計できます。
この機能は、一般的な運用シナリオで特に有用です。たとえば、複数の対応ユニット(E12, L3, M5)を参照する緊急出動記録、影響を受ける回線(CIR-104; CIR-991; CIR-120)を一覧表示するユーティリティ イベント、複数のゾーン(ZoneA/ZoneB/ZoneC)にまたがる気象イベント アラートなどに活用できます。各値をそれぞれ独自のイベントとして扱うことで、リアルタイム データは即時解析に使用できる状態になります。
ArcGIS GeoEvent Server から移行する組織にとって、この機能は Field Splitter プロセッサーの機能を ArcGIS Velocity にもたらします。

参考情報
詳細については、ドキュメントの新機能をご参照ください。製品に関するアイデア、拡張機能、機能に関する要望がある場合は、Esri Community のArcGIS Velocity Ideas に投稿をお願いします。ArcGIS Velocity の詳細については、製品ビデオ、チュートリアル、ドキュメントなど、利用可能なリソースをご覧いただければと思います。
関連リンク
- 米国 Esri ArcGIS ブログ:
- ESRI ジャパン Web サイト:
- ESRI ジャパン ArcGIS ブログ:
- ESRI コミュニティ ブログ:
