ArcGIS 交通ネットワーク分析で徒歩ルートの解析を行うには?

ArcGIS データコレクション プレミアムシリーズ2010 道路網と ArcGIS Desktop エクステンションの ArcGIS Network Analyst ライセンスを使用して、道路網データ(規制情報)に基づく徒歩ルートの解析を行うことができます。

今回は“ ESRIジャパン(東京、永田町)から地下鉄の最寄駅までの徒歩ルート(距離)を求める“ための、解析手順をご紹介します。ルート解析のデフォルトは、車による移動ですが、ご紹介する設定により徒歩の場合を解析することができます。

【必要なもの】
・ArcGIS データコレクション プレミアムシリーズ 2010 道路網
・ArcGIS Desktop エクステンションの ArcGIS Network Analyst
・ArcGIS Desktop (ArcView, ArcEditor, ArcInfo)
・出発地点ポイント(今回の例:ESRIジャパン)

【解析モデル】 ArcGIS Desktop の ModelBuilder を用いて、解析モデルを作成します。以降の手順にそって、モデルに設定を行います。
01


1. ArcGIS Network Analyst ライセンスが有効になっていることを確認 

ArcMap を起動 → [カスタマイズ] → [エクステンション] → [Network Analyst] チェックボックスにチェック

2. [最寄り施設の検出レイヤの作成] の設定
道路ネットワークデータの解析内容を設定します。
※図の赤枠は徒歩ルート解析に必須な設定項目、黄枠はオプション設定項目です。
02
① 解析結果を出力する属性値です。今回は距離を求めるので距離に設定します。
② 検出する最寄り施設までの距離です。今回は例として、10km 圏外の駅を除外する設定にします。これで、10km 以上の駅は検出されません。
③ 最寄り施設の検出数を設定します。今回は、最寄り駅を3つ検出したいので [3] に設定します。
④ Uターンを許可/禁止する設定です。徒歩の解析では、Uターンができる設定にします。
⑤ 解析に使用しない規制を設定します。徒歩では、自動車専用道路と有料道路は交通しません。
⑥ 階層(構造幹線道路/主要道路/一般道路など)使用の設定です。自動車でのルート解析を行う際には重要になってきますが、徒歩でのルート解析を行う際には必ずしも必要ありません。

3. [ロケーションの追加] の設定(出発地点)
出発地点[インシデント]フィーチャを設定します。[最寄り施設の検出レイヤの作成] では、ロケーションの出発地点を [インシデント] と呼びます。また、徒歩ルート解析のため、対象とする道路種別から高速道路、有料道路、自動車専用道路を除外します。
03
① ルートの出発地点を指定します。出発地点を [インシデント] と呼びます。
② 出発地点のフィーチャを設定します。今回は、ESRIジャパン建物のポイントに設定します。
③ 出力結果に表示させたいフィールドを指定します。今回は建物名称を表示させます。
④ 検索対象を設定します。今回は、道路ラインのみを対象とするため、[NODE] のチェックを外します。
⑤ 検索対象の絞り込みを設定します。徒歩ルートの場合、高速道路、有料道路、自動車専用道路は除外します。
[SQL] ボタンをクリック → [“rdclasscd” <> 1 AND “rdclasscd” <> 2 AND “trcd” <> 1 AND “mvonlycd” <> 1] を記述

4. [ロケーションの追加] の設定(目的地点)
目的地点 [施設] フィーチャを設定します。[最寄り施設の検出レイヤの作成] では、ロケーションの目的地点を [施設] と呼びます。
※基本的には3の設定と同じですが、① [サブレイヤ] と② [入力ロケーション] の設定が変わっていることに注意して下さい。
04

5. 解析の実行
解析の実行が終了すると、ESRIジャパンから 10km 圏内の最寄駅までの徒歩ルートが ArcMap に表示されます。
(永田町駅:赤、赤坂見附駅:緑、溜池山王駅:黄色)
05

また、コンテンツ ウィンドウに作成された [ルート] レイヤの属性テーブルを開き、建物から最寄駅までの距離が出力されていることを確認します。
06

※注意事項
・『 ArcGIS データコレクション プレミアムシリーズ 2010 道路網』道路ネットワークデータの道路範囲に限るため、実際の徒歩ルートと異なる場合があります。
・今回の解析で用いた駅のポイントデータと背景地図は、『 ArcGIS データコレクション プレミアムシリーズ 2010 詳細地図』を使用しています。
・本解析モデルは、サンプルとしてご紹介しておりますのでサポート対象外となります。従って、本件に関するご質問はお受けできません。また、本サンプルを使用して生じたいかなる障害についても、弊社では責任を負いかねますことを予めご了承願います。

■関連リンク
ネットワーク解析レイヤとは
ロケーションの追加
最寄り施設の検出解析