ArcGIS データコレクション スタンダードパック2011は、背景地図データ、住所データ、統計データといった基盤となる GIS データを DVD4 枚に収録したデータパッケージ製品ですが、それぞれどのような内容のデータが収録されているかご存知でしょうか? 今回は DISC1 に収録の「広域地図」についてご紹介します。
広域地図は株式会社ゼンリンの地図データと国土交通省の基盤地図情報および国土数値情報を用いて開発された、小中縮尺での表示に適した背景地図データベースです。
主な収録内容は以下のとおりです。
【収録データの例】
株式会社ゼンリンの地図データは定期的なメンテナンスが行われており、広域地図はこの最新データ(年1回更新)を用いて開発されるため、地方自治体の合併や新設地物情報などが反映された、鮮度の高い背景地図となっております。
また、病院、学校、警察署、役場、飲食店、コンビニエンスストア、ガソリンスタンド、銀行、宿泊施設、レジャー施設など、公共・民間施設の目標物(POI)を豊富に収録しているのも広域地図の特徴のひとつです。
さらに、2011年版から広域地図には新たに「目標物ロケータ」が収録されました。目標物ロケータでは、地物の名称(施設名、駅名、バス停名など)から位置を特定し、その場所に移動する機能などがご利用いただけます。
「○○周辺をマップに表示したい」と思った際に、なかなかその場所を地図上で見つけられず苦労したことはありませんか? 目標物ロケータを利用すれば、その地域の土地勘がない方でも、目的地を瞬時にマップに表示することができ、作業効率を向上させることができます。
施設名や駅名以外にも、郵便番号や電話番号(市外局番)による検索、一部の地物はひらがな入力による検索にも対応しています。
広域地図には「POI」、「TRANS」ロケータを収録しており、それぞれ以下の目標物を検索できます。
目標物ロケータの使い方は非常に簡単です。
1.ArcMap で「広域地図.mxd」を開き、 [検索ツール] をクリックします。
2.[検索] ダイアログの [ロケーション] タブをクリックし、 [ロケータの選択:] でロケータを選択します。分類別に複数のロケータを収録しており、それぞれ検索できる地物が異なります。
3.今回は駅名とバス停名が検索できる「TRANS」ロケータを選択します。テキストボックスに検索したい名称を入力し、右上の [検索] ボタンをクリックします。
例えば「横浜」を検索してみると、検索文字列と一致した目標物が検索結果に表示されます。
4.検索結果上で右クリックすると、ショートカットメニューから移動や吹出しの追加などを行うことができます。
お気に入りへ追加したりブックマークを作成することも、このショートカットメニューから行うことができます。
今回は広域地図をご紹介しましたが、広域地図に限らず ArcGIS データコレクションの背景地図データの最大の特徴は、「ArcGIS ですぐに利用できる」ことです。
通常、高品質高性能な背景地図データを構築するためには、データ加工、地図描画高速化のためのチューニング、地図レンダリングなど膨大な工数の加工・調整作業を必要とします。ArcGIS データコレクションの背景地図は、これらの作業があらかじめ施されているため、ArcGIS をお持ちであれば、どなたでもすぐに美しい背景地図を快適にご利用いただけます
■関連リンク
・広域地図の紹介ページ