ArcGIS Desktop 10 のお勧め画像機能:処理編 その7


処理編 その6 ではモザイクについてご紹介しましたが、その7 では、オルソ幾何補正についてご紹介します。
前回と同様、ご紹介する内容の全ての機能は、エクステンション不要ArcView ライセンスでご利用いただけます。

衛星画像や航空写真には、地理的な誤差が存在します。誤差の原因としては以下のものがあげられます。
 ・地形による歪み
 ・センサーの姿勢
 ・センサーの内部特性
これらは多項式変換(ジオリファレンス)では補正することはできません。
オルソ幾何補正では、上記の誤差を取り除き、幾何補正工程で、DEM を関連づけることによって、地形による歪みなどを修正することができる幾何補正です。

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              オルソ幾何補正のイメージ図


ArcGIS 10 より以前のバージョンでは、レイヤ プロパティやジオプロセシングツールにひっそりとあった機能ですが、ArcGIS 10 では画像解析ウィンドウから対話的に実行していただけます。もちろんこれまでと同様に、従来の機能でオルソ幾何補正を行っていただくこともできます。

オルソ幾何補正が行えるデータにはいくつかの条件があります。

1. RPCを持つデータでなければなりません。
RPC (Rational Polynomial Coefficients:有理多項式係数)は、センサーモデルから計算される画像座標と地上座標の間の変換式(の係数)です。RPCを用いることにより、衛星画像に地上基準点(GCP)がなくても座標情報を与えることが可能になります。

2. 対応していないRPCもあります。
RPC の記述方法はデータベンダごとに違っており、基本的にここで紹介するオルソ幾何補正が行えるのは、DigitalGlobe や GeoEye から提供されている RPC 付きの衛星画像です。なお、NITF 形式のデータでは、RPC を画像内部のタグ情報として書き込むことができますが、そのようなデータは衛星の種類によらず対応しています。

<オルソ幾何補正の手順>
1) RPC付きのデータを ArcMap に追加する。
2) 同じ地域の DEM データを追加する。
3) レイヤリストで手順 1)、2)で追加したデータを選択し、オルソ幾何補正ボタンをクリックする。
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※ ここでこのアイコンがアクティブにならない場合は、RPC が読み取れない形式であると考えられます。

4) オルソ幾何補正した一時ファイルをデータとして作成したい場合は、データのエクスポートを行います。エクスポートは、レイヤ リストでエクスポートしたいデータを選択し、[処理] パネルの [エクスポート] から行うことができます。
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オルソ幾何補正に関する詳しい解説はこちらをご覧ください。

今回で画像解析ウィンドウご紹介の連載は最後となりますので、バックナンバーへのリンクを以下に掲載いたします。

ArcGIS Desktop 10 のお勧め画像機能:表示編
ArcGIS Desktop 10 のお勧め画像機能:処理編 その1 ([処理]パネル、コンポジットバンドについて)
ArcGIS Desktop 10 のお勧め画像機能:処理編 その2 (正規化植生指数(NDVI)と陰影起伏画像の作成について)
ArcGIS Desktop 10 のお勧め画像機能:処理編 その3 (クリップとマスクについて)
ArcGIS Desktop 10 のお勧め画像機能:処理編 その4 (パンシャープンについて)
ArcGIS Desktop 10 のお勧め画像機能:処理編 その5 (フィルタについて)
ArcGIS Desktop 10 のお勧め画像機能:処理編 その6 (モザイクについて)

次期バージョン 10.1 ではさらに機能が強化される予定です。ご期待ください!

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