ArcGIS Desktop 10 のお勧め画像機能:処理編 その3

処理編 その2では正規化植生指数(NDVI)と陰影起伏画像の作成をご紹介しましたが、その 3 では、クリップとマスクについてご紹介します。
前回と同様、ご紹介する内容の全ての機能は、エクステンション不要ArcView ライセンスでご利用いただけます。

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クリップとは「画像データを任意の領域で切り出す」ことです。一方、マスクとは「画像データを任意の領域をNoData値にする」ことです。(一般に「マスク」とはクリップと同じく領域で切り出す場合に使用されていますが、[画像解析] ウィンドウではこのように定義されています。)

ArcGIS 10 以前のバージョンでは、ラスタ データをクリップするには ArcToolbox のジオプロセシング ツールを使用してクリップを行っていたかと思います。
ジオプロセシング ツールでクリップを行うには、クリップするためにクリップ範囲として使用する既存のラスタ データまたはベクタ データ(ポリゴンなど)が必要です。
[画像解析] ウィンドウではクリップするためにポリゴンを用意しなくても、対話的に図形を作成してクリップすることも可能です。

対話的に図形を作成するには

[カスタマイズ] メニュー → [ツールバー] → [図形描画] から [図形描画] ツールバーを表示します。
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クリップ

  1. [図形描画] ツールバーで [ポリゴン] などを選択し、図形を作図します。
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  2. [画像解析] ウィンドウ のレイヤ リストでクリップしたいラスタを選択し、[処理] パネルで [クリップ] をクリックします。
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  3. Clip_○○○という一時ファイルが作成されます。処理前のデータを非表示にすると、作図した図形の形にクリップされていることが確認できます。
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マスク

  1. クリップの時と同様に、[図形描画] ツールバーで [ポリゴン] などを選択し、図形を作図します。次に[画像解析] ウィンドウ のレイヤ リストでマスクしたいラスタを選択し、[処理] パネルで [マスク] をクリックします。
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  2. Mask_○○○という一時ファイルが作成されます。処理前のデータを非表示にすると、作図した図形の形にマスクされて(Nodata値になって)いることが確認できます。
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  3. なお、クリップまたはマスクした一時ファイルをデータとして作成したい場合は、データのエクスポートを行います。エクスポートは、レイヤ リストでエクスポートしたいデータを選択し、[処理] パネルの [エクスポート] から行うことができます。

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次回のその 4 では、パンシャープンとフィルタについてご紹介します。 [画像解析] ウィンドウでの処理についての詳しい機能はこちらをご覧ください。