Aggregated Live Feedsのご紹介

公共安全の分野では、防災・災害に関する情報を地図上に表示し、各種の意思決定に利用しています。
米国では非常時指揮システムにおける情報マネジメントの目標として Common Operating Picture(状況認識の統一、COP)を設定し、現在では国全体の危機管理の仕組みとして各関係者間で統一された状況認識を行い、意思決定を行っています。COP に各種警報や降水量などの防災・災害に関する情報をリアルタイムに表示し共有することは、より的確な状況認識を行うために非常に重要になります。
一方で、ビジネスの分野でも様々なデータを収集し、最新の状態を地図上に表示するというニーズが増してきています。

Esri ではこれらの要望に応えるためのフレームワークとして Aggregated Live Feeds(ALF)を公開しています。現在 ALF はリビジョン 3 が公開されていますが、今回は ALF の最初のリリース(リビジョン 0)の情報および ALF を参考に第 8 回 GISコミュニティフォーラムで発表したデモについて、簡単にご紹介します。

■ Aggregated Live Feeds
Aggregated Live Feeds は ArcGIS Server 9.2 で準リアルタイムデータ(Near-Realtime Data)を収集し公開するフレームワークとして公開されました。データ管理に ArcSDE エンタープライズ ジオデータベースを使用し、常に最新のデータを ArcGIS Server を使用して公開することができました。
下図は ALF の処理フローのモデル図です。

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インターネットからのデータの取得や テキスト(HTML)ベースで取得したデータの変換等の処理を GNU ベースのコマンドラインツールを使用して実装することで、特定のプログラム言語を必要とせずにバッチ処理にしています。こうした方法を使用することで Windows 以外のプラットフォームでも同様に利用することを可能としています。また、バッチ化された処理をタスクスケジューラや cron に登録し、定期的に情報が公開されているサイトへアクセスする(所謂ポーリング)ことで最新の情報を入手し、公開することが可能となります。

当初組み込まれていた NOAA(アメリカ海洋大気庁)から METAR(航空気象情報)を取得する処理の概要は以下のようになります。
1. wget コマンドで NOAA の Web サイトから最新の METER 情報を取得
2. sed、xml2csv コマンドを使用して取得したデータをインポート可能なフォーマットに変換
3. asc2sde コマンドを使用してデータを ArcSDE フィーチャクラスとして格納

上記処理をバッチファイルに記述し、タスクスケジューラに NOAA の更新のタイミングに合わせて定期的に処理を実行するように登録することで、常にデータを最新の情報に更新し、そのデータに ArcGIS Server を介してアクセスすることができます。
関連リンクで紹介している Aggregated Live Feed Community では、いくつかのデータ取得のバッチがダウンロード可能となっているので、それらを使用することもできます。

現在、Aggregated Live Feeds は Revision 3 が公開されています。

■ 第 8 回 GISコミュニティーフォーラムでのデモ
第 8 回 GISコミュニティーフォーラムでは、Aggregated Live Feeds の紹介と実際のデモをお見せすることを企画しました。ただ、背景として ArcGIS 9.3.1 が既にリリースされていたこと、ArcPy でより多くのことをスクリプトベースで実現することができるようになっていたこともあり、ALF をそのまま利用するのではなく、その仕組みを参考として下図の処理フローを使用したデモをご紹介しました。結果的に最初にリリースされた ALF と現在公開されている Revision 3 を折衷したような構成になっています。

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このデモでは ArcPy からジオプロセシングツールを呼び出せることを利用し、公開されている気象データ変換ツールを使用して、気象庁の解析雨量データ(GRIB2 形式)をフィーチャクラスに変換し、ArcSDE ジオデータベースの降水量レイヤに追加しています。
ArcGIS Server では蓄積された降水量レイヤから、最新のデータのみをフィルタした空間ビューをデータソースとすることで、最新の雨量情報を共有し、また、降水量レイヤには過去のデータを持たせることで時間の推移による変化を確認することもできるようになっています。

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詳細は ESRI ジャパン サポートサイト(要サポートアカウント)の「イベント・セミナー発表資料」の「第 8 回 GISコミュニティーフォーラム」のページから「ArcGIS でのリアルタイム データの活用」をご参照ください。

■関連リンク

Aggregated Live Feed Community:

MeteorologicalConverter Tools(for ArcGIS10.1) 気象データ変換ツール:
http://www.arcgis.com/home/item.html?id=8d9b74ce3ee148a6965e8675d41a4e03