ArcGIS Field Maps でジオフェンス機能を使ってみよう

ArcGIS Field Maps は、現場作業をより早く、より効率的に、より正確に行うための多機能現地調査アプリです。Web アプリとモバイル アプリが 2022 年 6 月 22 日 (日本時間 2022 年 6 月 23 日) にバージョンアップし、機能追加と改善が行われました。本バージョンでは「ジオフェンス」という機能を新たに利用可能になりました。

ジオフェンスとは

マップ上に仮想的な面の静的空間を作成して、その空間に現実世界で入ったり出たりすることをトリガーとしてアクションを起こします。この面の空間のことをジオフェンスと呼びます。

例えば危険区域をジオフェンスとして定義していると、Field Maps モバイル アプリを開いている作業員にその区域に入った、出た、という「位置情報アラート」を出したり、区域内で作業員が歩いたルートを記録する「位置情報の共有 (位置のトラッキング)」機能が使えるようになりました。本ブログでは「位置情報アラート」の使い方をご紹介します。
※位置情報の共有機能を利用するには、モバイル アプリでサイン インするユーザーが Mobile Worker ユーザー タイプ、または Location Sharing ユーザー タイプ エクステンションが割り当てられている必要があります。

Field Maps Web アプリでマップにジオフェンスを設定

  1. ジオフェンスとして設定したい「ポリゴン」レイヤーを含む Web マップを作成します。
    今回は、浸水想定区域を追加し、特定の地域でフィルター表示したマップを使います。

    ※多数のポリゴン フィーチャがあるとジオフェンス機能が正常に動作しない可能性があります。
  2. Field Maps Web アプリで 1 のマップを開きます。
  3. [ジオフェンス] タブ → [ジオフェンスの追加] をクリックします。
  4. ジオフェンスの名前とジオフェンスとして設定する浸水想定区域のレイヤーを選択、タイプで [位置情報アラート] を選択します。また、[入る時] のチェックボックスをオンにして、浸水想定区域に入る時のメッセージを入力します。
  5. [保存] をクリックします。

これで、ジオフェンスの設定は完了です。ジオフェンスは、1 つのマップにつき複数設定することができます。

設定したジオフェンスに入ってみる

  1. iOS または Android の Field Maps モバイル アプリで、作成したマップを閲覧できるユーザーでサイン インします。
  2. ジオフェンスを設定したマップを開きます。
  3. [位置情報アラート] の画面が出てきます。トグルをオンにして、有効化します。
  4. マップが開きます。それでは、浸水想定区域に入ってみましょう・・・

    画面上部にアラートが出ました!また、設定されたメッセージも表示されています。作業員がこの浸水想定区域に入ると危険を知らせることができます。

画面がスリープ状態や、他のアプリを操作中、例えば Survey123 で調査結果を入力中でもアラートが表示されます (端末の通知設定に依存します)。また、オフラインでも動作し、インターネットにつながらない環境でも利用が可能です。

ジオフェンスとして設定したいポリゴン レイヤーがあれば意外と簡単に設定できるので、ぜひ使ってみて下さい。

今後の予定

初回のジオフェンス機能の実装ではポリゴン レイヤーのみジオフェンスとして設定が可能ですが、今後はポイントやライン、その周りやマップ上でスケッチした範囲も設定できるようになる予定です。今後の Field Maps の進化にぜひご期待ください。

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