前回のブログでは、地図に追加した Excel データをポリゴンで空間検索するちょっと便利な方法をご紹介しましたが、今回は Esri Maps for Office でカスタム位置情報を使った集計と、それと同時にマッピングできるオプション機能をご紹介します。
具体的には、前回 Excel データに新たに付与した小学校区の情報を使って小学校区別に管理物件数、契約者数、平均賃料などの集計を行い、なおかつ地図に表現するという内容です。通常であれば Excel データをピボットテーブルに変換して小学校区別に集計し、その後に小学校区のフィーチャ サービスとテーブル結合することで地図に表現するという方法を取りますが、集計とマッピングを一度にできるとちょっと便利だと思いませんか。
オプション機能の利用手順は下記のとおりです(カスタム位置情報の追加の詳細については、以前のブログをご参照ください)。
1. [Excel データの追加] で、小学校区の情報を追加したテーブルもしくはテーブルの範囲を選択します。
2. 小学校区のフィーチャ サービスを利用し、小学校区に関するカスタム位置情報を追加します。
3. 列の選択では、一意の値を持ったフィールドをひとつだけ選択し、[次へ] をクリックします。ここでは、前回のブログで Excel データに追加した FID(小学校区に設定された一意のキー)を指定します。Excel データの FID とフィーチャ サービスの FID を関連付けることで地図上に表現します。前のステップ 2 で追加した小学校区のカスタム位置情報をクリックします。
4. カスタム位置情報で設定したフィールドに対応する Excel データの列を指定します。すると、ウィンドウ左下部に「データを集約しますか?」というリンクメニューが列を指定した後に表示されますので、このリンクをクリックして次に進みます。
5. [行の集約] メニューが表示されます。集計したい列に対して、それぞれ適した集計方法を選択します。集計方法は、[合計]、[平均]、[個数] の 3 種類を選択できます。
最後に [追加] ボタンをクリックすると処理が実行され、地図に結果が表示されます(下図は結果をグループ化して、表現を変更しています)。
たったこれだけの操作で、小学校区別の集計とマッピングを同時に行うことができます。この操作で集計した結果はピボットテーブルとして作成され、そのテーブルが実際に地図に描画されており、ピボットテーブルと地図上のデータは連動しています。ピボットテーブルでさらにフィルタリングを実行すれば、それに合わせて地図も変更され、知りたい場所の情報を地図上で確認することができます。
2 回にわたり、Esri Maps for Office の Excel で使える便利な機能を紹介してきました。Excel および PowerPoint で操作できるマップによって、GIS をもっと身近なものにします。そして、みなさんがお持ちのデータの大半には何らかの位置情報が紐づいています。Esri Maps for Office を使えばそれらのデータを地図に様々な表現で可視化して、テーブルやグラフだけでは得ることが難しい『位置』という視点による分析・評価できます。それも慣れた Excel 上で。
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