ArcGIS 10.1 から ArcGIS for Desktop アプリケーション用のアドインを Python でも作成できるようになったことをご存知でしたか？この記事ではシリーズを通して、Python で様々な拡張機能を作成する方法をご紹介していきます。今回は概要として、アドインの説明と Python アドイン ウィザードをご紹介します。
アドインとは
簡単に言えば、ソフトウェアに追加する拡張機能を指します。ArcGIS for Desktop の場合は、拡張機能として独自のボタンやツール、エクステンションなどが挙げられます。
次に、上記に挙げた機能を含むアドインを作成するのに必要な「Python アドイン ウィザード」をご紹介します。
Python アドイン ウィザードのダウンロード
以下の手順で、Python アドイン ウィザードをダウンロードします。
1. 以下のページ内の [開く] をクリックし、[ダウンロード] を選択します。
「Python Add-In Wizard」
http://www.arcgis.com/home/item.html?id=5f3aefe77f6b4f61ad3e4c62f30bff3b
2. 「addin_assistant.zip」ファイルを任意の場所に保存します。
Python アドイン ウィザードの起動
プログラムのインストールは必要ありません。以下の手順にて、ダウンロードしたファイルから、「addin_assistant.exe」ファイルをダブルクリックして、プログラムを起動します。
1. ダウンロードした「addin_assistant.zip」を解凍します。
2. 解凍により作成された「addin_assistant」フォルダ内の「bin」フォルダ → 「addin_assistant.exe」ファイルをダブルクリックし、Python アドイン ウィザードを起動します。
Python アドインを作成するための第 1 歩–プロジェクト フォルダの指定
拡張機能の詳細な作成方法については、次回の記事からご案内します。ここでは、今後 Python アドイン ウィザードを用いて拡張機能を作成する場合に必要となる、プロジェクト フォルダの作成方法をご紹介します。
Python アドインは 1 つのアドインにつき、1 つのプロジェクト（1 つのフォルダ）で管理します。そのため、新規に Python アドインを作成する場合は、プロジェクト ファイル群を格納するためのフォルダを新規に用意する必要があります。
1. 起動した [フォルダーの参照] ダイアログでプロジェクト フォルダを作成する任意のフォルダを選択します。
2. [フォルダーの参照] ダイアログの下部にある [新規フォルダーの作成] をクリックします。
3. 手順 2 で作成された「新規フォルダー」を右クリックし、[名前の変更] を選択します。
4. フォルダ名を任意の名称に変更します。
※ このフォルダ名が作成するアドインのプロジェクト名となります。分かりやすい名称を付けることが望ましいです。また、日本語などの 2 バイト文字は使用しないでください。
5. 下部の [フォルダー] に変更したフォルダ名が表示されているのを確認し、[OK] をクリックします。
これで、Python アドインを作成する準備が整いました。最後にプロジェクトの基本設定を行います。
プロジェクトの基本設定
1. 作成したプロジェクトに対し、名称や作成者などのプロパティを設定していきます。項目の詳細は以下のようになります。 ※入力する値は適宜変更してください。
Select Product : ArcMap (対象アプリケーション)
Name : SampleAddin (ツール名/カテゴリ名)
Version : 0.1 (バージョン)
Company : Esri Japan (会社/組織)
Description :サンプル アドイン (説明)
Author : Esri Japan (作成者)
Image : ※デフォルト画像のままで構いません。 （アドインに関連づけられた画像）
2. [Save] をクリックし、プロジェクトを保存します。
これで、Python アドインを作成する準備が整いました。次の記事では、実際に独自のボタンを作成する方法をご紹介します。
■関連リンク
・ Python Add-In Wizard：http://www.arcgis.com/home/item.html?id=5f3aefe77f6b4f61ad3e4c62f30bff3b
・ Python アドインとは：http://resources.arcgis.com/ja/help/main/10.2/#/na/014p00000025000000/
・ Python を使って ArcGIS での作業効率を上げよう！：http://blog.esrij.com/arcgisblog/2014/07/6-78cb.html