旅行や現地調査などで撮影した写真を GIS データに格納したい場合、ArcGIS Dekstop では、ジオデータベース アタッチメントの機能を使って GIS データに写真を格納できますが、Basic ライセンスの場合、この機能が利用できないため、属性テーブルに写真の参照パス(例:C:\data\photos\Pic0001.jpg)を入力して写真を利用します。ただし、この方法の場合、ポップアップ等で写真を表示することもできますが、GIS データそのものに写真が格納されていないため、データの保存場所を移動したり、他のユーザーとデータを受け渡ししたりする際にパスが切れてしまうなど、注意が必要です。そこで、今回の記事では、そのような心配がいらない方法として、Basic ライセンスで写真データをフィーチャクラスの属性として追加する方法をご紹介します。※記事の最後の注意事項をよくお読みの上ご利用ください。
ジオデータベース フィーチャクラスの属性として写真データを追加
フィーチャクラスの属性として追加
この方法は、ジオデータベースのフィーチャクラスに ”ラスター” タイプの属性フィールドを作成し、各フィーチャの属性として写真データ(*.jpg など)を格納します。写真ファイルそのものを GIS データに格納するため、属性に格納された写真をエクスポートして保存することもできます。
フィーチャクラスの属性フィールドに写真データを格納する手順は以下のとおりです。
1.ラスター タイプのフィールドを属性テーブルに追加
[フィールドの追加] ダイアログ ボックスで任意のフィールド名を入力し、[タイプ] ドロップダウン リストから [Raster] を選択して [OK] をクリックします。
2.ArcMap で編集セッションを開始し、フィールドに写真データを挿入
[エディター] ツールバーの [エディター] メニューをクリックし、[編集の開始] をクリックします。編集ツールでフィーチャをクリックして、[エディター] ツールバーの [属性] ボタンをクリックします。
ラスター(写真)を格納する属性フィールドをクリックします。ドロップダウンの矢印をクリックして、[読み込み] をクリックします。[入力ラスター データセット] の参照ボタンをクリックして、ラスター データセット(写真)の格納場所を選択し、[OK] をクリックします。
これで、写真をフィーチャクラスの属性として格納できました。[属性] ウィンドウや属性テーブルに表示されます。
さらに、写真を読み込んだ後、フィールドのドロップダウンの矢印をクリックすると、以下の機能を利用することができます。
・[表示] … 大きいウィンドウでラスターを開く
・[読み込み] … 別の画像ファイルを属性として読み込む
・[消去] … 属性を削除
・[名前を付けて保存] … エクスポート
・[プロパティ] … プロパティを表示、編集
また、この機能の活用法としては、データ ドリブン ページがあります。ピクチャ エレメントの設定で、写真を追加したフィールドを指定すると、表示される写真を動的に(ページごとに)切り替えることができます。
いかがでしたでしょうか。Basic ライセンスで GIS データに写真を格納されたい方は、ぜひお試しください。
注意事項
※この機能はシェープファイルでは利用できません。また、ひとつのフィーチャに保存できる写真は 1 ファイルのみで、ポップアップには表示されません。
※マルチユーザー ジオデータベースでラスター タイプのフィールドを追加または変更するには、Standard または Advanced のライセンスが必要です。
※ 属性として格納するデータのサイズが大きいものは推奨されません。より大規模なデータの管理にはアタッチメントの利用をご検討ください。
■関連リンク
・ラスター データセットをフィーチャクラスの属性として追加
・HTML ポップアップを使って画像を表示してみよう!