8 月上旬リリース!平成 27 年国勢調査でみる日本のいま ~その 1 市区町村編~

2015 年 10 月に実施された最新の国勢調査、「平成 27 年国勢調査」が総務省統計局から順次公開中!去年から公開が始まっていた統計表に加え、GIS での利用に必須な町丁・字等境界データも先日ついに公開されました!ESRIジャパンでは、統計表と境界データを結合し、全国シームレスに整備した平成 27 年国勢調査データを 8 月上旬にリリースする予定(予約受付中)ですので、ぜひご利用ください。

前回調査の平成 22 年国勢調査から 5 年経ち、日本はどのように変化したのでしょうか?公開中の平成 27 年国勢調査統計表からみえる “日本のいま” について、リリースに先駆けてシリーズ記事でご紹介していきます!初回は「その 1 市区町村編」です。

高齢化率(2000–2015 年)

今回の市区町村編では、日本全体の大きな変化に着目しました。冒頭のマップは、平成 12 年国勢調査(2000 年)から平成 27 年国勢調査(2015 年)の 15 年間にわたる日本の高齢化率(65 歳以上の人口が総人口に占める割合)の推移を表したものです。一般的に、高齢化率 7–14% が「高齢化社会」、14–21% が「高齢社会」、21% を超えると「超高齢社会」と呼ばれる中、平成 27 年国勢調査では日本の高齢化率は全国で約 26% という結果がでました。もちろん、日本が深刻な高齢化に直面していることは以前から言わずと知れたことですが、改めてマップで可視化するとその波及のスピードに圧倒されてしまいませんか?

マップを東京都周辺で拡大してみました。

15 年前は高齢化率が比較的低かった都心部も、平成 27 年国勢調査(2015 年)ではほとんどの市区町村で高齢化率 21% を上回る結果となりました。都心も高齢化という大波の例外ではないということが窺えます。

人口増減率(2010–2015 年)

つづいて、平成 22 年国勢調査(2010 年)と平成 27 年国勢調査(2015 年)の間の 5 年、つまりごく最近に起きた変化にも注目してみます。下図のマップは 5 年間の総人口増減率(左)と外国人人口増減率(右)を表したものです。

平成 27 年国勢調査における日本の総人口は約 1 億 2711 万人で、平成 22 年国勢調査と比べると約 94 万 7 千人の減少となりました。左のマップを見ても、人口が減少した市区町村が大半であることが一目瞭然です。一方、平成 27 年国勢調査時点の日本に居住する外国人の人口は約 175 万人で、平成 22 年国勢調査と比べると約 10 万人の増加となりました。右のマップを見ると、外国人人口が増加した市区町村が全国で半数程度あることが見て取れます。

このままだと全国のどの地域で人口増加率または減少率の高い市区町村が特に集まっているのかが見分けにくいですね。そこで、今回は ArcGIS Pro のホット スポット分析 (Hot Spot Analysis (Getis-Ord Gi*)) ツールを利用し、統計的に有意な高い値および低い値の空間的クラスター(ホット スポットとコールド スポット)を探しました。

総人口増減率については、全国で 10 以上のホット スポットが作成されました。そのうち 99% の信頼度で統計的な有意性が示された地域は、仙台都市圏、東京都市圏、名古屋都市圏、大阪都市圏、福岡都市圏、那覇都市圏で、やはり都市への人口集中の傾向が顕著な結果となりました。

該当する 6 つの都市圏を総人口増減率マップで拡大してみました(ArcGIS Pro の多重リング バッファー ツールで作成した 25 km、50 km バッファーを重ねています)。

これらの都市圏において、人口が増えているのは中心部の市区町村がほとんどのようです。中心部から 25 km 以上離れると人口が減少した市区町村が多く含まれ、都市圏の中でも特に中心部への局所的な人口集中が起きていることがわかります。特に大阪都市圏はこの傾向が顕著に見受けられます。ただし、25 km 圏内でも人口が減少している市区町村はありますので、中心部からの距離が人口増減の要因と一概には言えなさそうです。交通網、地価、ライフスタイル データなどを重ねることで、より深い考察が得られるかもしれません。

さて、再びホット スポットのマップに戻り、外国人人口増減率のホット スポットについても確認します。北海道に注目してみましょう。

右のマップを見ると、北海道の中部と西部の広い範囲でホット スポットが作成されており、外国人人口が増加傾向にあることが把握できます。一方、左のマップを見ると、同様の地域は総人口が減少した市区町村が集まっている地域、コールド スポットに該当しています。つまり、北海道の一部の地域は、総人口は減少傾向であるのに対し、外国人人口は増加傾向にある、という対照的な人口動向にあると考えられます。外国人人口増加の理由が気になりますね!

さて、今回は市区町村編ということで、平成 27 年国勢調査からみた日本全体の大きな変化に着目し、ご紹介しました。高齢化や都市圏への人口集中などの既知の話題も、GIS で可視化することで地域的な傾向がより直感的に把握できました。次回は「その 2 町丁・字等編」と題し、“日本のいま” をより詳細な地域単位でご紹介します!


注 1:本記事でご紹介した平成 27 年国勢調査の市区町村界には数値地図(国土基本情報)を一部加工して利用しました。また、平成 22 年国勢調査との増減率の比較においては、2010 年 10 月 1 日時点の市区町村を基準として計算しました。ただし、政令市移行のあった熊本市は計算対象外としております。

注 2:ホット スポットの作成においては、空間リレーションシップのコンセプトを隣接エッジのみと定義しました。また、外れ値の算出は行っておりません。

注 3:都市圏の 25 km、50 km 多重リング バッファーは、各都市の市役所、都庁を起点に、その地域が該当する平面直角座標系に基づいて作成し、Web メルカトル図法で投影、縮尺 1:600,000 で表示したものです。

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