オープンデータと ArcGIS での対応についてより深く知るための連載、第 2 弾です。
前回はオープンデータの定義や全国の整備状況、クラウド サービス「ArcGIS Online」に付属のオープンデータサイト構築キット「ArcGIS Open Data」などについてお伝えしました。
今回は ArcGIS を用いてどのようにオープンデータを公開しているのか、実際のカタログサイトをいくつかご紹介します。
日本における自治体オープンデータの草分け的存在、室蘭市のカタログサイト
北海道室蘭市はオープンデータへの取り組みを日本ではいち早く検討し、ArcGIS Open Data を利用した公開も日本で最初であり、2014 年から現在に至るまで公開を続けています。
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東京都内最大の人口 90 万人超を有する特別区、世田谷区のカタログサイト
東京 23 区で最も人口が多い世田谷区もオープンデータには積極的に取り組んでおり、300 を超えるデータを公開しています。GIS データについては ArcGIS Open Data を活用した公開を 2017 年に開始しています。
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市民活動団体 URA-CIMA が公開するカタログサイト
自治体のみにとどまらず、千葉県浦安市職員が主体の地域課題に取り組む市民活動団体「URA-CIMA」も ArcGIS Open Data を活用して地図データのカタログサイトを公開しています。浦安市や千葉県が公開している情報をもとにこれまで作成してきた地図データを、オープンデータとして提供を開始したそうですが、自治体顔負けの 300 を超える地図データを搭載しています。
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ArcGIS Open Data カタログサイトの特長
他にも紹介しきれないほど ArcGIS Open Data を使って GIS データが公開されています。世界中で ArcGIS Open Data を使って公開されているデータセットは 10 万を超えています(2018 年 8 月現在)。
ではなぜ、ArcGIS Open Data を選択するのでしょうか?
実際に ArcGIS Open Data を採用した担当者に伺うと、公開する側のメリットは 2 つあるようです。1 つは「簡単な設定ですぐにオープンデータ カタログサイトが作れる」こと、もう 1 つは「複数形式のファイルを用意せずに済むこと」です。ArcGIS Open Data で公開することにより、自動的に CSV ファイルやシェープファイル、KML といった形式でのダウンロードがサポートされる点が評価されているようです。
利用者にとっても「複数形式のファイルでダウンロードでき、さらに GeoJSON や API などの開発者向けのサービスも使えるようになる」点が喜ばれるようです。また「データの内容や地図が画面上で確認できる」点も見逃せません。
前回の記事でもご紹介しましたが、オープンデータは「営利目的、非営利目的を問わず二次利用可能なルールが適用されたもの」を指します。この機会にぜひ活用してみてください。
次回は、内閣官房が地方公共団体にオープンデータとして公開を推奨するデータセットとフォーマット例についてご紹介します。
■関連リンク
・GIS 基礎解説: オープンデータ
・業種別ページ: 情報公開 GIS ソリューション
・製品ページ: ArcGIS Online