日本の「今」を捉えよう!令和2年国勢調査や人流データを用いたインフォグラフィックスをテンプレート集に追加しました

ArcGIS Business Analyst (以下、BA) の各種製品で利用できる、新しい商圏レポートである「インフォグラフィックス」のカスタマイズ例を集めた、インフォグラフィックス テンプレート集に令和2年国勢調査データや人流オープンデータを用いたものを追加しました!最新の人口動態を把握できるデータを活用して、日本の「今」を捉えてみましょう。

国勢調査 2020 プロファイル

最新の国勢調査である、令和 2 年 (2020 年) 国勢調査 町丁・字等 全指標の先行リリース版を利用したインフォグラフィックスです。上記データは BA 製品の保守有効ユーザー向けに ArcGIS Online から無償で提供しています。

2020 年国勢調査の人口(総数、5 歳階級別、婚姻関係別など)や世帯(総数、世帯人員別、家族構成別など)・住宅(住宅の種類、建て方別)に関する指標を収録したデータであり、前回の国勢調査である 2015 年からの人口増減などを把握することができます。

画像をクリックするとサンプル インフォグラフィックスが開きます。

新型コロナ流行前後の人流データ比較

G空間情報センターで公開されている「全国の人流オープンデータ」を ESRIジャパンが加工して整備したデータを ArcGIS Living Atlas of the World にて無償提供しています。

このデータには、2019 年 1 月~2021 年 12 月までの平休日(全日/平日/休日)、時間帯(終日/昼/深夜)別および月別の平均滞在人口が 1km メッシュ単位で格納されています。さらに、市区町村別の居住地区分別(市内/県内等)の滞在人口も提供されています。

このデータを利用して、新型コロナウィルスの流行前(2019 年)と流行後(2021 年)の比較を簡単に行えるテンプレートを公開しています。下の例は、ESRIジャパン本社(永田町)周辺における滞在人口の変化を表しており、緊急事態宣言が初めて発出された 2020 年 4 月以降で「平日(昼)」(=線グラフの薄緑)が急減していることが分かります。マップは 2019 年と 2021 年の年間の平均滞在人口を表しており、2021 年においても滞在人口が回復していないことが分かります。

画像をクリックするとサンプル インフォグラフィックスが開きます。

テンプレートの利用方法

上記のインフォグラフィックスは、サンプル テンプレートの利用申し込みをしていただくことでユーザー側の環境でもご利用いただけます。申し込み後、設定が完了すると BA Web App の「共有インフォグラフィックス」や BA Pro の「共有されたテンプレート」にテンプレートが追加されるため、任意のエリアに対して自由にインフォグラフィックスを作成することができます。申し込みには BA 製品の保守が有効である必要があるので、ご注意ください。

データをマッピングしてみよう

上記インフォグラフィックスの利用申し込みをしていただくと、さらに、インフォグラフィックスで利用しているデータを地図上に表示させることができます。たとえば、BA Web からは以下の手順でマッピングすることが可能です。

手順

  1. [マップ] タブ → [マップの作成] → [カラーコード マップ] を選択し、[すべての変数の参照] をクリックします。
  2. [共有データ] タブを選択し、マッピングしたい変数を含むカテゴリーを選択して、変数を選択します。

    マップを拡大した状態で変数を選択することを強くお勧めします。広域が表示された状態で変数を選択すると描画までに長時間かかる、もしくはサーバーエラーとなることがありますのでご注意ください。
  3. 上記の手順で簡単に選択した変数をマッピングすることができます。下の例は、2020 年国勢調査の人口総数の分布を表しています。

カスタム変数を作成してマッピングしてみよう

既存の変数をもとに、独自の変数を作成してマッピングすることもできます。たとえば、新型コロナウィルス流行前後の滞在人口の増減率を表すために、以下の手順でカスタム変数を作成できます。

手順

  1. 同様に [カラーコード マップ] を選択し、[カスタム変数の作成] をクリックします。
  2. [共有データ] タブを選択し、「人流データ(1kmメッシュ)」カテゴリーを選択し、「平日(昼)」を展開します。
  3. [平日_昼_201908] と [平日_昼_202108] にチェックを入れて [選択した変数の追加] を選択し、[別々の変数として追加] を選択します。
  4. [数値の追加] や [*] をクリックして、ドラッグ&ドロップで並べ替えて、以下のように変数を設定し、[保存と追加] をクリックします。
  5. 小数点以下の桁数を [1] にして、以下のように名前を付けて変数を保存します。

以上で、平日昼間における 2019 年 8 月と 2021 年 8 月の滞在人口の増減率をマッピングすることができました。2019 年より滞在人口が多くなっているエリアは赤色で表現され、減少しているエリアは青色で表現されています。これをみると、港区・中央区・千代田区などのオフィス街では滞在人口が以前より減少しており、特に赤い矢印で示している羽田空港のエリアで大幅に減少していることが分かります。一方、郊外では滞在人口が増加傾向にあり、在宅勤務などの影響をうかがい知ることができます。

今回は滞在人口をはかる手段として、人流オープンデータを活用しましたが、GIS データストアでは多様な人流データをご紹介しています。一言で「人流データ」と言っても、計測方法の違いなどにより特徴が異なりますので、ご興味のある方は GIS データストアのお問い合わせよりご相談ください。

関連リンク

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参考情報

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