ArcGIS Runtime SDK 200.0 ベータ プログラムのお知らせ

【Esri Community Blog】

ArcGIS Runtime SDK 200.0 ベータ プログラムは、ArcGIS Runtime SDK for .NET/Java/Qt の次のメジャー リリースにいち早くアクセスできるようにするためのものです。最新の ArcGIS ソリューションを構築するための包括的なマッピングおよび地理空間 SDK と優れた開発環境を提供するという ArcGIS のミッションを実現するため、ArcGIS Runtime SDK は、その基盤となる開発フレームワークの最近の開発動向を活用して進化しています。

このベータ版リリースのハイライトは以下です。

  • ArcGIS Runtime SDK for .NET による .NET MAUI のサポート
  • ArcGIS Runtime SDK for Java による JavaFX 17 のサポート向上
  • ArcGIS Runtime SDK for Qt による Qt 6 のサポート

新機能

ArcGIS Runtime 200.0 は、100.15 の実績あるアーキテクチャを基に構築されており、現在使用している機能と同じものを提供するとともに、最新の開発者プラットフォーム、フレームワーク、およびツールのサポートを追加しています。

ArcGIS Runtime SDK for .NET

ArcGIS Runtime SDK for .NET のバージョン 200.0 では、Android、iOS、macOS(Mac Catalyst)、および Windows で次世代の .NET クロスプラットフォーム フレームワーク .NET MAUI がサポートされるようになりました。.NET MAUI 用に更新された新しいプロジェクト テンプレートと v200 ブランチがサンプル リポジトリツールキット リポジトリに用意されており、使い始めるのに役立ちます。さらに、WPF および WinUI アプリケーションの .NET Framework および .NET 6 の新しいネイティブ ARM64 サポートをテストすることができます。

ArcGIS Runtime SDK for .NET 200.0 ベータには、200.x シリーズで予定されている新機能の 1 つである Dynamic Entities API によるリアルタイム データのサポートも含まれています。ArcGIS Runtime でサポートされる最初のデータ ソース タイプは、ArcGIS ストリーム サービス(ArcGIS Velocity および ArcGIS GeoEvent Server で提供される)です。新機能、移行のヒント、サンプル コード、および変更点に関する情報については、ベータ版プログラムのダウンロードに含まれる ReadMe を参照してください。

ArcGIS Runtime SDK for Java※

ArcGIS Runtime SDK for Java のバージョン 200.0 では、Java Platform Module System(JPMS)がサポートされ、開発者の生産性が大幅に向上しています。これにより、より信頼性の高い依存関係設定、より強固なカプセル化とモジュール化によるセキュリティとスケーラビリティの向上、およびパフォーマンスの向上がもたらされます。さらに、バージョン 200.0 では、JavaFX 17 との統合が強化され、開発環境が向上しています。API の重要な領域における新しい JavaFX プロパティと JavaFX Color クラスのサポートを通じて、これを体験することができます。新機能、導入方法、サンプルコード、変更点などの情報は、ベータプログラムのダウンロードに含まれる ReadMe を参照してください。

ArcGIS Runtime SDK for Qt※

ArcGIS Runtime SDK for Qt のバージョン 200.0 では Qt 6 がフルサポートされ、より新しいプラットフォーム、ハードウェア、レンダリング API、およびコンパイラをサポートできるようになりました。これには、QFutureQPromiseC++ Property Bindings などの新しい言語機能、C++17 機能のサポートを可能にするコンパイラのアップグレード、簡略化されたバージョン管理、必須プロパティ、リンティング ツールの改善など QML の開発生産性の改善、および CMake ビルド システムが含まれます。このリリースでは、OpenGL がすべてのプラットフォームでレンダリング API として使用されますが、Qt6 への移行は、Windows 用 Direct3D と iOS 用 Metal をロードマップに含めるために非常に重要です。新機能、移行のヒント、導入方法、サンプルコード、変更点については、ベータプログラムのダウンロードに含まれる ReadMe を参照してください。

ベータ版の入手とフィードバックの共有

ArcGIS Runtime SDK 200.0 ベータ プログラムにアクセスすると、以下の情報を確認できます。

  • 各 SDK の詳細なリリース ノート、Qt 用ソフトウェアのダウンロード、およびパッケージ マネージャ Maven と NuGet を使用した Java と .NET へのアクセスに関する情報があります。
  • .NET については、新しい Dynamic Entity Layer API を使用する方法を紹介するサンプル アプリケーションがあります。
  • SDK 固有の製品フォーラムでは、新しい SDK の使用に関する質問や、アプリケーションの更新中に発生した問題の報告が可能です。

継続性

ArcGIS Runtime バージョン 200.0 は、100.x シリーズを通じて享受してきた包括的な機能、開発パターン、高いパフォーマンス、および安定性を継承し、ベンダーや業界が現在推進している開発ツールや手法向けに構築された SDK を提供します。ごく一部の例外を除き、ArcGIS Runtime API の設計は、使用するクラス、メソッド、およびプロパティの点で、これまでと同じです。

ライセンスや各ライセンス レベルで利用可能な機能にも変更はありません。100.x のライセンスキーをお持ちの場合は、それは 200.x でも引き続き動作します。 レベル Lite、Basic、Standard、Advanced およびエクステンション ライセンスはすべて変更されていません。

また、従来のリリースサイクルと製品ライフサイクルは継続されます。100.x シリーズの堅牢な基盤に加え、ArcGIS Runtime の年間 3 回のリリースと各リリースの 4 年間のサポート ライフサイクルを引き続き計画することができます。

100.x の製品ライフサイクル

ArcGIS Runtime SDK のバージョン 100.15 は、2022 年 8 月に長期サポート(LTS)リリースとして提供されました。それまでのすべての ArcGIS Runtime リリースとは異なり、100.15 には新機能が含まれていません。その代わりに、バグ修正と、SDK で使用されているさまざまなサードパーティー ライブラリのアップデートに完全に焦点を合わせています。サポート期間は通常の 4 年間から 5 年間に変更され、1 年間の新規バージョン サポートが追加されました。つまり、2 年間新規バージョン サポート(新しい環境の認証、ホットフィックス/パッチ提供)、1 年間の既存バージョン サポート(ホットフィックス/パッチ提供)、2 年間の開発終了バージョン サポート(サポートリソースのみの提供)です。

ArcGIS Runtime SDK for Android/iOS

今年後半には、新しい ArcGIS Runtime SDK for Kotlin と新しい ArcGIS Runtime SDK for Swift を導入した別のベータ版をリリースする予定です。これらの新しい SDK は引き続き同じコアの ArcGIS Runtime を使用しますが、Kotlin と Swift で導入された新しい言語機能やパターンを最大限にサポートするために、再構築されています。どちらの新しい SDK も、製品名がアプリケーションを実行する OS から切り離され、アプリを構築するために使用する開発者向けテクノロジーと一致するようになりました。これは、他の ArcGIS Runtime SDK と同じパターンを採用しており、Android や iOS をターゲットに使用できるクロスプラットフォーム製品との区別に役立ちます。

ArcGIS Runtime SDK for Kotlin

ArcGIS Runtime SDK for Android を Kotlin ファーストの SDK として完全に再構築するもので、コルーチン、フロー、Null Safety などの機能がすぐにサポートされます。ArcGIS Runtime SDK for Kotlin は Java ベースの ArcGIS Runtime SDK for Android を置き換えるもので、アプリケーション コードの書き換えが必要になります。

ArcGIS Runtime SDK for Swift

Swift Concurrency、SwiftUI、構造体、プロトコル、関連値を持つ列挙型、およびネイティブの Swift コレクションなどの機能をすぐにサポートする Swift ファーストの SDK として ArcGIS Runtime SDK for iOS を完全に再構築するものです。ArcGIS Runtime SDK for Swift は Objective-C ベースの ArcGIS Runtime SDK for iOS を置き換えるもので、アプリケーション コードの書き換えが必要になります。

皆さんが構築した多くの素晴らしいアプリケーションをこれらの次世代の開発者ツールやフレームワークに移行する際に、皆さんと協力できることを楽しみにしています。

※ArcGIS Runtime SDK for Qt 及び ArcGIS Runtime SDK for Java は、ESRIジャパンにおけるサポート対象外の製品です。ESRIジャパンで提供する Esri 製品サポート サービス開発者サポート サービスはご利用いただけませんので、予めご了承ください。