ArcGIS Experience Builder (Developer Edition) の最新バージョン 1.10 を 2022 年 11 月 30 日 (日本時間 2022 年 12 月 1 日) にリリースしました。今回のバージョンアップでは、2022 年 11 月に実施された ArcGIS Experience Builder (ArcGIS Online) のアップデートによって機能追加・拡張された内容を Developer Edition に反映しています。
以下では、アップデートされた主な新機能や機能拡張をご紹介します。
上位バージョンのインポート
このリリース以前は、現在のバージョンよりも上位のバージョンで作成されたエクスペリエンスをインポートすることはできませんでした。例えば、ArcGIS Experience Builder が更新されたとき、ArcGIS Online 版の方がバージョンが上位のため、ArcGIS Online アカウントからDeveloper Edition へアプリをインポートすることができませんでした。その代わり、Developer Edition の最新版が ArcGIS Developers のサイトで公開されるのを 3 週間ほど待ってインストールする必要がありました。バージョン 1.10 からは、アップグレードせずにいつでも ArcGIS Online 版からインポートできるようになりました。
ただし、いくつかの制限があります。エクスペリエンスに上位バージョンにしか存在しない新しいウィジェットが含まれている場合、インポート時に壊れてしまいます。手動で現在のバージョンからそれらのウィジェットを削除する必要があります。上位バージョンにしか存在しない新しいテーマについては、他のテーマを選択する必要があります。既存のウィジェットの新しい機能拡張については現在のバージョンに依存します。例えば、ウィジェット実行時の動作が強化された場合、その動作は現在のバージョンにダウングレードされ、インポート後もそのウィジェットは動作します。ウィジェットの設定に新しいオプションがあり、そのオプションがエクスペリエンスで使用されている場合、ウィジェットは壊れてしまいます。
壊れたウィジェットを削除または再設定し、必要に応じてテーマを選択した後、エクスペリエンスを現在のバージョンに正常に保存してダウンロードすることができます。なお、上位のバージョンからエクスペリエンスをインポートしようとすると、警告メッセージが表示されます。
サブ ディレクトリで実行
デフォルトでは、Developer Edition は Web サーバーのルートディレクトリで実行されます。時には、https://localhost:3001/subfolder のようなサブディレクトリで実行したい場合があります。そのような場合は、サーバーディレクトリで npm start – -path/subfolder コマンドを実行して、path オプションを渡すことができるようになりました。
新しいサンプル
開発者として、ウィジェットのハードコードされたフォーマットに制限されることなく、ユーザーが望む方法でデータを表示できるように式を設定したい場合があります。以下の Use expression サンプルは、ExpressionBuilder コンポーネントを使用して、このようなことを実現する方法を示しています。
フィーチャが選択されたときに、ウィジェットに何かをさせたいことがよくあります。Listen selection change of a data source サンプルは、データソースの選択変更に従って動作させる方法を示しています。以下の例では、リスト ウィジェットからフィーチャが選択されると、サンプル ウィジェットに青い枠線が表示されます。サンプル ウィジェットでフィーチャを選択すると、同様にリスト ウィジェットに青い枠線が表示されます。
その他の変更
その他にもウィジェット内の翻訳ファイルが AMD 形式から SystemJS 形式へ変更されたことや、Jimu ライブラリの変更などがあります。アプリをアップグレードする前に、ご確認ください。
更新情報や新機能については、ArcGIS Experience Builder (Developer Edition) 新機能ページをご参照ください。
関連リンク
- ESRIジャパン Web サイト
- ArcGIS Developer 開発リソース集:
- 米国 Esri 社 Web サイト
- 米国 Esri 社 ArcGIS Blog