ArcGIS API for Python バージョン 2.1.0 がリリースされました!

2023 年 1 月 9 日 (日本時間 2023 年 1 月 10 日) に ArcGIS API for Python のバージョン 2.1.0 がリリースされました。本稿ではアップデートされた主な内容をご紹介いたします。

アップデートされた主な内容

API の認証方法の改善

ユーザーの皆様が安全にログインできるよう、API の認証スキームの開発を続けてきました。 例えば、Windows の認証プロセスを改善し、Windows OS と Web GIS をよりシームレスに統合するように改善しています。 また、API の認証方法とサービスへのアクセス方法についても、全体的な改善を行いました。

コンテンツ管理の機能強化

コンテンツ管理(マップ、レイヤー、その他の Web GIS アイテムの公開、更新、上書き、移動、コピー)は、多くの ArcGIS API for Python ユーザーの主要なタスクになっています。 そのため、ContentManager クラスの改善とバグ修正を行いました。特に clone_items() メソッドを使用してコンテンツを複製する際のパフォーマンスを向上させることに重点を置いています。

さらに、新しいアプリケーション、サービス、およびデータタイプの拡張に伴い、ArcGIS 製品群全体をサポートすることを引き続き優先しています。 たとえば、2.1.0 リリースでは、ArcGIS Marketplace をサポートする新しいクラスが追加され、ユーザーが Marketplace のアイテムをリストアップし、組織の Marketplace 設定とプロパティを管理できるようになりました。 また、ArcGIS Hub、ArcGIS Survey123、ArcGIS StoryMap などのいくつかの arcgis.apps モジュールのリファクタリングと機能強化も行いました。 その一例として、StoryMap モジュールでマップツアーを扱えるようになったことが挙げられます。 さらに、さまざまなサービス(ArcGIS Parcel Fabric、ArcGIS Utility Network、ArcGIS Knowledge など)と連携する機能が強化され、ArcGIS API for Python による自動化の選択肢が増えました。

フィーチャ サービスの更新を通知

自動化に関しては、feature モジュールのサブモジュールである features.managers モジュールの WebhookEvents クラスを使用して、ArcGIS Online フィーチャ サービスの Webhook を使用できるようになりました。 これにより、ユーザーはサービス レベルでイベントが発生したときに直接通知を受けることができます。

Google Colaboratory へのインストールガイドが追加

インストールガイドに Google から提供されている Jupyter notebook 環境である Google Colaboratory へのインストール方法が追加されました。Google Colaboratory 上にインストールすることで Google の 強力な GPU を用いた GIS 解析が可能となります。なお、マッピング ウィジェットとの互換性がないため、マップを表示することはできませんのであらかじめご了承ください。

高度な並列処理ライブラリ Dask のサポートを開始

解析のための高度な並列処理ライブラリ Dask のサポートが開始されました。これによりビッグデータを扱う解析や機械学習の実行をより高速に行うことが期待されます。

Notebook を制御するモジュール/サブモジュールが追加

ArcGIS Notebook Server や ArcGIS Online を指定せずにメソッドを実行する notebook モジュールが追加されました。また、ArcGIS Online 上の ArcGIS Online Notebook アイテムを管理する gis.agonb サブモジュールが追加されました。

 Parquet の入出力に対応したメソッドを追加

feature モジュールにデータの保存、検索を効率的に行うために設計された列指向のデータファイルフォーマットである Apache Parquet の入出力に対応したメソッドが追加されました。Parquet から Spatially Enabled DataFrame に読み込む from_parquet メソッドと Spatially Enabled DataFrame から Parquet に書きだす to_parquet メソッドが追加されました。

Arrow の入出力に対応したメソッドを追加

feature モジュールに効率的なデータ転送、データ交換を効率化することができるフォーマットである Apache Arrow に対応したメソッドが追加されました。Arrow から Spatially Enabled DataFrame に読み込む from_arrow メソッドと Spatially Enabled DataFrame から Arrow に書きだす to_arrow メソッドが追加されました。

MapView オブジェクトに描画されるレイヤーのレンダリング機能が強化

MapView オブジェクト上にレイヤーを描画することができる plot メソッドが、データを可視化する際に最適な色の組み合わせを選択することができる colorbrewer に対応しました。また、 colorbrewer の全てのカラーパレットに対応している Python ライブラリの Palettable にも対応し、plot メソッドで MapView オブジェクトに出力することができるようになりました。

その他にも機能の更新や不具合の修正等が行われています。

新機能や不具合修正等の詳細は、「リリース ノート」(英語) をご参照ください。

また、ガイドサンプルなどのドキュメントと米国 Esri 社の ArcGIS Blog も追加、更新されていますので併せてご参照ください。

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