ArcGIS AppStudio のサポート終了のお知らせ

ArcGIS AppStudio のサポートが 2025 年 1 月末日に終了する予定です。本記事では、サポート終了に関する内容を、米国Esri社の「ArcGIS AppStudio Retirement Roadmap and Beyond」の記事を翻訳してご紹介します。


2023 年 2 月 28 日 (日本時間 2023 年 3 月 1 日)、ArcGIS AppStudio 5.5 が本製品の「長期サポート」 (LTS) リリースとなり、ArcGIS AppStudio の最後のメジャー リリースとなることをお知らせします。ArcGIS AppStudio は、2025 年 2 月に正式にサポート終了する予定です。

ArcGIS AppStudio の歩み

ArcGIS AppStudio の最初のリリースは 2015 年末で、それ以来、企業組織や公共のアプリ ストア向けに素晴らしいネイティブ アプリが作成されてきました。ArcGIS AppStudio により、誰でもカスタム ネイティブ アプリを作成できるようになり、開発者が複数のプラットフォーム向けにアプリを構築する際の生産性を向上させることができました。しかし、モバイル アプリ開発の世界では、7 年以上というのは長い時間であり、この間、モバイル アプリ開発の状況は進化してきました。モバイルに最適化された Web アプリは改善され、すぐに使えるネイティブ アプリはより高機能でカスタマイズ可能です。また、大手テクノロジー ベンダーが提供する新しいアプリ開発技術も登場し、アプリ構築と公開の障壁は低くなっています。現在および将来のモバイル アプリの動向を考慮した結果、ArcGIS AppStudio の廃止プロセスを開始することを決定しました。

サポート終了の計画

カスタム モバイル アプリ開発は、構築および展開にかなりの時間とリソースが必要です。 既存の ArcGIS AppStudio ユーザーが現在のアプリを更新および維持できるようにするために、ArcGIS AppStudio 5.5 をリリースしました。 このリリースは 2 年間完全にサポートされます。 ArcGIS AppStudio 5.5 の長期且つ基本的なサポートの確保のために、QT 5.15ArcGIS Runtime 100.15 を使用して製品を構築しました。どちらも長期サポート リリースです。

「長期サポート」とは、ユーザーが引き続きテクニカル サポート、ドキュメント、および Cloud Make ビルド サーバーにアクセスできることを意味します。2 年間のサポートの間に、Esri は重要な不具合に対処し、セキュリティ要件に準拠し、アプリ ストア (Google Play、Apple App Store、Microsoft Store) との互換性を維持するために、ホットフィックスまたはパッチとして製品の更新を提供します。5.5 リリース以降、ArcGIS AppStudio に新機能は追加されません。ArcGIS AppStudio 5.5 は 2 年間の長期サポートの後、製品は 2025 年 2 月にサポート終了します。

このリリースの強化、不具合修正、コンポーネントの更新の詳細については、「ArcGIS AppStudio 5.5 のリリース」を参照してください。

サポート終了の計画の詳細と、ArcGIS Survey123 および ArcGIS QuickCapture のユーザーへの影響ついては、「ArcGIS AppStudio のサポート終了に関する FAQ」もご参照ください。

移行とモバイル アプリの今後

継続的なサポート

すでに ArcGIS AppStudio でアプリを構築しているユーザーは、アプリに機能拡張やメンテナンス アップデートを行い続けることができます。2025 年 2 月にサポート終了するまでは、アプリ ストア、モバイル デバイス管理 (MDM) システム、または ArcGIS AppStudio Player を通じて、アプリを構築 (Cloud Make を使用) およびデプロイすることが可能です。

ArcGIS Survey123 と ArcGIS QuickCapture の今後

ArcGIS Survey123 および ArcGIS QuickCapture は、ArcGIS AppStudio を使用して構築されています。これらの製品にとって ArcGIS AppStudio のサポート終了がどんな影響を受けるか疑問に思われるかもしれません。これらの製品はこれまでと同じスケジュールを継続し、サポートされているすべてのプラットフォームで、新しい機能が追加されますので、ご安心ください。ArcGIS Survey123 と ArcGIS QuickCapture は、今後の成長をより良くサポートするために、現在より最新の Microsoft .Net Maui アーキテクチャと ArcGIS Maps SDK for .NET (MAUI) への移植が行われています。ArcGIS Survey123 および ArcGIS QuickCapture の今後の詳細については、「ArcGIS AppStudio のサポート終了に関する FAQ」もご参照ください。

ArcGIS AppStudio アプリの移行オプション

ネイティブ モバイル アプリの開発は、アプリの寿命が長くなることが予想されるため、長いプロセスになる可能性があります。これを念頭に置き、新しいアプリ プロジェクトを開始する際には、ArcGIS AppStudio に代わるソリューションを選択することを強くお勧めします。

また、既存の ArcGIS AppStudio ユーザーにも、アプリの利用者、機能、導入要件を評価するプロセスを開始し、最適な移行パスを選択することをお勧めします。モバイル デバイスでマッピングおよび地理空間ソリューションを提供するための素晴らしい ArcGIS 製品をいくつか紹介します。

クロスプラットフォーム モバイル アプリ開発

これらの製品を使用すると、一つ作成したアプリから iOS、Android、およびデスクトップなどの複数のプラットフォーム向けのネイティブ アプリのビルドを生成することができます。

  • ArcGIS Maps SDK for .NET (MAUI)
    大規模で活発なコミュニティを持つ人気の開発言語です。Esri は、Microsoft の新しい .NET マルチプラットフォーム アプリケーション ユーザー インターフェイス (MAUI) ツールをサポートしており、アプリを Apple App Store または Google Play Store にデプロイすることができます。
  • ArcGIS Maps SDK for Qt (ESRIジャパン サポート サービス対象外)
    ArcGIS AppStudio アプリと同じ QML 言語を使用した、強力で柔軟なクロスプラットフォーム ソリューションです。

ネイティブ プラットフォーム モバイル アプリ開発

Esri が提供するこれらの新しい SDK は、iOS および Android 向けに特別に設計された最新の開発ツールをユーザーに提供しています。これらのプラットフォームを使用して構築されたアプリは、Apple App Store または Google Play Store で公開できます。

フィールド業務用モバイル アプリ – 柔軟に構成可能

屋外での業務のためにネイティブ アプリを組織に配布する必要がある場合や、屋外でのデータ収集やインタラクティブなオフラインのデジタル マップが必要な場合があるかもしれません。すべてのユーザーに、Esri のすぐに使えるフィールド アプリ群を評価することをお勧めします。これらのアプリには常に新しい機能が追加されており、柔軟に構成可能です。

  • ArcGIS Field Maps
    データ駆動型マップとモバイル フォームを使用して、データの取得/編集やマップ上の情報の検索をサポートする、柔軟で直感的なアプリです。
  • ArcGIS QuickCapture
    高速にデータを収集できるモバイル アプリです。ボタンをタップするだけの簡単な操作でデータを収集できます。
  • ArcGIS Survey123
    設定ベースのスマートな調査票を使用して、モバイル アプリまたは Web でデータを収集します。

Web アプリ – モバイル対応/最適化

アプリの要件を検討した結果、Web アプリの作成が迅速かつ効果的なソリューションである場合もあります。Esri では、コードを書かずに Web アプリを作成するアプリ ビルダー (ローコード/ノーコード開発) と、Web アプリをゼロから構築するための素晴らしい JavaScript SDK を提供しています。なお、Web アプリはオフラインで実行できず、モバイル アプリ ストアに公開することはできません。

  • ArcGIS Experience Builder
    ドラッグ アンド ドロップの柔軟なインターフェイスでウィジェットやレイアウト オプションを設定し、モバイル用に最適化された Web アプリを作成できます。さまざまな画面サイズでの Web アプリの表示方法を設定できます。
  • ArcGIS Instant Apps
    テンプレートを選択して設定するだけで、マップを元にモバイル対応の Web アプリをすぐに作成できます。
  • ArcGIS Dashboards
    ダッシュボード上で、インタラクティブで理解しやすいデータ ビジュアライゼーションを使用して、ロケーション ベースの解析を表現します。
  • ArcGIS StoryMaps
    テキスト、写真、およびビデオをマップや Web シーンに接続することにより、GIS での成果物を情報提供やインスピレーションを与えるストーリーに変換できます。
  • ArcGIS Maps SDK for JavaScript
    JavaScript を使用して、デスクトップおよびモバイル ブラウザ上での素晴らしいインタラクティブなユーザーエクスペリエンスで、データの可能性を引き出す魅力的な Web アプリを作成します。

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