ArcGIS Runtime SDK バージョン 100.6.0 をリリースしました

モバイル マップ パッケージでグループ レイヤーをサポート

ArcGIS Runtime SDK (Android/iOS/.NET) の最新バージョン 100.6.0 を 10 月 31 日に国内リリースしました。

各 SDK (Android/iOS/.NET) 共通のアップデート内容

事前に計画されたオフライン ワークフローの強化

フィーチャ サービスに対して行ったフィーチャの追加や削除などの更新内容を含むファイルの作成を Web GIS (ArcGIS Online / Portal for ArcGIS) でスケジューリングし、定期的に作成することができます。ArcGIS Runtime SDK ではオンラインに接続した際に、更新に必要なファイルをダウンロードし、オフラインマップに含まれるジオデータベースに適用することができるようになりました。

モバイル マップ パッケージでグループ レイヤーをサポート

ArcGIS Pro で作成したマップで定義されたグループ レイヤーをモバイル マップ パッケージ (.mmpk) で保持することができるようになりました。これにより、グループ階層を維持したままレイヤーの表示/非表示やレイヤー リストを表示することができます。

モバイル マップ パッケージでグループ レイヤーをサポート

モバイル マップ パッケージによるグループ レイヤーの表示
(ArcGIS Stat Suite の平成 22 年国勢調査 町丁・字等別集計 全指標を参照)

ルート ナビゲーション

道路ネットワーク上の 2 つ以上の地点のルート案内ができるようになりました。ナビゲーション API を使用すると、現在のデバイスの位置情報を使用して進行状況を追跡し、ユーザーの移動に応じて目的地までの方向指示や所要時間・距離を通知することができます。ユーザーが現在のルートを外れると自動的に新しいルートを再計算するように設定することができます。

ルート ナビゲーション

ルート ナビゲーション機能によるルート案内

KML コンテンツの作成および変更

以前のリリースでは、KML コンテンツ (.kml および .kmz) の読み取りと表示がサポートされていました。今回のリリースでは、新規に KML コンテンツを作成したり、既存のコンテンツを変更したりすることができます。次の KML コンテンツタイプは、KML データセットの作成、編集、保存がサポートされています。

  • プレースマーク (ポイント、ライン、ポリゴン)
  • グラウンド オーバーレイ
  • フォルダ、およびドキュメント コンテナ
  • ネットワーク リンク パラメータ

KML コンテンツの作成および変更

地図上にプレースマーク (ポイント、ライン、ポリゴン)を新規に作成

カスタム 辞書シンボルをサポート

ArcGIS Pro バージョン 2.4 で導入された新しい形式の辞書スタイルをサポートするようになりました。この形式はロジックに Arcade を使用してシンボルを生成するため、柔軟性の高いカスタマイズをすることができます。そのため、場所や種類の表現だけではなく、評価や時間などの情報もシンボルとして表現することが可能となりました。

カスタム 辞書シンボルをサポート

カスタム辞書シンボルを地図に表示

AR (拡張現実)

ArcGIS Runtime SDK の SceneView とオープンソースのツールキットコンポーネント (Android / iOS / .NET) を組み合わせて AR アプリを開発することができます。
詳細な情報は、以下のブログ (英語) をご参照ください。

Power mobile augmented reality experiences with ArcGIS Runtime

※オープンソースのツールキットコンポーネントは GitHub で公開されています。AR だけではなく、地図アプリによく使われるスケールバー、凡例、レイヤー リスト、属性テーブル、計測ツールなどの機能が UI 込みで提供されているため、地図アプリ開発を簡素化できます。

ツールキットコンポーネントはサポート対象外ではありますが、オープンソースのためコードをダウンロード・改修してお使いいただくことも可能です。是非、開発にお役立てください。

各 SDK (Android/iOS/.NET) のアップデート内容

実行環境など、各製品固有のアップデート内容をご案内します。

ArcGIS Runtime SDK for Android

・今回のリリースに伴うシステム要件等の変更はございません。

ArcGIS Runtime SDK for iOS

・iOS 13 をサポートしました (ポップアップ表示も iOS 13 のダークモードに対応しています)

・静的フレームワークはバージョン 100.5.0 で廃止されました。バージョン 100.6.0 からは、代わりに動的フレームワークを使用してください (使用方法はインストール ガイドをご覧ください)。

ArcGIS Runtime SDK for .NET

ローカルサーバーもバージョン 100.6.0 がリリースされています。ローカルサーバー 100.6.0 を利用する場合は、ArcGIS Runtime SDK for .NET も同一バージョンをご利用ください。

※ArcGIS Runtime SDK for .NET で利用可能なオプション コンポーネントです。オフライン環境でジオプロセシング タスクを実行できる機能等を提供します。

本記事では主要な項目についてご紹介しましたが、各 SDK の詳細な情報は下記のリリース ノート(英語)をご覧ください。

■関連リンク
ArcGIS Runtime SDK
・ESRIジャパン Web サイト: Android / iOS / .NET
・Esri 社 (米国) Web サイト: Android / iOS / .NET