ArcGIS Velocity 2023 年 6 月のアップデートの新機能

IoT センサーやデータ ソース、その他 API などからデータを取り込み、リアルタイムのデータ フィードを処理、視覚化、解析することができる ArcGIS Velocity がアップデートされました。ここでは、2023 年 6 月のアップデートで追加された主な新機能や機能強化をご紹介します。

Amazon SNS 出力

Amazon SNS 出力を使用すると、フィーチャ レコードを Amazon Simple Notification Service (SNS) に書き込むことができます。Amazon SNS は、A2A (アプリケーションからアプリケーションへ) および A2P (アプリケーションから人へ) メッセージング用のフルマネージド Publish / Subscribe サービスです。 この出力を使用すると、分散アプリケーションを統合、および分離し、Amazon SNS プラットフォームを使用して SMS テキスト、プッシュ通知、および電子メールによる通知を提供できます。

Amazon SQS 出力

前節の Amazon SNS 出力と同様に Amazon SQS 出力が新しい出力として追加されています。Amazon SQS 出力を使用すると、フィーチャ レコードを Amazon Simple Queue Service (SQS) に書き込むことができるため、異なるソフトウェア コンポーネント間でメッセージを送信、保存、受信ができます。

Amazon IoT 出力

AWS IoT 出力も新しい出力として追加されています。これにより、ArcGIS Velocity で処理されたイベント データを AWS IoT に送信し、保存、解析、組織で使用する他のシステムへの提供を行うことができます。

フィードと解析プロパティを共有する

オプションでフィード プロパティを組織内の他のユーザーや特定のグループに直接共有できるようになりました。フィード プロパティの共有では、HTTP フィードのデータ ソース URL など、特定のフィード接続プロパティを他のユーザーが参照できるため、ユーザーはフィードのコピーを作成し、必要に応じてクエリ設定などの接続パラメータを変更しながら自分で実行することが可能となります。ただし、パスワードやシークレット キーなどの機密性の高い接続情報は、フィード プロパティの共有を選択した場合においても、共有されることはありません。

フィードと同様に、解析プロパティを組織内の他のユーザーや特定のグループにオプションで共有できるようになりました。解析プロパティの共有では、Amazon S3 パケットのアドレスなど、特定のデータ ソース接続プロパティを他のユーザーが表示できるようになるため、ユーザーは解析結果のコピーを作成し、必要に応じてデータ ソース接続パラメータのみを変更するなど、テンプレートとして使用することが可能となります。ただし、フィードと同様に、パスワードやシークレット キーなどの機密性の高い接続情報は、解析プロパティの共有を選択した場合においても、共有されることはありません。

扇形範囲の作成ツール

[扇形範囲の作成] ツールは、受信イベントのポイント データにくさび形をした 2 次元フィーチャである扇形範囲を作成します。このツールは、リアルタイム解析とビッグ データ解析の両方で使用することができます。扇形範囲は、範囲距離、方位、円弧角度を使用し、フィーチャの視覚的範囲、またはコンテキスト範囲を表すことができます。

扇形範囲は、探索救助活動に携わる人の視野を把握したい場合や、追跡された車両が次にどこに向かうかを視覚化したい場合など、フィールド ユーザーや資産追跡のユースケースで活用できます。

解析オーサリング エクスペリエンス

このリリースでは、ArcGIS Velocity の解析オーサリングにおいて、使いやすさの改善がいくつか加えられています。まず、フィード、データ ソース、ツール、出力などのノードへのアクセスと追加に使用するフォルダーが、解析エディターの左側で使用できるようになりました。

次に、解析メトリクス、スマート レイアウト、ルート アニメーション設定などの解析構成設定も、解析エディターの左側で使用できるようになりました。

全体として、このアップデートにより、解析モデルを配置し操作するための画面領域が広がり、必要に応じてインターフェース コンポーネントに簡単にアクセスすることができるようになりました。

最後に紹介する解析機能強化は、リアルタイム解析やビッグ データ解析における様々な解析ステップ (ノード) にメモを追加する機能です。メモには、テキスト、箇条書きリスト、ハイパーリンク、コードを含めることができ、解析におけるそのステップに関する情報、または処理ワークフローに関する詳細な情報を記述することができます。メモを追加するには、ノードを選択し、右側の [メモ] アイコンをクリックして、[メモ] ウィンドウを起動します。ここでは、ノード、またはワークフロー全体に関する関連情報を追加することができます。

管理者権限

ArcGIS Online の組織の管理者は、他のユーザーのフィードや解析を開始、停止、編集、削除、移動、共有ができるようになりました。この新しい機能により、管理者は組織内の ArcGIS Velocity アイテムにアクセスし、柔軟に管理することができるようになりました。

ワークフロー ビューの削除

前回のリリース ブログで紹介した通り、今回のリリースで ArcGIS Velocity からワークフロー ビューが削除されました。今後、リアルタイム解析ビッグ データ解析では、下図のようなモデル ビューのみが使用できます。

参考情報

機能強化の完全なリストについては、ドキュメントの新機能を参照してください。製品に関するアイデア、拡張機能、機能に関する要望がある場合は、Esri Community の ArcGIS Velocity Ideas に投稿してください。

ArcGIS Velocity の詳細については、製品ビデオ、チュートリアル、ドキュメントなど、利用可能なリソースを参照してください。

関連リンク

米国 Esri ArcGIS ブログ:

ESRI ジャパン Web サイト:

ESRI ジャパン ArcGIS ブログ

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