ArcGIS Pro で効率的に地図レイアウトを作成できる 3 種類のマップ シリーズのご紹介

ArcGIS Pro 3.2 で新たなレイアウト方法として、主題マップ シリーズが登場しました。本ブログでは、主題マップ シリーズ、空間マップ シリーズ、ブックマーク マップ シリーズの 3 種類のマップ シリーズについて紹介します。

マップシリーズとは

各ページが特定のマップ範囲を表す 1 つのレイアウトから作成されたページの集まりです。マップ シリーズを作成することで、共通した条件のレイアウトを連続的に作成、エクスポート、印刷することができます。マップ シリーズはすべての種類でダイナミック テキストや、地図整飾を使用することができるためデータに沿ったデザインや追加情報を加えることができます。

主題マップ シリーズ

バージョン 3.2 から登場した主題マップ シリーズは、選択したグループ レイヤーに基づいて構築されます。主題マップ シリーズは、ラジオ グループ レイヤーをレイアウト化するため、個々のページごとにシンボルやラベル、データの調整を行うことができます。レイヤーごとに異なるシンボルやラベルを使用したい場合などに効果的です。

また、グループ レイヤーに属していないレイヤーの設定を変更した場合には、自動的にすべてのページで設定の変更が適用されます。

以下の図では、統計に関するデータを使用し、異なるシンボル表現を行ったレイヤーにおいて、主題マップ シリーズで同じ地域のマップ レイアウトを一括で作成しています。

空間マップ シリーズ

空間マップ シリーズは、インデックス レイヤー (図郭データ) と呼ばれるレイヤー内のすべてのフィーチャに基づいて、フィーチャごとにページを作成することで構築されます。フィーチャの範囲を利用して作成するため、大きいエリアを複数のエリアごとに分割してより詳細情報を見やすくしたい場合などに効果的です。

以下の図では、人口に関するデータのレイヤーにおいて、インデックス レイヤーを使用し、空間マップ シリーズで図郭ごとのマップ レイアウトを一括で作成しています。

・インデックス レイヤー (左)

ブックマーク マップ シリーズ

ブックマーク マップ シリーズは選択したブックマークのリストに基づいて構築されます。ブックマークを利用して、異なる範囲や任意の場所を同一のシリーズとして作成することができます。また、ブックマーク マップ シリーズは、シーンに基づくレイアウトを作成することもできます。範囲の異なるデータを 1 つのマップ シリーズにする場合やシーンをマップ シリーズにしたい場合に効果的です。

以下の図では、あらかじめ設定をした「東京タワー周辺」と「新宿駅周辺」 2 つのブックマークを使用して、ブックマーク マップ シリーズでマップ レイアウトを一括で作成しています。

マップ シリーズのエクスポート

マップシリーズは、レイアウトを個々のファイルとしてエクスポートすることや、複数のページを持つ 1 つの PDF ファイルとしてエクスポートすることができます。マップ シリーズをエクスポートできるファイル形式は、これまで PDF だけでしたが、バージョン 3.2 から新たに、各ページを個別のファイルとして JPEG、PNG、TIFF の 3 つの形式でも出力できるようになりました。

マップ シリーズの印刷

すべてのページを印刷することはもちろん、任意の印刷範囲を指定することもできます。

[選択したインデックス フィーチャ] は、空間マップ シリーズでのみ利用できます。

さいごに

マップ シリーズは地理情報を視覚的に表現するための優秀なツールです。3 種類のマップ シリーズそれぞれの特徴を理解して、データに合わせたシリーズを選択して業務にお役立てください!

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