新規公開予定の PLATEAU データについて

ESRIジャパンでは、 2020 年に公開された国土交通省都市局が推進する 3D 都市モデル「Project PLATEAU」の57 都市について、どなたでも無償でご利用いただけるように ArcGIS Living Atlas of the World 上での公開ファイル ジオデータベースとして提供しています。また、3D 都市モデルの利用促進に ArcGIS を活用いただくため、 3D 都市モデルの ArcGIS における活用事例を集めた活用サイトも公開しています。

そんな「Project PLATEAU」のデータについて、新たに 2022 年に公開された 41 都市のデータを近日公開予定です。

2022 年版のデータについて

PLATEAU のデータにおいて建築物は LOD1 から LOD4 までが定義されており、2022 年版のデータでは新たに LOD3 が追加されました。LOD(Level of Detail)とは 3D 都市モデルに含まれている地物の詳細度を表すものです(詳細については以下の画像を参照)。

CityGMLのLOD概念

(本画像についてはこちらより引用)

2020 年に公開されたデータには、平面に投影した高さ情報がない LOD0、 直方体の組み合わせで構成され単純な高さ情報がついた LOD1 、加えて外観の凹凸が表現され屋根や壁に航空写真を用いたテクスチャ画像がついた LOD2 までが収録されていました。 2022 年版のデータではそれに加えて、ドアや窓などの公開部といった詳細な表現がプラスされた LOD3 までが限定されたエリアで収録されるようになりました。

ArcGIS を使用した PLATEAU の活用事例

PLATEAU のデータは様々なデータと重ね合わせて活用することができます。3D 都市モデルの ArcGIS における活用事例を集めた活用サイトに掲載している一部の事例をご紹介します。

災害情報×PLATEAU

浸水深のデータと PLATEAU のデータを重ね合わせ、建物の浸水状況を可視化することができます。PLATEAU は詳細な建築物の形状や高さを持っているので、浸水深の高さごとに建物がどの程度浸水するのか、よりリアルなシミュレーションを行うことができます。

(画像をクリックするとアプリ画面に移動します)

交通事故情報×PLATEAU

警察庁が公開している交通事故箇所のデータと PLATEAU を重ね合わせることで、事故が発生したポイントの周囲の状況を確認することができます。事故が起こった原因が、見通しの悪いポイントであるからなのかといった洞察を行うことができます。

(画像をクリックするとアプリ画面に移動します)

お城(観光地)×PLATEAU

PLATEAU のデータは冒頭でもご紹介したように、テクスチャ画像がついた LOD2 で収録されています。これを活用して ArcGIS StoryMaps 上でお城巡りを行うことができます。各地のお城を訪問し、それぞれのお城に関して様々な角度から観察することができます。

(画像をクリックするとアプリ画面に移動します)

このように ArcGIS を使用することで様々な用途で PLATEAU のデータを活用することができます。今回ご紹介した活用事例は一部となっております。他の活用事例については3D 都市モデルの ArcGIS における活用事例を集めた活用サイトをご覧ください。

今後の展望

2023 年に公開された都市についても、ArcGIS ですぐに使用できるファイル ジオデータベース形式に変換し、Living Atlas へ公開していく予定です。今後も、公開する都市を拡大していく予定ですので、ESRIジャパンが公開している PLATEAU データを活用いただければと思います。

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