2025 年 10 月22 日 (日本時間 2025 年 10 月 23 日) に行われた ArcGIS Online のアップデートに合わせ、次世代の Web マッピング アプリである ArcGIS Instant Apps がアップデートされました。今回のアップデートでは、添付ファイル ビューアー テンプレートのデザインが刷新されたほか、ギャラリー テンプレート (ベータ版) が追加されるなど、いくつかの新機能と機能強化が実装されました。
本記事では、アップデートで追加された機能の内容についてご紹介いたします。
目次
ArcGIS Instant Apps とは？
ArcGIS Instant Apps は、Map Viewer や Scene Viewer、コンテンツ ページ、マップのアイテム詳細ページからテンプレートを選ぶだけで簡単に、直感的でインタラクティブな Web アプリを作成できる Web アプリ構築アプリケーションです。目的に応じた多数のテンプレートが用意されており、数ステップで簡単に Web アプリケーションを作成し、共有できます。
テンプレートの追加・更新
追加: ギャラリー テンプレート (ベータ版)
「ギャラリー」テンプレートは、マップやレイヤー、ドキュメントといった関連するアイテムを、Web アプリ上でまとめて共有したい場合に便利なテンプレートです。アプリの利用者は、アプリ内のアイテムをカテゴリーやアイテムの種類、作成日、タグなどでフィルターして探索できます。また、URL パラメーターを使用することで、適用されたフィルターを維持したままアプリを共有することもでき、確認したいコンテンツを正確に共有できます。
アプリの作成者は、アプリのレイアウト (グリッド/リスト) やアイテム カードに表示するアイテム情報の種類などを管理でき、必要な情報のみを表示してコンテンツを共有できます。アプリ内にサイン イン ボタンを表示するように設定することも可能で、組織内でコンテンツを共有する際にも活用できます。
これまでの「カテゴリー ギャラリー」テンプレートは、将来的にギャラリー テンプレート (ベータ版) へと置き換わる予定です。今後、コンテンツの共有に Web アプリを利用したい場合は、進化したギャラリー テンプレート (ベータ版) のご利用をご検討ください。
更新: 添付ファイル ビューアー テンプレート
「添付ファイル ビューアー」テンプレートでは、添付ファイルとして保存されている写真や動画、PDF ファイルなどをマップの横に表示して、添付ファイルに焦点を当てた Web アプリを作成できます。
[添付ファイルにフォーカス]、[マップにフォーカス] の両方のレイアウトでデザインが刷新されました。これまでよりもモダンなデザインで、添付ファイルとマップを組み合わせて表現できます。新しいデザインは自動的に反映され、既存のアプリでも同様に利用できます。
どちらのレイアウトでも、新しくフィルム ストリップのコンセプトが採用されており、選択しているフィーチャ以外の添付ファイルも参照できます。フィルム ストリップは、右上のアイコンをクリックして、簡単に折りたたむことも可能です。
また、モバイル表示のアップデートにより、どちらのレイアウトでもマップと添付ファイル ギャラリーを同時に表示できるようになりました。
更新: サイドバー テンプレート
「サイドバー」テンプレートでは、マップ横のサイドバー内のツールやオプションを使用してマップを探索できます。今回のアップデートでは、[スナップ設定の表示] オプションが追加されました。
オプションを有効化すると、アプリの利用者がスナップ レイヤーを切り替えられるようになり、これまで以上に効率的にレイヤーを編集できます。
更新: パブリック通知テンプレート
「パブリック通知」テンプレートでは、CSV 形式または PDF 形式にエクスポートできるフィーチャのリストを作成できます。今回のアップデートで、任意の地点やライン、ポリゴンから任意の範囲内にあるフィーチャを選択することができるようになりました。
[検索距離] を有効にすることで、任意の距離を定義して、指定したジオメトリー周辺のフィーチャを検索できます。
全般的な機能強化
カバー ページでの言語の切り替え
ArcGIS Instant Apps では、機械翻訳の技術を活用した翻訳アシスタント (ベータ版) を使用して、アプリを複数の言語で構成することができます。今回のアップデートで、カバー ページについても翻訳が設定できるようになりました。
アプリの概要や利用方法を記載するカバー ページを多言語で構成することで、アクセシビリティーの高いアプリを構築できます。
構成可能なアプリのサポート終了に関するお知らせ
以前からお知らせしているように、2023 年 ６ 月以降、ArcGIS Online の構成可能なアプリは非推奨となり、ArcGIS Online では 2026 年初頭に予定されている最初のアップデートでリタイアが予定されています。リタイア後は、アプリケーションの作成および実行ができなくなります。
ArcGIS Instant Apps は、アップデートの度に多くの機能が追加されています。構成可能なアプリで作成したアプリを所有している場合は、構成可能なアプリのリタイアまでに、ArcGIS Instant Apps を使用してアプリを再構築していただくことをおすすめいたします。
ArcGIS Instant Apps の新機能の詳細はヘルプ (英語) をご参照ください。