ArcGIS Urban は、小規模から大規模な都市開発まで対応可能な、土地利用の検討やさまざまな影響評価を支援する Web ベースの 3D アプリケーションです。スムーズで効果的な都市計画のシミュレーションを行うことができ、シミュレーションした計画を組織内外に共有することで、計画の透明性向上と理解の促進を図ることができます。
2025 年 11 月のアップデートの新機能では、プロジェクトのゾーニング規制の表示、指標機能の機能拡張、解析ツールとして「適合性」が追加されました。本ブログでは、これらの新機能をご紹介します。
プロジェクト: ゾーニング規制の表示
本アップデートでは、プロジェクトに「範囲」機能が追加されました。プロジェクトは、単一のサイトや区画、建物など、短期的かつ小規模な開発計画に対応します。「範囲」機能は、区画ごとに最大の建築可能な体積を 3D で表示します。この形状は、高さ制限やセットバックなどの設定によって決定されます。設定した情報は、[詳細] タブで確認できます。範囲を視覚化することで、開発可能な場所や、検討中の建物がゾーニング規制に準拠しているかどうかを簡単に確認できます。
新しい指標「区画パラメーター」
指標機能は、都市計画や開発プロジェクトの成果や影響を定量的に評価・可視化するためのツールです。本アップデートにおいて、「区画パラメーター」が追加されました。このパラメーターに土地の価格や人口などの区画固有のデータを設定し、計算に活用できます。
例えば、この機能を使って土地価値、建物価値、税率の 3 つの区画パラメーターを定義し、それらを基に総価値を計算し、税収を算出することが可能です。
さらに、区画のパラメーター データを指定することで、区画パラメーターの計算に利用できます。指標計算でパラメーター値が設定されていない場合は、デフォルト値が自動的に適用されます。これにより、デフォルト値を使った計算が可能になる一方で、必要に応じて特定の区画にパラメーター値を柔軟に設定することもできます。
適合性解析
適合性解析ツールを使用すると、既存の状況を踏まえて、新しい開発に最も適した区画を特定することができます。これまで個別のツールとして提供していた適合性解析がプランの解析モードに統合され、条件の作成・編集・管理・実行がより直感的になりました。各基準に 0 ~ 10 のスコアを設定し、重み付けを行うことで、複数の条件を組み合わせた柔軟な分析が可能です。さらに、「元に戻す」や「やり直し」機能により、モデル構成の試行がより簡単になりました。
また、解析がバック グラウンドで実行されるようになったため、複数の適地分析を同時に進めながら、プランの設計や編集を継続できるようになりました。
まとめ
今回のアップデートでは、都市計画における意思決定をより効率的に支援する機能を追加しました。ゾーニング規制の表示、区画パラメーターや適合性解析を組み合わせることで、計画者は現状をより深く理解し、データに基づいた合理的な判断を行えます。
その他の新機能は、Esri 社のブログ (英語) をご参照ください。

