デジタルファブリケーションという言葉を聞いたことはあるでしょうか。デジタルファブリケーションとはデジタル データから”モノ”を作成する技術のことです。代表的なものに 3D プリンターがあります。ArcGIS というとパソコンに接続されたモニターに表示されている地図を思い浮かべる人が多いと思いますが、実は ArcGIS を使ってさまざまな”モノ”を作成できます。この ArcGIS 上のデータからデジタルファブリケーションで、作成したさまざまな”モノ”をストーリー仕立てで伝えた Web アプリを公開しています。本ブログ記事では、掲載内容の詳細やちょっとした解説をご紹介します。
まずは地形データを使用したデジタルファブリケーションのご紹介です。地理院地図3D のような便利なサービスもありますが、ArcGIS を使っても地形の 3 次元モデルを作成できます。データがあれば建物の 3 次元モデルも作成可能です。下記の写真は東京都の青ヶ島を 3D プリンターから出力した模型です。青ヶ島の特徴的な地形がよく分かります。
ある場所を模型にするだけでなく、地球全体を模型にすることも可能です。その際に、地球儀のような球体以外にも、キューブ図法という投影法を使用して立方体の模型を作成することもできます。下記のマップはキューブ図法で投影した世界地図を示しています。
完成した立方体の地球儀が下記の画像です。模型のへこんでいる部分が陸地です。日本がどこにあるか分かりますか?
デジタルファブリケーションは 3D プリンターだけではありません。レーザーカッターや UV プリンターなどさまざまな機械があります。5cm 四方の木材の立方体にレーザーカッターで陸地の部分を彫刻しました。ちょっとしたオブジェになりそうですね。
このアプリケーションはストーリー マップのカスケードテンプレートを使用しました。このテンプレートでは ArcGIS Online 上のマップやテキスト、画像やビデオといったさまざまなコンテンツを組み合わせて説得力のあるストーリーを簡単に作成できます。
こちらの Web アプリは英語版も作成しており、国際地図学会の eCARTO News の 5 月号に掲載されました。また、ストーリー マップ テンプレートで作成した見本が集約されているストーリー マップ ギャラリーにも掲載されています。さまざまな分野で活用されている事例もぜひご覧ください。
自分自身で考えたものが形になる体験はとても刺激的です。みなさまもデジタルファブリケーションを活用して楽しい ArcGIS ライフをお送りください!
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