世界中で大流行している新型コロナウイルス感染症 (COVID-19)。歴史を紐解けば、世界的なパンデミックとなった感染症はこれまでもありましたが、世界中の感染者の情報が日々取得・分析されている感染症は、この新型コロナウイルスが初めてと言われています。
国によって感染状況はさまざまですが、米国 Esri 社では、その傾向 (トレンド) を把握できるストーリー マップを公開しています。そしてこのたび、ESRIジャパン翻訳による日本語版のストーリー マップ「COVID-19 : 情報化時代初の世界的パンデミック」を公開しました。
このストーリー マップでは、感染状況の傾向を示す以下の 5 つのトレンドを定義しています。
Emergent (緊急事態): 集団感染の初期段階
Spreading (拡散): 初期の拡散段階で、行政の対応力によっては制御可能な場合があります
Epidemic (流行): 制御されていない拡散
Controlled (制御): 過去 21 日間における人口 10 万人あたりの新規症例が平均 0.5 件未満
End Stage (収束): 過去 42 日間における 5 日間ごとの新規症例が平均 1 件未満
そして、各国の感染状況がどのトレンドに属しているのかを世界地図で色分け表示しています。
このマップ上で任意の国をクリックすることで、その国がどのトレンドにあるのかを確認することができます。たとえば、日本をクリックすると以下のような情報が表示されます (5月11日時点)。
このストーリー マップでは、これ以外にも各国の現在の感染者数を表したマップや最初の症例発生日からの経過日数を表したマップも紹介しています。
ここに掲載されているマップの情報は、米国ジョンズ・ホプキンス大学から提供されている感染者数のデータを元に日々更新されています。ストーリー マップの作成にあたっては、ArcGIS Online に付属のストーリー マップ構築ツール「ArcGIS StoryMaps」を使用しています。
また、新型コロナウイルス対応支援サイトのデータ活用事例にも掲載されております。
現在大部分が紫色 (Epidemic [流行] の色) に染まっている世界地図が、緑色 (End Stage [収束] の色) になる日が一日も早く来ることを祈ります。
■関連リンク
・新型コロナウイルスの感染状況に関するマップ
・ジョンズ・ホプキンス大学の新型コロナウイルス感染状況ダッシュボード作成の裏側