現地調査に特化した多機能現地調査アプリ ArcGIS Field Maps (以下「Field Maps」) が 2023 年 6 月 14 日 (日本時間 2023 年 6 月 15 日) にアップデートされました。今回のアップデートでは Windows 版のサポート開始とジオフェンスの機能強化などが行われましたので、ご紹介します。
目次
Windows 11 対応
Field Maps が Windows 11 の Windows Subsystem for Android (WSA)※ 上で使用できるようになりました。従来は PC 上でデータの入力や更新を行うには Map Viewer を使用する必要がありました。今回 Windows 11 に対応したことで PC 上でモバイル アプリに似た操作感でデータの取得から更新を実行できます。
※Windows 11 上で Amazon アプリストアにて入手可能な Android アプリケーションを実行できる仮想環境システム
Windows 11 版 Field Maps には以下の制限があります。
- Bluetooth およびシリアル接続は WSA では未サポートです。高精度データを収集するために GPS 受信機に接続するには追加の手順が必要です。詳細は「Field Maps (Windows 11) を外部 GPS 受信機に接続する方法」(英語) をご参照ください。
- ベースマップまたは .mmpk ファイルを Windows デバイス上にサイドロード (コピー) はできません。
- データ収集中にビデオを添付することはできません。
セットアップ方法
- Microsoft ストアから Amazon アプリストアをインストール
- Amazon アプリストアから ArcGIS Field Maps をインストール
なお Microsoft ストアおよび Amazon アプリストア共にユーザー アカウントが必要です。詳細なセットアップ方法と各種要件は Install ArcGIS Field Maps on Windows 11 (英語) をご参照ください。
取得する位置情報の品質を担保
今回のアップデートでは位置情報を取得する際の品質向上に役立つ 2 つの新しい収集設定が追加されました。これらは Field Maps Designer の [アプリの設定] から設定できます。
補正タイプ
GPS 補正タイプに閾値を設定できるようになりました。
基準を満たさない場合は警告が表示されます。
手動位置
データ収集者が手動で位置情報を取得することを許可するか設定できるようになりました。これにより高精度 GPS 装置を使用する際に、手動で位置情報を取得することをブロックして、取得するデータの品質を担保することができます。
なお、これらの機能を使用する場合は GPS メタデータ フィールドが必要です。
Arcade 式を活用したジオフェンスのカスタマイズ
任意のエリアを指定し、そのエリアに「入った」または「出た」をトリガーとしてアクションを起こすことができるジオフェンスで、Arcade 式を使用して [位置情報アラート] と [位置情報の共有] をトリガーできるようになりました。これにより、条件付きでのアラートと位置情報の共有を実行できるようになります。
動画では「入場可能時間または入場不可時間」のそれぞれで指定エリアに入った場合に通知されるメッセージを Arcade 式で作成しています。
フォームの機能強化
Form Constraint プロファイルが強化され、フォーム上の調査項目に対して、[編集可能]、[必須]、[表示] を制御する Arcade 式で FeatureSet 関数などをサポートするようになりました。例えば、追加するポイント データが土地区画や洪水区域内に含まれる場合は特定のフォームの項目を表示する、という制御ができます。
おわりに
Windows 版の Field Maps をサポート開始したことでより使いやすく、馴染みやすい現地調査アプリとなりました。現地調査を一貫してサポートするオールインワン アプリ ArcGIS Field Maps をぜひご活用ください。
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