今年 1 月から一般公開された登記所備付地図を皆様は活用されていますか?6 月 22 日に建設業向け ArcGIS 活用ウェビナーとして「登記所備付地図データを ArcGIS で使おう!」を開催しました。
この記事では、次の 2 本立てで開催されたウェビナーの内容をダイジェスト版でお届けします。
- ArcGIS での登記所備付地図データの活用
- ArcGIS ですぐに使えるデータ
目次
ArcGIS で登記所備付地図データ (地図 XML ) を活用しよう!
登記所備付地図データとは?
登記所備付地図は不動産登記法に基づいて法務省法務局に備えつけられている地図です。この地図によって土地の位置や区画そして、筆界と呼ばれる土地の境界を明確にすることが可能です。法務省は登記所備付地図データを地図 XML 形式という、テキストベースのフォーマットで公開しています。
これまで法務局は、地図証明書や図面証明書として法務局で写しの交付を受ける方法 (有料) や、登記情報提供サービスから PDF の閲覧で情報提供をしてきましたが、2023 年 1 月から各社のシステムやアプリで扱いやすい XML 形式での提供を開始しました。
登記所備付地図データから分かること
次の情報がわかります。
- 筆界 (土地の境界)
- 大字・小字・地番
- 地図の種類 (地図作成時に参照した図面)
- 座標系 (公共座標系または任意座標系)
- 筆界未定地
- 地図作成時期
ArcGIS 上で登記所備付地図を可視化!
「ArcGIS 変換ツール」を使用して登記所備付地図データを GIS 上で可視化すると、図郭など図形情報があるデータのみならず境界未定構成線など図形情報がないデータも変換することができます!
こちらがデータを ArcGIS 上で可視化するための手順です。
- G 空間情報センターから地図XMLをダウンロードします。
- ダウンロードした ZIP ファイルを解凍します。
- 「変換ツール (国内データ) for ArcGIS Pro 」を入手し、インストールします。ArcGIS Pro [国内データ] タブ → [法務省] → [法務省 地図 XML のインポート] を実行し、GIS 上で使用できるファイルジオデータベースに変換します。
- ArcGIS 上で利用します。
すぐに登記所備付地データを使用したい!
ArcGIS Online コンテンツを集めたデータコレクションである、 ArcGIS Living Atlas of the World にも登記所備付データを公開しております。ArcGIS ユーザーであればすぐにデータを利用できますのでぜひご活用ください。現時点では東京都と愛知県のデータを登録しています。
すぐに使えるデータで、ArcGIS 活用をよりスマートに
背景地図、地形・土地、気象・災害の 3 つのジャンル別に GIS データの活用法をご紹介します。GIS データ逆引きリストとしてぜひご覧ください。
背景地図
国土地理院の地図のが業務上必須なので地理院地図が使いたい | Living Atlas of the Worldの地理院地図を追加 |
「解析」にも使いたい!オフライン環境でも使いたい | ESRI ジャパンデータコンテンツなどのオフライン背景地図製品 |
表札情報も見たい | 住宅地図オンラインサービスやZmap-TOWN II |
3D で建物が見たい | PLATEAU 3D や OpenStreetMap 3D |
地形・土地
標高データを解析に使いたい | World Elevation サービス |
手元の地図に地番データを重ねてみたい | 登記所備付地図データ・GEOSPACE 地番地図・ブルーマップデータベース |
土地利用図を使いたい | 国土数値情報 |
用途地域のデータを使ってみたい | 土数値情報・都市計画データベース |
GEOSPACE 地番地図については、NTTインフラネット株式会社様をゲストスピーカーとしてお招きし、6 月 28 日水曜日に開催する「ArcGIS で業務効率 UP! GEOSPACE 地番系製品&ソリューションのご紹介」ウェビナーにて詳細をご紹介します。網羅された地番データを使用したい方は必見です!
気象・災害
リアルタイム気象データを重ねてみたい | 気象オンラインサービス無償レイヤー |
リアルタイム気象データを解析にも使いたい | 気象オンラインサービス (ゲヒルン版) |
SNS で発信されている災害情報を重ねたい | Spectee on GIS・FASTALERT 発災情報 時空間ビックデータ |
マップに災害レイヤーを重ねてみたい | Living Atlas で使える災害リスクデータ |
さいごに
登記所備付地図データをはじめとして、多くのデータを ArcGIS 上で利用することができます。皆様の作業に適したデータをぜひ ArcGIS 上でご活用ください!