IoT センサーやデータ ソース、その他 API などからデータを取り込み、リアルタイムのデータ フィードを処理、視覚化、解析することができる ArcGIS Velocity がアップデートされました。ここでは、2025 年 2 月のアップデートで追加された以下の新機能や機能強化をご紹介します。
- フィード
- FlightAware (航空) フィード タイプを使用し、FlightAware Firehose API を通じて包括的かつ最新の航空機データ (空中) にアクセスすることで、リアルタイムのフライト追跡機能を強化できます。
- FlightAware (サーフェス) フィード タイプを使用し、FlightAware Firehose API を通じて詳細なリアルタイムの地表データにアクセスすることで、地上操作を最適化できます。
- Baron Weather フィード タイプを使用し、Baron Weather の非常に正確でタイムリーな気象データに接続することで、解析と意思決定を向上できます。
- 出力
- Microsoft Teams 出力タイプを使用することで通知を効率化できます。
- Slack 出力タイプを使用し、アラートの遅延を減らすことで、意思決定を迅速化できます。
- 解析
- XYZ 値の追加 ツールを使用し、ポイント フィーチャから座標を新しいフィールドに抽出することで、解析ワークフローを改善できます。
目次
フィード
FlightAware フィード タイプを使用して、フライト関連の情報を解析に追加
FlightAware フィード タイプは、FlightAware Firehose API に接続して、飛行位置、飛行ステータス データ、地表移動位置に関連するデータを受信します。FlightAware フィードは、FlightAware (航空) フィードと FlightAware (サーフェス) フィードという 2 つのフィード タイプを提供しますが、この 2 つの異なるフィード タイプは、飛行中の航空機追跡に重点を置くか、空港運営の最適化に重点を置くかが主な違いとなります。
FlightAware (航空) フィードを使用すると、FlightAware の Firehose API に接続して、飛行している飛行機に関する情報を提供します。これにより、飛行機の位置、高度、移動速度を把握できます。また、このフィードでは、フライトの詳細や出発および到着メッセージなどのフライト ステータス情報も提供されます。このフィードを解析に取り込むと、FlightAware サブスクリプションの詳細に応じて、出発と到着、キャンセル、フライト情報、待機開始、待機終了、電源オン、地上オン、地上オフ ブロックなどを追跡できるようになり、フライト操作の可視性が向上します。
同様に、FlightAware (サーフェス) フィードは、Firehose API に接続してデータにアクセスしますが、このデータは車両と航空機の地上移動位置の情報です。滑走路に向かって地上を移動中かゲートに駐機中等、空港での車両の位置に関する情報を提供します。地上位置データを組み込むことで、アナリストは駐機場上の航空機の現在位置と指定された到着空港、または出発空港への近さに応じた判断をすることができます。さらに、落雷や車両の位置等、他のリアルタイム データとの解析に基づいてアラートを構成することもできます。このフィードに接続して、地上の車両と航空機の位置、地表近くの位置、進入や退出イベントを追跡します。
サポートされているイベント タイプ スキーマとフィールド定義に関する詳細情報が必要な場合は、FlightAware ドキュメントをご覧ください。現在、FlightAware をご利用の場合は、FlightAware URL にログインして Flight Aware フィードを作成することで、フィードを開始できます。詳細については、FlightAware (航空) および FlightAware (サーフェス) のドキュメントをご覧ください。さらに詳しい情報については、ブログも合わせてご覧ください。

Baron Weather フィードを使用して、地図や解析に詳細な情報を追加
新しい Baron Weather フィード タイプを使用すると、Baron Weather の顧客は気象サービスから入手できる情報よりも、高解像度で信頼性の高い気象データを Velocity に素早く取り込むことができます。
Baron Weather フィード タイプは現在 21 のデータ フィードをサポートしています。全国規模のレーダー、衛星、特許取得済みの嵐の追跡データ等、Baron の高度な悪天候追跡機能を活用して資産やイベントを監視することで、安全性を高め、成果を向上させることができます。また、Baron の豊富な気象データセットを既存の空間データと組み合わせて活用することで、組織への極端な天候の影響を最小限に抑えることができます。
特定の地域に特化したリアルタイム気象データを Velocity 対応アプリケーションに組み込むことに興味がある場合、Baron の 30 日間無料トライアルでデータを是非試してみてください。
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出力
Microsoft Teams のアダプティブ カードで自動通知を効率化し、インタラクティブな通知を実現
オフィス環境では Microsoft Teams や Slack のようなプラットフォームが主要なコミュニケーション手段となっており、組織ではこれらのプラットフォームをより活用し重要なコミュニケーションやワークフローの構築を行っています。その Teams や Slack といったプラットフォームを通じて、重要な気象情報などの通知を受け取ることは、通知システムや情報の取得手段という意味で、大きな変革をもたらします。Velocity で Microsoft Teams 出力 を使用すると、組織が優先するコミュニケーション チャネルで気象情報や運用関連の通知を直接受け取ることができるため、チャネルを切り替える必要性を減らすことができ利便性が向上します。
Microsoft Teams 出力を使用すると、アダプティブ カードを簡単に生成して送信できます。アダプティブ カードは、テキスト、グラフィック、ボタンを含むことができるリッチなインタラクティブ メッセージで、動的な情報を共有する機能を提供します。リアルタイムおよびビッグ データ解析からの特徴データをアダプティブ カードに組み込み、Microsoft Teams に投稿することができます。
Slack 出力とインタラクティブ機能で分析からアクションまでの時間を短縮
Microsoft Teams の出力サポートと同様に、組織内の Slack チャンネルにメッセージを直接送信できるようになり、コミュニケーションがより活発化され使いやすくなりました。Slack は、テキスト、グラフィック、インタラクティブ ボタンを含むメッセージをサポートしています。さらに、ユーザーはメッセージ内に機能データを組み込むことができるため、重要な情報をリアルタイムでシームレスに共有できます。
Microsoft Teams または Slack 出力では、Webhook URL を生成する必要がありますが、[出力] > [その他の出力] > [Web およびメッセージング] に移動し、[Microsoft Teams] または [Slack] を選択することで、出力を解析へ簡単に追加することができます。
新しい出力の構成の詳細については、Microsoft Teams および Slack のドキュメントで提供されている JSON の例をご覧ください。
解析
座標属性の新しいサポートにより下流解析の効率化
XYZ 値の追加ツールは、フィーチャの位置情報から、X 値 (経度)、Y 値 (緯度)、Z 値 (標高) として新しい個別のフィールドに座標値を抽出します。これらの座標値が個別の属性として保存されることで、後続の解析、可視化、および情報の伝達が強化されます。例えば、座標属性は Web マップ内での分類やシンボル化を定義したり、個人毎に異なるアプリケーション アクセス用の URL を自動的に生成したり、データ解析における結合やフィルターで座標値がより簡単に利用できるようになります。
参考情報
詳細については、ドキュメントの新機能をご参照ください。また、このリリースにおける不具合修正や機能拡張については、ArcGIS Velocity Issues Addressed List – February 2025 をご参照ください。製品に関するアイデア、拡張機能、機能に関する要望がある場合は、Esri Community の ArcGIS Velocity Ideas に投稿をお願いします。
ArcGIS Velocity の詳細については、製品ビデオ、チュートリアル、ドキュメントなど、利用可能なリソースをご覧いただければと思います。
関連リンク
米国 Esri ArcGIS ブログ:
ESRI ジャパン Web サイト:
ESRI ジャパン ArcGIS ブログ:
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