ArcGIS Network Analyst 10 – ネットワーク データセットの編集

ArcGIS Desktop 10 のエクステンション製品である ArcGIS Network Analyst 10 には多くの新機能が追加されており、その中でも特に、これまでネットワーク データセットを独自に構築されていた方にとって嬉しい機能をご紹介します。

これまでは、ネットワーク ソースの 1 つのラインを編集しただけでも、その編集を反映するにはネットワーク データセット全体を再構築する必要があり、大規模なデータセットの場合は処理に時間がかかっていました。バージョン 10 では、編集した部分だけを再構築することができ、処理時間を大幅に短縮することができます。

さらに、ArcSDE ジオデータベースを使用する場合は、ネットワーク データセットのソース データを複数ユーザで同時に編集し、編集の競合を解決できるようになり、大規模データセットを効率的に管理・編集することができます。詳細は Web ヘルプ をご覧ください。

ここでは、パーソナル/ファイル ジオデータベースを使用する場合の編集についてご紹介します。

■前準備
編集部分だけを再構築できるようにするには、ネットワーク データセットのバージョンを 10 にアップグレードする必要があります。

手順1. ArcCatalog でジオデータベースのプロパティを開き、[一般] タブの [ジオデータベースのアップグレード] をクリックして 10 へアップグレードします(上書きされますので、ジオデータベースのコピーを保存しておくことをお勧めします)。

手順2. [ネットワークのアップグレード] ツールを使用して、ネットワーク データセットをアップグレードします。

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手順3. アップグレードしたネットワーク データセットを構築します。

■ソース データの編集
手順1. ネットワーク データセットと編集するソース データを ArcMap に追加します。ネットワーク データセットのシンボルに「ダーティ エリア」が追加されました。ネットワーク未構築の部分が「ダーティ エリア」として表示されるので、視覚的に未構築部分を確認することができます。

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手順2. ソース データを編集します。

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新しく道路を追加すると…

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追加した範囲にダーティ エリアが表示されます。

手順3. ネットワーク データセットを再構築します。

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再構築が完了するとダーティ エリアが消え、ネットワークが更新されます。この例のような小規模な変更であれば、再構築は一瞬で完了します。

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今回は新しいエッジを追加しましたが、既存のエッジやジャンクションの属性を変更する場合も同様の方法ですばやく再構築することができます。

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