現地レポート:プレナリー セッション ~ Esri International User Conference@サンディエゴ(米国)

現在、7/11~15 までカリフォルニア州サンディエゴ コンベンションセンターにて Esri International User Conference(以下、UC)が開催されています。このイベントは世界最大の GIS イベントであり、今年は 126 ヵ国、約 15,000 人の参加者がサンディエゴに集まっています。
日本からは我々 ESRIジャパンのスタッフ以外に多くのユーザ様にご参加いただいており、総勢約 80 名です。

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7/11 はプレナリー セッションがありました。いわゆるオープニングです。参加者の方に後から「何が印象に残りましたか?」と尋ねたときに、まず一番に出てくるのがこのプレナリー セッションです。全幅約 250 メートルというメイン会場が満席になる様子は圧巻です。

■今年のテーマは「Understanding Our World」
ここではまず米 Esri 社社長の Jack Dangermond 氏から Esri の GIS ビジョンと将来の計画が述べられました。今年の UC のテーマは Understanding Our World
GIS は実世界をモデリングあるいはデザインし、理解する速度を加速させることができ、さまざまな課題を解決するために役立つ人類共通の言語です。その GIS は今までは専門家が利用するものという印象がありましたが、専門家の知識を誰でも使えるような形で共有し、皆でより良い世界を作り上げていくというというのがコンセプトです。

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■GIS アワード
GIS アワードでは去年から今年にかけて GIS を使って多大な貢献を行った団体が受賞されます。
SAG(Special Achievement in GIS)は世界で 140 の団体が受賞されましたが、日本からは 6 月の GIS コミュニティフォーラムでもお伝えした通り、直方市様が受賞されました。
また Making a Difference アワードでは、3 月の東日本大震災における EMT(Emergency Mapping Team)の活動の功績が評価され、京都大学防災研究所の林春男教授が受賞されました。その際に、災害に備えたシステムを平時に構築しておくことの重要性と、今後の取り組みについてのメッセージがビデオで紹介されました。

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■テクニカル トピック
今年のテーマは 2012 年にリリースされる ArcGIS 10.1 です。
10.1 では ArcGIS Server が一新され、64 ビット対応やそれに伴うパフォーマンスの大幅な強化、そして簡単にインストールができるようになります。
ArcGIS Desktop は、従来の機能をより使いやすくするような工夫がなされています。また ArcGIS Online に直接 Web サービスをホスティングする機能(有償)も追加されています。
モバイルについては 10.1 のリリース スケジュールとは異なり、数か月の間隔で少しずつ機能強化していきます。iOS 用アプリケーションはすでに日本でもリリースしていますが、まだ国内では端末が登場していない Windows Phone 用のアプリケーションや、Android 用のアプリケーションもこの秋にはリリースされるのでさまざまな環境での利用が可能となります。
さらに、カスタムのスタンドアロン GIS アプリケーションを開発する新しい製品として ArcGIS Runtime が登場します。これは現在の ArcGIS Engine の軽量版で、アプリケーションの起動や描画のパフォーマンスに優れ、配布もより簡単になります。
ArcGIS Online については最近更新され、CSV やシェープファイルといったローカル データの読み込みや、KML や WMS サービスなどのレイヤの追加も行えるようになりました。

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■キーノート スピーチ(事例紹介)
キーノートでは 2 つの事例が紹介されました。
1 つは、シーリング博士による、ルワンダでコーヒー農場を甦らせるプロジェクトで、GIS を使って土壌や標高等のデータを管理し、より品質の高い豆を安定して生産することに成功しました。
もう 1 つは、ジャクリーン・マックグレード氏(欧州環境庁)による、ヨーロッパにおける温暖化問題の講演でした。気温が 1 度上がることによる影響とその対策、そして ArcGIS Online の有用性と市民参加型アプリケーションの重要性について述べられました。

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プレナリー セッションの現地レポートは以上です。
尚、このプレナリー セッションについてはすでにビデオ形式で米 Esri 社の Web ページから見ることができます。今回 UC に参加されなかった方は是非このビデオをご覧いただくと、来年は実際に本カンファレンスに参加してみたいと思われるかもしれません。

■関連リンク
Esri 社 Web サイト:
UC 公式サイト
UC ブログ
UC 写真ギャラリー