Landsat Image Services を使ってみよう (その 2: ArcGIS Desktop 編)

以前当ブログで「Landsat Image Services を使ってみよう(その 1: Web アプリケーション編)」と題して Landsat Image Services とその一つの利用法として Web アプリケーションの「Change Matters Viewer」を紹介しましたが、今回は Landsat Image Services を直接 ArcGIS Desktop で利用する方法について紹介します。

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◆ArcMap への追加
Landsat Image Services は ArcGIS Server の「イメージサービス」として配信されていますので、ArcGIS Desktop でも利用することができます。ArcMap では以下のように使用することができます。

1.ArcMap メニューから[ウィンドウ] → [カタログウィンドウ] を選択し、カタログウィンドウを起動します。

2.[GIS Servers] を展開し、[ArcGIS Server サーバの追加] をダブルクリックします。

3.[GIS サービスの使用] を選択して [次へ>] ボタンを押します。

4.[サーバの URL:] に「http://imagery.arcgisonline.com/ArcGIS/services」と入力し、[完了] ボタンを押します。

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5.カタログに [ArcGIS on imagery.arcgisonline.com] が追加され、その下に [LandsatGLS] と [LandsatGLSChange] という二つのフォルダーがあります。さらにそれらの中に計 26 個のサービスが含まれています。オリジナルデータをほぼそのままの状態でサービスしているのは「TM_Multispectral」と「MSS_Multispectral_1975」で、それ以外のサービスはこれらのデータから関数定義により仮想的に生成されたものです。この仮想処理によるデータ生成がイメージサービス(または ArcGIS Server Image Extension)の最大の特徴です。

6.「TM_Multispectral」を ArcMap のビューまたはコンテンツウィンドウにドラッグ & ドロップして表示してみましょう。

7.コンテンツウィンドウでは「LandsatGLSTM_Multispectral」というレイヤとなっており、これを右クリック→ [属性テーブルを開く] で各 Landsat 画像のメタデータを属性テーブルで確認することができます。

◆ArcMap での検索と利用
このイメージサービスレイヤでは、通常のフィーチャレイヤと同様、ArcMap で属性検索や空間検索を行うことができます。例えば、市区町村界のポリゴンに重なるすべての画像を検索する、といったことをしたい場合は、手順は以下のようになります。

1.コンテンツウィンドウで「LandsatGLSTM_Multispectral」のチェックを外しておきます。(これ以降は属性情報とコンテンツウィンドウのみ使用しますので画像表示は不要です。)

2.同じ ArcMap に市区町村界ポリゴンデータを追加し、任意のポリゴンを選択します。以下の例では横浜市青葉区の範囲を使用します。

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3.ArcMap メニューから、 [選択] → [空間検索…] を選択して空間検索ダイアログを起動し、 [ターゲット レイヤ] として「LandsatGLSTM_Multispectral」を選択、 [ソース レイヤ] として市区町村界ポリゴンデータを選択して [OK] ボタンを押します。

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4.「LandsatGLSTM_Multispectral」レイヤの属性テーブルを開きます。 [選択レコードを表示] ボタンを押せば選択されたレコードのみの表示になって分かり易くなります。レコードが数十個ほど選択されているはずですが、Category フィールドに「Primary」が定義されているものが画像本体ですので、「LandsatGLSTM_Multispectral」を右クリック→ [選択] → [プライマリ ラスタのみを再選択] を選択して絞り込みます。

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5.最終的に3レコードほどが選択されているはずです(選択した場所によります)。これらを個別の画像データとして取り出すには、コンテンツウィンドウで「LandsatGLSTM_Multispectral」を右クリック→ [選択] → [選択ラスタをマップに追加…] を選択し、上図のように設定して [OK] ボタンを押します。

属性テーブルで選択されているレコードに相当する画像データが「TM 検索結果」グループレイヤとなって ArcMap に追加されます。このレイヤの実体もイメージサービスですので、Landsat マルチスペクトラルデータの 6 つのバンドを保持しており、表示はもちろん、画像解析ウィンドウやジオプロセシングツールの処理対象になります。

6.最後に、現在選択されているポリゴンで小さく切り出して(※あまりに大きな範囲はサーバ側の設定により不可です)ローカルデータにしてみましょう。ArcToolbox の [データ管理ツール] → [ラスタ] → [ラスタプロセシング] → [クリップ] を選択します。入力ラスタとして Landsat グループレイヤに含まれる画像レイヤを選択します。

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7.クリップの出力データはオフラインの画像(ラスタデータセット)になります。異なる時期の  Landsat 画像も同様にクリップしてグループ化し、アニメーションツールバーグループアニメーションとして表示してみても面白いでしょう。

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■関連リンク
ArcGIS Server Image Extention
モザイクデータセット

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