以下の 2 つの地図は、千葉市の 2010 年国勢調査の結果が入力されている町丁目・字界のポリゴン データを基に作成しています。左図は町丁目・字界の区画を単純に表しており、右図は色が濃いほどその町丁目・字界での人口密度が高いことを表現しています。同じデータでも、見栄えや印象だけでなく、直感的に状況を把握したり、情報を伝達するスピードも左右したりする地図表現は、GIS を活用するためには非常に重要な操作です。適切な地図表現を行うためには、あらゆる種類の表現方法を吟味し、表現するデータを精査、調整する、といった手順が必要ですが、「スマート マッピング」機能を使えば、誰でも地図表現を適切に、かつ簡単に行うことができます。
スマート マッピング とは…?
地図で表現したい属性を指定するだけで、その属性の内容(文字列、実数、整数等)に応じて適した表現方法を提示する機能です。あらかじめ地図表現の方法や内容を決めておく必要はなく、シンボルの大きさや、色、表示縮尺、分類の閾値などが自動で設定されます。
方法は簡単です。千葉市の 2010 年度の国勢調査の町丁目・字界ポリゴン データを例に、ArcGIS Online のマップ ビューアーでスマート マッピング機能を使用する手順を以下にご紹介します。
1. ArcGIS Online のマップ ビューアーで、レイヤーの[スタイルの変更] アイコンをクリックします。
2. [①表示する属性を選択] で、地図で表現したい属性を選択します。
このデータには、千葉市の区名、人口総数、人口密度のデータが入力されています。
例えば、「区名」を選択すると、[②描画スタイルの選択] で [種類(個別値シンボル)] が自動的に選択され、地図の表現も変更されます。
「人口総数」を選択すると、[数と量(サイズ)] が自動的に選択され、円の大きさで千葉市のどこに人口が多いのかを簡単に確認できます。
「人口密度」を選択すると、[数と量(色)] が自動的に選択され、人口密度の高さを町丁目・字界ポリゴンの色の濃淡で把握できます。
3. さらに、[スタイルの変更] パネルを表示させた状態で [ベースマップ] をクリックして、ベースマップを変更します。
上の図では「地形図」ですが、「道路地図」に変更すると、道路地図の色に合わせて、青系の色から茶系の色に、見やすい色合いに自動的に変更されます。
線の太さに着目すると、その表示縮尺に応じて見やすいよう調整されているのがわかります。特に、地図を縮小した時に、各区画は枠線で塗りつぶされることなく、形や色が維持されているのがわかります。
4. [完了] をクリックして、[スタイルの変更] パネルを閉じます。
スマート マッピング機能を使えば、今までのように地図表現の操作に時間を割くことなく、適切で見やすい地図を簡単に作成することができます。また、このスマート マッピング機能を使って設定した内容は柔軟に変更することが可能で、詳細な表現も簡単にできることを次回ご紹介します。
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