先日のブログ記事「知識を整理してみよう! ArcGIS クイズ ベクター データ編」で出題したクイズはわかりましたか?
今回は、出題したクイズの解答と解説をします。
第 1 問
次の文章は GIS のデータ モデルの 1 つであるベクター データについて説明したものですが、正しいものは次のうちどれでしょう?
- シェープファイルはベクター データではない。
- 千葉市を ArcGIS で表現する場合は、ポリゴンを使用しなければならない。
- ポイント(点)データは、一組の X,Y の座標値の位置情報を持っている。
- ArcGIS ではフィーチャ(地物)の集合体のことをフィーチャ データセットと呼ぶ。
正解: 3
よくわかる解説
1:シェープファイルはベクター データです。
2:千葉市の形状を表現する場合はポリゴンを使用することが適切ですが、日本の中での千葉市の位置を示す場合は、ポイントで示したほうが分かりやすいです。作成するマップの範囲、縮尺、利用目的などに応じて使い分けましょう。
3:正解です。
4:ArcGIS ではフィーチャ(地物)の集合体のことをフィーチャクラスといいます。フィーチャ データセットは、ジオデータベースの中で同じ座標系を持つフィーチャクラスをまとめたものです。
ベクター データについては、「ArcGIS Desktop Ⅰ 入門編」第 3 章、第 7 章、「ArcGIS Desktop Ⅱ 基礎編」第 2 章で扱います。
第 2 問
多くの GIS ソフトウェアで使用されているシェープファイルは複数の拡張子のファイルから構成されており、正しく表示するには 3 つの必須ファイルが必要です。正しい必須ファイルの組み合わせは次のうちどれでしょうか?
- shp,dbf,prj
- shp,dbf,sbx
- shp,dbf,shx
- shp,dbf,sbn
正解:3
よくわかる解説
シェープファイルは、図形情報を格納する *.shp ファイル、属性情報を格納する *.dbf ファイル、フィーチャの図形のインデックスを格納する *.shx ファイルが必須ファイルで、どれか 1 つでも欠けるとシェープファイルとして認識されません。*.prj ファイルは、図形の持つ座標系の情報を定義したファイルでマップの正しい位置に図形を表示させるために必要です。*.sbx と *.sbn は空間インデックスファイルで、ArcGIS での空間検索のパフォーマンスを向上させます。これらは必須ファイルではないですが重要なファイルです。
その他にもシェープファイルには様々な拡張子のファイルが存在します。詳しくは Web ヘルプ「シェープファイルの拡張子」を確認してください。
シェープファイルについては「ArcGIS Desktop Ⅰ 入門編」第 7 章、「ArcGIS Desktop Ⅱ 基礎編」第 2 章で扱います。
第 3 問
次の文章は ArcGIS 独自のファイル形式のファイル ジオデータベースについて説明したものですが、正しくないものは次のうちどれでしょうか?
- ファイル ジオデータベースは、シェープファイルに変換することができる。
- ファイル ジオデータベースは、Windows エクスプローラーでファイルの中身を確認し、整理することができる。
- ファイル ジオデータベースのファイル サイズに制限はない。
- ファイル ジオデータベースでは、シェープファイルに無い高度な機能が使える。
正解:2
よくわかる解説
1:[フィーチャクラス → フィーチャクラス] ツールで変換することができます。
2:ファイル ジオデータベースは ArcMap や ArcGIS Pro といった ArcGIS Desktop アプリケーションの [カタログ] ウィンドウで中身を確認し、整理します。フィーチャクラスのコピーやファイル名の変更などのファイル ジオデータベースに対する操作は、[カタログ] ウィンドウで行いましょう。
3:ファイル ジオデータベース自体にはファイル容量の制限はありません。ファイル ジオデータベースに格納したフィーチャクラスには 1TB までの制限があります。
4:ファイル ジオデータベースでは、属性データの整合性を維持するための設定のドメインや空間的なルールを定義してエラーの検出や修正ができるジオデータベース トポロジなど様々な機能を使用できます。
ジオデータベースについては、「ArcGIS Desktop Ⅱ 基礎編」第 2 章、「ArcGIS Desktop Ⅲ 応用編」第 2 章で扱います。また、ドメインについては「ArcGIS Desktop Ⅲ 応用編」、ジオデータベース トポロジは、「GIS データ構築」で扱っています。
いかがでしたでしょうか。
弊社トレーニングでは、今回出題したベクター データだけでなく、ArcGIS の様々なテーマについて取り扱っており、詳しく体系的に解説しています。
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