2019 年 3 月 7 日に、現地調査アプリである Collector for ArcGIS (iOS) 19.0.1 (以下、Collector) がより使いやすい機能とデザインに一新されてリリースされました。Collector は 2013 年に登場して以来、全世界で iOS 版だけでも累計 70 万以上ダウンロードされ、GIS ユーザーに広く使われています。今回のリリースでは、ユーザーからの改善要望を多く取り入れた下記の新機能が実装されています。
・マップ表示の改善
・ユーザビリティの向上
・オフライン使用でのワークフローの改善
・Z 値の取得に対応
目次
マップ表示の改善
ラベルの表示
従来の Collector では、マップ上にラベル表示ができませんでした。新しいバージョンでは、Web マップで設定したラベルを表示できるようになり、さらに Arcade 条件式で設定したラベルにも対応しています。Arcade とは、ArcGIS の式言語で、簡単な演算式を書くことで、レイヤーのスタイル表示やラベリングなどを定義することができます。
ベクター タイル マップに対応
ベクター タイル ベースマップに対応し、拡大してもシャープに表示できる美しいマップを Collector でも使えるようになりました。マップを回転してもラベルは回転せずに常に見やすいように表示できます。
スタイルの表示
ラインの矢印、エリアの斜線、ヒートマップ表示などが可能になりました。
ユーザビリティの向上
スライド パネル
スマートフォンで属性入力をする際に、入力フォームを最小化、マップと 1/2 ずつ表示、フォームだけ表示の 3 段階にスライド パネルで変更できるようになりました。スライド パネルで、入力する項目の長さに応じて自由に表示領域を変更できるため、入力がスムーズに行えます。
入力方法の改善
従来では、マップを指でタップして画面移動をしようとしただけなのに、意図せずその場所に図形が入力されてしまうということがありました。新しい入力方法では、マップの中心にあるカーソルに入力したい位置を合わせてポイントやラインなどの頂点を入力する方法に変更されました。
また、写真、動画、音声ファイルの添付手順も直感的にわかりやすくなりました。
さらに、バーコードを読み込んで入力することも可能になりました。
オフライン使用でのワークフローの改善
ArcGIS Online でマップ エリアを事前に作成することで、オフライン用にデータをパッケージすることができます。このマップ エリアを Collector にダウンロードすることで、複数のオフライン エリア マップを現場の調査員が即座に利用できます。また、Collector 端末上で任意の範囲を選択してオフライン用にダウンロードする際も、それぞれのエリアに名前を付けて複数エリアをダウンロードできます。
Z 値の取得に対応
GPS から取得した標高の値を、指定した鉛直座標系に変換して、データの Z 値に直接格納できるようになりました。
新機能の詳細につきましては、Collector for ArcGIS ヘルプをご参照ください。
Split View と Slide Over に対応
iPad 上で他のアプリと並列して表示できる Split View と Slide Over に対応しました。
従来の Collector との併用利用
以前の Collector をバージョン 19.0.1 にアップデートしていただくと、「Collector Classic」と名称が変更され、新しい Collector と併用してご利用いただけます (同じ環境に新しい Collector と Collector Classic をインストールできます)。お客様が新しい Collector での運用に移行していただく準備期間は両方のアプリをご利用いただけます。
今後の予定
Android と Windows 版は 2019 年中にリリースが予定されており、Android のベータ版が現在提供されています。ご興味ある方はお試しください。
新しい Collector for ArcGIS をダウンロードして、使いやすさをご体感ください。
操作方法は「Collector for ArcGIS スタートアップ ガイド」をご覧ください。