ArcGIS Pro 2.4 : 空間統計新機能のご紹介

バランス調整されたゾーンの構築

ArcGIS Pro 2.4 の新機能をご紹介する本シリーズ。前回のブログでは、3D の新機能についてご紹介しました。

本日は、空間統計の新機能についてご紹介します。

バランス調整されたゾーンの構築

[クラスター分析のマッピング] ツールセットに新しく [バランス調整されたゾーンの構築] ジオプロセシング ツールが登場しました。指定した条件に基づき、遺伝的成長アルゴリズムを使用して、分析範囲内で空間的に隣接したゾーンを作成します。

下図の例では、人口情報の入った市区町村のポリゴン データと、避難所ポイント データを入力とし、各避難所に割り振られる人口総数が平滑化されるようゾーン分けしています (一部 Advanced ライセンスのパラメーターを使用しています)。

バランス調整されたゾーンの構築

ローカル 2 変数リレーションシップ

[空間関係のモデリング] ツールセットに新しく [ローカル 2 変数リレーションシップ] ジオプロセシング ツールが登場しました。ローカル エントロピーを使用して、2 つの変数の統計的に有意な関係を解析します。入力パラメーターとして、説明変数と従属変数を指定し、一方の変数値が他方の変数値に従属しているか、つまり影響を受けているかどうかと、これらの関係が地理的空間にわたって変化しているかを判定することにより、同一マップ上の 2 変数の関係を定量化できます。各フィーチャは、関係性のタイプに基づいて、正の相関、負の相関など 6 つのカテゴリのいずれかに分類されます。

下図の例では、ニューヨークの高校で行われた数学の SAT (アメリカの学力テスト) スコアとアジア人学生の関係を表したマップです。例えば、マップでは濃いピンク色のシンボルが多いですが、これはアジア人の割合と数学のスコアに正の相関があることを表しており、アジア人学生が多いほど、数学のスコアが高い傾向があるという事になります。

ローカル 2 変数リレーションシップ

他にも、[フォレストベースの分類と回帰分析] ジオプロセシング ツールに予測値の不確実性を計算するオプションや、すべての反復でのモデル内における各変数の重要度分布を示す箱ひげ図などが追加されるなどの機能拡張がされています。

空間統計的解析機能が拡充されたことにより、地理的な傾向を可視化できる手法が多様になりました。新しいツールもぜひご利用ください。

次回は、画像系の新機能をご紹介します!

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