ArcGIS API for JavaScript バージョン 4.17 およびバージョン 3.34 をリリースしました!

ラスターの更新

ArcGIS API for JavaScript の最新バージョン 4.17 およびバージョン 3.34 の国内サポートを開始しました。以下では、バージョン 4.17 の主な新機能・機能拡張をご紹介します。

■バージョン 4.17

バージョン 4.17 では主にパフォーマンスを中心に改善されています。

フィーチャ レイヤーのパフォーマンス強化

フィーチャ レイヤーの読み込みと前処理が高速化されました。これには、レイヤーの解析や処理、表示に影響を与える部分のリファクタリングが含まれています。

下記は、非常に大きなデータに対して、バージョン 4.16 (左) と 4.17 (右) で、フィーチャ レイヤーを使用している例です。

フィーチャ レイヤーのパフォーマンス強化

4.17 では、110 万件以上の建物のフットプリントに対してフィーチャ レイヤーでの読み込み速度が速くなっています。

ストリーム レイヤーの強化

これまで以上に多くのデータを処理できるように改善されました。また、StreamLayerViewupdate-rate イベントが追加され、WebSocket とクライアント側での更新レートを確認することができます。さらに maxReconnectionAttemptsmaxReconnectionInterval プロパティが追加されています。これらのプロパティは、接続が失われた場合にストリーム レイヤーがサーバーに再接続しようとする際の試行回数と試行間の待ち時間を指定するために使われます。その他、カスタムサービスの WebSocket で動作するように拡張されました。詳細は、Reference a custom stream service を参照してください。

クライアント サイド レイヤーの高速化

クライアント サイドのグラフィックから作成された CSVLayerGeoJSONLayerFeatureLayer は worker を利用することでデータをクライアント側で格納できるようになりました。これにより、バックグラウンドスレッドでクライアント側のレイヤーに対してより多くのクエリを実行することができるようになりました。メモリの問題を処理する方法の詳細については、「大きな変更」を参照してください。

下記は、バージョン 4.16 (左) と 4.17 (右) で、CSV レイヤーを使用している例になります。

クライアント サイドレイヤーの高速化

4.17 では、worker を利用してデータを格納することで、よりスムーズな表現が可能になっています。

ベクター タイル レイヤーの更新

ベクター タイル レイヤーでは、マップを読み込んで操作する際の操作性が向上しています。マップの拡大・縮小などの操作で、シンボルがフェードイン・フェードアウトしますが、その時の可視化のスムーズな遷移が可能となりました。

たとえば、下記のバージョン 4.16 (左) では、タイルの境界に沿ったラベルが重なって表示されていましたが、バージョン 4.17 (右) では、ラベルが重ならないように最適化されています。

ベクター タイル レイヤーの更新

新しいポリゴンの表現

新しいポリゴンの表現では、地形や統合メッシュレイヤー上の領域を強調表示することができるようになりました。シーン内のすべてのポリゴンに同じパターンを適用したり、属性に基づいて分類したりすることができます。下記のサンプルでは、新しいポリゴンの表現を使用して都市開発エリアを可視化しています。

新しいポリゴンの表現

シーン レイヤーのパフォーマンス強化

ポイント シーン レイヤーは、最新の I3S 仕様バージョン 1.7 に対応したことにより、読み込み・表示速度が最大 2 倍に高速化され、大量のポイント シンボルを使用したシーンをより効率的にレンダリングすることが可能になりました。

統合メッシュレイヤー3D オブジェクト シーン レイヤーと同様に、I3S コンバーターツールを使用して既存の SLPK を更新することで、これらのパフォーマンス向上の恩恵を受けることができます。詳細については、シーン レイヤーの操作ガイドを参照してください。

シーン レイヤーのパフォーマンス強化

WMS レイヤーの時間サポート

WMS レイヤーは、時間を有効にしたレイヤーをサポートするようになりました。TimeSlider ウィジェットを使用して一定期間に渡ってレイヤーをアニメーションさせたり、レイヤーに timeExtent を設定して、指定した時間の範囲内のデータのみを要求したりすることができます。

WMS レイヤーの時間サポート

ラスターの更新

新しい VectorFieldRenderer クラスを使用することで、ベクター シンボルを使用してラスター データをシンボル表示することができるようになりました。以下のサンプルでは ImageryLayer に VectorFieldRenderer を適用して風速と風向を表示しています。

ラスターの更新

サンプルアプリケーション

IE11/Edge Legacy サポートの最終リリース

バージョン 4.17 が、Internet Explorer 11 および Edge Legacy ブラウザをサポートする最後のリリースとなります。これは、バージョン 4.18 以降では、IE 11/Edge Legacy では機能しないことを意味します。ユーザーは、Mozilla Firefox、Google Chrome、Apple Safari、Microsoft Edge などの最新のブラウザーに移行することを強くお勧めします。

詳細については、動作環境、Esri ジャパン公式ブログ「Internet Explorer 11 および Edge レガシのサポート終了について」も併せて参照してください。

その他の機能追加・拡張の詳細については、以下の新機能ページも併せてご覧ください。

・バージョン 4.17 新機能 (ESRIジャパン / 米国 Esri 社)
・バージョン 3.34 新機能 (ESRIジャパン / 米国 Esri 社)

■関連リンク

米国 Esri ArcGIS ブログ:
What’s New in ArcGIS API for JavaScript (October 2020)

ESRIジャパン Web サイト:
ArcGIS API for JavaScript

米国 Esri 社 Web サイト:
ArcGIS API for JavaScript (バージョン 4.17)
ArcGIS API for JavaScript (バージョン 3.34)

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